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第101回

高齢者の方がいるレジが渋滞してる!認知症で困っている可能性も…。対応方法は「3つの"ない"」が基本です

最終更新日時 2019/06/13
#地域包括支援センター
地域のみなさまも「あれ?この辺りでは見かけない高齢者だな」とか「なんだろう不安げな顔をしているな…」などといった光景を見かけたら、温かい声をかけてみてくださいね。「声はかけたいけど、どのように接したら良いのかわからない…」という方には、先ほどの3つの"ない"も加えて、て具体的な対応のポイントを7つお伝えします。

こんにちは。千葉県の地域包括支援センターで、社会福祉士として勤務する藤野です。

街中で困っている高齢者や、認知症(のように見える状態)の方を見かけた場合、みなさんならどのように対応しますか?

「どう接したら良いかわからないから」「お節介かもしれないから」と、関わらない選択をされる方も多いと思います。

しかし、接し方さえわかっていれば、手を貸したいという気持ちを持っている方も多くいるのではないでしょうか。

もしものことがあったときのために、この記事を参考にしてみてくださいね。

今回は、みなさんが困っている認知症の方を見かけたときの関わり方について、お話ししていきます。

スーパーやコンビニで見かけたら?

みなさんが過ごしている街にも、高齢者の方はたくさんいます。

さらに、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症だということを踏まえると、初期の認知症状態にある方が、近くのスーパーマーケットやコンビニで買い物をしていることも十分に考えられます。

スーパーのレジなどで、なかなか支払いを済ますことができない高齢者の方をお見かけすることはありませんか?

身体に何かしらの不自由があり、動作に時間がかかっているのかもしれませんが、もしかするとお財布から、どの金種を出して良いのかがわからなくなっている可能性があります。

どのお札や小銭を出したら良いのかわからない、でも周囲に助けを求められない…そんな高齢者の方は大勢います。

そんな場面に出くわしたときは、レジの方に声をかけ、一緒に支払いを手伝うなどの対応をしてあげるのがベストですよね。

ただ、認知症の方と接するうえで、お互いに安心してかかわりを持つための心得として、3つの"ない"をご紹介します。

  • 驚かせない
  • 急がせない
  • 自尊心(プライド)を傷つけない

会計の場面の事例で言えば、急がせない、自尊心を傷つけないことが重要です。

認知症の方は判断力の低下や、実行機能障害(計画的に物事を行うことができなくなること)によって、社会的行動をスムーズにできないことが多くあります。

それでも自分の足で買い物に行き、商品を選び、購入するといった一連の行動を、一生懸命に行おうとしているのです。

ここで想像力を働かせて、「もし自分が同じ立場だったら…」と考えてみましょう。

認知症を抱えている不安のなかで、それでも生活をするためにと買い物に出かける。

しかし、いざ商品を選んだり支払いの段階になって、どうすれば良いかわからなくなってしまう。

自分の後ろには会計を待つ他のお客さんが並んでいて、迷惑そうな顔をして自分を見ている…。もしかしたら認知症状の進行により場の空気が読めなくなっていて、その状態に気づかない可能性もありますね。

不安の中で一生懸命に頑張っている認知症のご高齢者にどのように対応するかは、「人」としての在り方が問われるのではないかと思います。

認知症は一部のタイプの認知症を除けば原因不明であり、その人が何か悪いことをしたから発症するわけではありません。

そして重要なのは、誰もが認知症になる可能性を秘めているということです。

認知症になっても生活できる、支えてくれる人たちであふれている街にすることが、これから行っていくべきことだと思います。

ちょっとした優しい一言で救われる高齢者が沢山いると思います。

仕事先や自宅に何度も来てしまったら?

認知症の方とかかわる機会として多い機関としては、銀行が挙げられます。

認知症の高齢者の方が、思い違いや記憶違いから、1日に何度も、数時間おきに窓口に訪れることで、通常業務に支障がでることは少なくありません。

私たちの地域ではこのようなとき、銀行から地域包括支援センターに連絡をいただき、スタッフで対応をします。

2018年度は、銀行からの連絡によって、地域包括支援センターが対応したことで、福祉サービスの利用につながったケースが2ケースありました。

金融機関が単なる迷惑なお客、といった認識ではなく、ちょっとした心遣いによって専門機関に繋げてくれたことで、事態が改善したのです。

もちろん、解決したのは包括支援センターだけの力ではなく、ご家族や、地域のケアマネとの協同もあってのことです。

対象者の方のなかには、独り暮らしであるなどの理由から、日頃ずっと一人きりであるケースが多いので、地域で支援していく必要性があります。

このようなケースで対応に困っている場合は、金融機関でなくとも地域包括支援センターに相談してみてくださいね。

認知症の方に対応する7つのポイント

地域のみなさまも「あれ?この辺りでは見かけない高齢者だな」とか「なんだろう不安げな顔をしているな…」などといった光景を見かけたら、温かい声をかけてみてくださいね。

「声はかけたいけど、どのように接したら良いのかわからない…」という方には、先ほどの3つの"ない"も加えて、て具体的な対応のポイントを7つお伝えします。

認知症の方に対応するための7つのポイント

  • 1.まずは見守る
  • 2.余裕を持って対応する
  • 3.声をかけるときは(混乱を避けるため)1人で
  • 4.(驚かさないために)後ろから声をかけない
  • 5.相手と目線を合わせて優しい口調で
  • 6.おだやかに、はっきりした滑舌で
  • 7.相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する

また、もう少し具体的に知りたいという方には、ぜひこそ、認知症サポーター養成講座を受講していただければと思います。

認知症サポーターになっても、特別なことをする義務はありません。

ただ、認知症に対して正しい知識を持って、差別なく偏見なく接したり見守ったりしてもらいたいのです。

働いている方は、なかなか「認知症サポーター養成講座」を受講する機会が持てないと思います。

しかし、最寄りの地域包括支援センターに依頼していただければ日程を調整し、1時間半ほどの受講で認知症サポーター養成講座を受講していただけます。

そしてその証として、手首につける「オレンジリング」が配布されます。

このオレンジリングがもっとメジャーなものとして広まり、認知症に対しての知識や対応の仕方を一般化していくことが、優しい地域づくりの第一歩だと思います。

認知症にかかわらず、地域の課題について当事者や関係者だけでなく、広く一般化することが課題解決への近道だと思うのです。

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