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第31回

認知症の方と接するときのポイントは?・相手の表情や口調に合わせる・「オウム返し」で相づちを!。ボディタッチの「コツ」も伝授♪

最終更新日時 2018/05/07
#介護予防
認知症介護の基本として「受容」「共感」「傾聴」などがあげられますが、認知症の方は根本的に強い不安を抱えている可能性が高いということを理解した上で、その言葉や行動を受け止めてあげてください。

こんにちは。おうちサロン「ゆきのしずく」を運営している、「認知症介護よりそいケアアドバイザー」の石川深雪です。「介護×認知症」を担当させていただいております。

「♪大好きな「介護士さんの笑顔」♪」というプログをやっています。

「究極のサービス業」と言われる介護。そんな介護の現場で活躍する介護士さんの「現在の悩み」第1位は“認知症の方とのコミュニケーション”です。みなさんにとって意外でしたか?それとも、「私もそう!」と思われたでしょうか?

去年行ったアンケートなのですが、介護のプロである看護師さんでも認知症の方とのコミュニケーションに苦労しているのが現状です。多くの人が学校や研修で認知症介護について学んでいるにもかかわらず、このような悩みが尽きません。机上の学びだけではカバーできない奥深く、繊細な世界だということではないでしょうか。

今回は、わたしの経験や多くの介護に携わる人たちと関わる中で感じたことを踏まえて、認知症の人と接する時のポイントをお伝えします。ボディタッチのコツも伝授いたしますので、ぜひ活用してみてください。

認知症の方と接するときのポイント

認知症の方の気持ちを考えてみよう

例えば、あなたの家に知らない人がいます。その人はあなたが普通に生活しているのに突然怒られたり、外出を止められたりします。その後、何人もの知らない人が家に出入りするようになり、住み慣れた我が家なのに落ち着きません。

そんな状況のとき、気がつくとあなたはまったく知らない場所にいます。周りにはまたしても知らない人ばかりで、トイレの場所も玄関の場所もわからない。不安に思っていると突然、知らない人が話しかけてきて、トイレやお風呂に誘われてしまう。

上記に挙げた感覚は認知症の方が感じているであろう不安のほんの一部です。認知症介護の基本として「受容」「共感」「傾聴」などが挙げられますが、認知症の方は根本的に強い不安を抱えている可能性が高いということを理解した上で、その言動や行動を受け止めてあげてください。

会話がうまく通じないときのコミュニケーション方法は?

介護者が認知症の方の気持ちを一生懸命、汲み取ろうとしても、言葉でのコミュニケーションが難しい場合があります。同じ話を何度も繰り返すことも認知症の症状として珍しくありません。

また、認知症の方が話している言葉自体が聞き取れないということもあります。介護者が「きちんと聞いている」ということを伝えないと、相手を怒らせてしまったり、認知症の症状がさらに強く出てしまうこともあるのです。そうなるとますますコミュニケーションがとりづらくなってしまいます。

とはいえ、最初から最後まで真剣に聞いていてはこちらも疲れてしまいますよね。そういう場合は、上手に聞き流しながら、「ちゃんと聞いてますよ」というメッセージを相手に伝えるスキルを身につけましょう。 ポイントはふたつです。

まずひとつめは相手の表情、口調に合わせましょう。怒っている、困った表情をしていたら、まずは自分もそれに合わせます。そこから相槌をうちながら、だんだんと穏やかな表情、口調に戻していきます。

もうひとつは「オウム返し」です。言葉をすべて真似するのではなく、語尾だけ、或いは聞き取れる部分だけ繰り返します。以前、麻雀用語を連発するおじいちゃんがいました。いつもなにかお困りの様子で、早口で「リャンピンでポンでチーで○○して困っとるんだわ!」とまくしたててくるのです。会話としては意味が分からないのですが、最後の「困っとる」はわかりますよね。なので、そこだけ「困ってるんですね」と返します。すると「そうなんだわ。そんで、○○で△△で、大変なんだわ!」「大変なんですね~」というやりとりを続けます。

このふたつを意識することで、相手に「気持ちを分かってるよ」「聞いてますよ」と伝えることができます。できるときに少しずつ取り入れてみてください。相手も少しずつ落ち着いてくるのがわかると思います。

ボディタッチにも「コツ」がある

認知症の方と接するポイントはボディタッチ

優しく触れて幸せホルモンを分泌しよう

介護の仕事で、ボディタッチもよく使われると思いますが、大切なのはその触れ方です。幸せホルモン「セロトニン」研究の第一人者である有田教授は「心地よく触れることで脳内に幸せホルモンが分泌される」とおっしゃっています。

わたしの開催するセミナーでは触れ方による違いを受講生さんに体感していただいておりますが、みなさん驚かれます。一生懸命に頑張って相手をなんとかしようと思っているとうまくいかないのに、力を抜いてふんわり包み込むように触れると相手を心地よく動かすことができるのです。

認知症介護で大切なのは安心感を与えてあげること。わたしたちは手のひらを介して、愛情や安心をおすそ分けすることができるのです。これは、言葉でのやりとりが難しい認知症介護においてとても有効だと思っています。

常に気を張らないこと

わたしは、認知症の人と接するときに大切なのはみなさんの心が穏やかであることだと考えます。家庭でも、仕事でも介護には大変なときも辛いときもあるでしょう。そんなときに相手の言動をそのまま受け入れたり、心から共感することは簡単な事ではありません。 疲れたときには一度体の力を抜いて大きく息を吐いてみてください。そうすれば新鮮な空気が自然と流れ込んできます。そして、できれば誰かと優しく触れあってみてください。わたしは疲れたときはいつも娘に顔や手を触ってもらっています。自分のできるときに簡単なリフレッシュタイムを作りましょう。

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