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第46回

認知症の方を認知(ニンチ)と呼ぶのは差別的に聞こえることも!傷つけないための適切な言い換えを解説

最終更新日時 2018/07/11
今回のテーマは【認知症の基本のき・それって言っても大丈夫な言葉ですか?】についてです。以前から、「なんでその言葉を使うの?」と私が疑問に思っている言葉があります。その言葉は「認知」です。皆さんも、もしかしたら、よく使っていませんか?また、この言葉を介護や医療の現場で聞いたことはありませんか?

こんにちわ!デイサービスで看護師として勤務している、認知症LOVEレンジャーの友井川 愛です。最近、私のコラムを読んでいただいた、認知症の方を介護されている、あるご家族より「わかりやすく、勉強になります」という言葉をいただく機会がありました。

私のコラムが少しでもお役に立てていることを嬉しく思います。今後とも、認知症の方や、介護されているご家族のためにも頑張っていく所存です。

今回のテーマは【認知症の基本のき・それって言っても大丈夫な言葉ですか?】についてです。 あなたがよく使っている何気ない言葉が、誰かを傷つけてはいませんか?

「認知」という言葉を使わないで!

認知という言葉を使っていませんか?

以前から、「なんでその言葉を使うの?」と私が疑問に思っている言葉があります。その言葉は「認知」です。皆さんも、もしかしたら、よく使っていませんか?また、この言葉を介護や医療の現場で聞いたことはありませんか?私は、至るところでよく耳にしていて、その度に悲しい気持ちになります。

なぜ、そのような言い方をされるのかわかりませんが、私の解釈ではおそらく認知症のことを「認知」と言っているのだと思います。皆さんは、「最近あの人は認知が入ったみたい」「うちのばーちゃんは認知が進んだ」と聞いて、嫌な気持ちにはなりませんか?

そもそも「認知」とは、どのような意味でしょうか?調べてみると、ある事柄を「認める」といった意味や、「知覚や記憶・推論など知的な活動」という意味でした。こうなると、余計に、意味がわからなくなってきますね。「うちのばーちゃん、認知が進んだみたい」に正しい意味をあてはめてみると、「うちのばーちゃん、認知機能が良くなったみたい」となります。

これを見て、皆さんは違和感がありますか?恐らく、皆さんは「認知が進んだ」という意味合いを、「症状が進行した」という風に捉えているはずです。しかし、本来の認知という言葉の意味を考えると「認知が進む」は「認知機能が向上した」と捉えるのが正しいはずですよね?

何気ない言葉を差別的に捉える人もいる

認知という言葉で傷つく人もいる

今、認知症のことを「認知」と使う介護職や、看護職の方が現場に多く見られます。私もよく聞く機会があり、あるとき気になって、複数の方に尋ねてみました。「なぜ、その言葉を使うのか?」と。一番多かった答えは、「なんとなく」。周りが使っていたからだと言うのです。つまり、深くは考えずに使っていたのでした。他には、「先輩が使っていたから」とか、「専門用語っぽいから」などの返答もありました。皆さん、言葉の意味を正しく理解せずに使っています。

私は、安易に「認知」という言葉を使ってほしくないと思っています。その理由は、「認知」という言葉が差別的な言葉にも受け取ることができ、それを耳にして傷つく方がいるからです。どうして私が「認知」と言わないのかというと、理由があります。

私が認知症専門病棟で働いていた頃、ある患者さんのご家族からこのような話を聞きました。父親の様子が以前に比べておかしいと思い、外来受診を受けたのです。

認知症の診断を受けて治療のため入院しましたが、面会に来られた際、職員より「○○さん、入院された頃からすると認知は進んでいませんよ。良かったですね」と言われたのです。「認知症の症状が進んでいないので安心した」、と思う反面、「『認知』という言葉にひどく馬鹿にされたような気持ちになり、涙が出た」とそのご家族は申していました。

私はそのお話を聞いたときに、ハッとしました。なぜなら、「認知」という言葉を普段から意識せず、使っていた職員が多いことに気づいたからです。私は深く考えず、知らないうちに傷つける言葉を職員が使っていたことに、恥ずかしさを感じ反省しました。それと同時に、私は自分の話す言葉には意識を持つようになりました。

言葉の受け取り方はそれぞれかもしれません。しかし、一人でも傷つく方がいるのなら、「認知」という言葉は、使用すべきではないと私は思います。まず、専門職である私達が、認知症を正しく理解したうえで、世の中の偏見をなくすような立場にならなければいけないとも思います。

信頼関係をつくるなら呼び名から!

利用者さんと信頼関係を築く方法は?

以前、働いていた職場では、利用者さんを「様」づけで呼び、職員も苗字で呼んでいただくよう、指導をしていました。私は、この制度に違和感がありました。「様」づけで利用者さんを呼んでしまうと、関係性を構築しにくいですし、グループホームのコンセプトは「利用者にとっての自宅」です。にもかかわらず、「様」づけだと不自然ですよね。

実際、職員と利用者さんとの関係はギクシャクしていて、落ち着きませんでした。また、ご家族からは、「うちの母は『○○ちゃん』と呼ばれると喜ぶので、それでお願いします」と言われることもありました。そうしたときは要望通りに「ちゃん」づけで呼ばせてもらうこともありますし、反対に私のことを「ちゃん」づけで呼んでいただくこともあります。

認知症の方で、特に女性の方は結婚されて苗字が旧姓と現在の姓が、混乱してしまうこともあります。名前で呼ばせていただくほうが本人も安心されるケースもあるので、柔軟な対応が良いでしょう。

大事なのは、相手がどう呼ばれたいかであること。相手が呼びたい呼び名があるならば、その通りに呼んでもらえば良いのです。そのほうが早く信頼関係をつくることができ、お互いの距離がより縮まることに繋がります。

皆さん、いかがだったでしょうか?普段、悪気もなく使っている言葉で、内心傷ついている方がいるかもしれないと考えると、自分の言葉に責任を感じるようになりませんか?

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