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第13回

老人ホームに持ち込むべき家具とは?整理収納アドバイザーが教える、環境を変えない環境整備のコツ

最終更新日時 2017/12/29
#老人ホームへの入居
一般的な介護付有料老人ホームの居室の広さは20㎡弱と、持っていける荷物の量は限られています。クローゼットがある場合には、小さめの家具を2つ(幅60cm以内、大きくても90cm以内)程度。それ以上の家具を持ち込むと、車イスで移動しにくくなります。

こんにちは。REASON代表で、理学療法士でもある医療・福祉専門ライターの中川恵子です。

「介護の教科書」の連載では、在宅介護をされている方に向けて「介護者の負担を減らし、高齢者のケガも減らせる環境整理収納術」をテーマに、在宅介護のヒントをお伝えいたします。

今回は、理学療法士として老人ホームで環境整備を実践した経験から、“老人ホームへの引っ越しをラクにするための家具の選び方”をご紹介いたします。

老人ホームへの入居を考え始めたら

在宅介護を何年も頑張ってきたけれど、息子・娘が離れて暮らしている、介護者自身の高齢化、介護に疲れたなどの理由で在宅での介護生活の継続が難しい状況になり、ご両親に有料老人ホームに入所してもらうかどうかを悩んでいる方も多いのではないでしょうか?一方で、老人ホームに入居したいけれど今の状況では入居できないと悩んでいる方も多いようで、よく聞かれるのが以下の2つのお悩みです。

  • モノが多くて家をたためない
  • どんなモノを持って行けば良いのかわからない

老人ホームの居室の広さから考えるとモノを持ちすぎてしまい、介護しにくい・されにくい、そして動きにくいお部屋があるのも事実です。そこで、まずは老人ホームに持っていく“荷物の選び方”を学んでいきましょう。

荷物の選び方で要介護者・介護者の負担を減らす

高齢者にとって、環境を変えることはとても大きな負担になります。ですが、介護の必要に迫られたとき、どうしても環境を変えなくてはならないときがありますよね。老人ホームへの入所がその代表例です。

では、高齢者の負担を減らすためには、どうしたら良いでしょうか。それが、入居と同時に環境を整えることなのです。入居者にとって必要なモノを選んで、必要な分だけ持ち込むように準備します。

特に、介護つき有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などは、家具や収納用品を自分で選んで持ち込むことができるので、持っていくモノをしっかり選ぶと、その後の新しい環境での生活がスタートしやすくなります。

入居するときに持っていくモノをスムーズに選ぶことができるということは、引っ越し準備をする家族にとっても負担が減ります。まずはベッドの配置が決まると、家具を置く位置も決まります。

老人ホームの担当者とご相談しながら、体の状態に合わせたベッドの配置を決めて、持っていく家具を選びましょう。

老人ホームに持っていく家具は“車いす”を意識しましょう!

老人ホームに持っていける家具はどれくらい?

一般的な介護付き有料老人ホームの居室の広さは20㎡弱と、持っていける荷物の量は限られています。クローゼットがある場合には小さめの家具を2つ(幅60cm以内、大きくても90cm以内)程度。それ以上の家具を持ち込むと車椅子での移動がしにくくなります。

歩ける方でも、常に体調が良いとは限りません。なので、車椅子で動くスペースも念頭に間取りを考えましょう。

どんな家具を準備したら良いのか?

老人ホームへお引越しのとき、できれば愛着のある家具を持っていくことをおすすめします。なぜなら、それが環境を変えない環境整備につながるからです。では、どんなタンスを選ぶとよ良いのでしょうか。

ますはタンス。タンスの引き出しは、すっとラクに引き出せるものがおすすめです。老化のひとつで指先の力も弱くなり、重い引き出しは高齢者にとっては使いにくい場合があるので注意しましょう。

もし迷うようであれば、実際に要介護者の方に使ってもらい、引き出しやすいかどうかを確認しましょう。

さらに、しっかりと安定感のあるタンスがおすすめです。高齢者は何かの拍子でふらついたときに、手すり代わりとして家具に寄りかかることがあります。そうすると、キャスター付き家具(テレビ台など)や折りたたみ家具(折りたたみ椅子、折りたたみテーブルなど)は安定感がないので寄りかかると家具と一緒に倒れてしまい大きな事故につながり危険性が高いです。

このように、老人ホームに入居するときに何を準備したら良いのかが分かれば、引っ越し準備もラクになるはず。同時に、不要なモノ、危ない家具を持ち込まないこともポイントです。ぜひ、家の中から安全で愛着のある家具を選んで、老人ホームで新たな快適な生活をスタートさせましょう。

環境を変えない環境整備は初めが肝心!

私が理学療法士として老人ホームで勤務しているときのエピソードです。施設に勤務しながら、介護者にとっても要介護者にとっても介助しやすい・されやすい環境を試行錯誤している中で、職員さんからこんな声が聞こえてきました。

「ただでさえ環境をがらっと変えて負担が大きいのに、入居するときにたくさんモノを捨てすぎてより大きく環境を変えてしまい、これでは入居者にとって負担が大きすぎる」

私もそう思います。では、入居者にとって負担の少ない環境整備をするにはどうしたら良いのか?を考えました。

そこで、入居と同時に限られたスペースの居室の大きさに見合った家具を選んで持っていけば負担は少なくて済むという考えに至ったのです。持っていく家具が決まれば、自ずと収納できる量も決まります。まずは、慣れ親しんだ家具の中から、お気に入りの小さい家具を使いやすい場所に置いてみましょう。安心してもらえるお部屋作りになります。

本日のまとめ

老人ホームへの引っ越しをラクにするための家具の選び方は参考になりましたでしょうか?

介護の教科書「介護✕在宅」第2回目「介護者の負担を減らし、高齢者のケガも減らせる環境整理収納術」でお伝えした、介護する人・介護される人の双方にとって良い環境である、“安全で掃除がしやすい環境”は、在宅であっても、施設であっても動きやすい環境なのです。

そのためには、限られたスペースの居室の大きさに見合った家具を選んで持っていくように準備しましょう。そして、終の棲家として選んだ老人ホームでも、慣れ親しんだ家具に囲まれた生活をスタートできることが、自分らしい生活を続けることにつながります。

次回は、既存のクローゼットを上手に使い、持っていく衣類の量の目安をつけるためのアドバイスをお伝えいたします。

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