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第34回

【ケアマネが解説】暫定ケアプランとは?申請結果待ちが長引く際などに有効活用しよう

最終更新日時 2020/05/05
#介護保険サービス

こんにちは、ケアマネの小川風子です。

今回は、「暫定ケアプラン」の利用について、お話しします。

要介護・支援度を予想して作成する「暫定ケアプラン」

介護保険サービスの利用を検討する際には、以下のステップを踏む必要があります。

  1. 役所に要介護認定を申請
  2. 要介護認定調査を受ける
  3. 要支援1から要介護5のいずれかに認定される
  4. 介護保険サービスの区分支給限度基準額が決まる

区分支給限度基準額(介護保険サービスから給付される1ヵ月あたりの上限額)は要介護度ごとに決められており、要介護度が重くなるにつれて金額(単位)が増えていきます。

要支援1の場合は約5,000単位(約5万円)、要介護5は約36,000単位(36万円)です。

それぞれの要介護度の限度額以上の介護保険サービスは適用されないので、それ以上はご本人負担10割となります。

多くの場合、要介護認定調査の結果が出てから介護保険サービスを利用します。

ケアプランの作成後にはじめて、要介護度や要支援度に即した介護保険サービスを受けることができます。

悩む高齢夫婦

暫定ケアプランが必要な2つのケース

暫定ケアプランとは、文字通り「暫定でケアプランを立てる」ことです。

介護を受けられる方の要介護度や要支援度がどの程度であるか予想を立て、ケアプランを作成し介護保険サービスを開始することを指します。

役所に要介護認定を申請した日から、介護保険サービスの利用は可能です。

暫定ケアプランを利用するケースについて、説明していきます。

区分変更時の暫定ケアプラン

今まで利用していたサービスが受けられなくなり、生活がままならなくなったり、介護保険サービスを増やす必要があるときには、役所に「区分変更申請」をして、もう一度認定調査をしてもらいます。

区分変更申請により、自分が思う要介護度や要支援度の認定が行われると判断し、暫定ケアプランを作成し、区分変更申請中に介護保険サービスを利用する準備を進めておくこと。これが、暫定ケアプランを利用せざるを得ないケースの1つです。

要介護認定調査の結果が予想以上に軽度な要介護度や要支援度だったとき、使いたいサービスを満足に使えなかったり、支給限度額をオーバーしてしまうなどといった事態が起こる場合があります。

また、わかりにくい部分ではあるのですが、要支援と要介護は制度自体が違います。

要介護度が軽くなった先に要支援があるわけではなく、要介護度1から5と要支援度1、2は、そもそも介護保険法的に土台が違う部分が多いのです。

この点がややこしいのは、要介護も要支援も同じように使えるサービスもありますが、要支援にはサービスの回数制限があったり、月額包括の制度があったりと、それぞれの内容に異なる部分があるからです。

なので、もともと要介護認定をされている方が介護保険の更新によって、要支援に認定された場合、要介護と要支援の制度の違いから今までと同じようにサービスを利用することができなくなってしまう事態が起きるのです。

このケースは多くの場合は結果が出るまでは「要支援2」の範囲内でサービスを組みます。

でないと思わぬ調査結果が出たとき、限度額を超えて自費になってしまうからです。

ただ、どうしても要支援2の単位では生活ができない場合、おそらく要介護度1以上が出るであろという予想をして、その単位に合わせた暫定ケアプランを作成し利用することもあります。

介護保険新規利用時の暫定ケアプラン

このケースは、介護保険サービスを利用したことがない人が、はじめて介護保険サービスを申請するときのケースです。

何らかの事情で申請結果が出るまで待てないときに、結果を待たずに介護保険サービスを利用する場合の暫定ケアプランです。

はじめて介護保険サービスの申請を検討する場合には、そう急ぐ必要がないことが多いです。

しかし、大きな病気や怪我で急にサービスが必要になった場合は、暫定ケアプランを利用することになります。

在宅介護を受けていた方が入院し、介護保険サービスが必要になり、要介護認定調査の結果が出るまでに退院し、在宅介護に戻らなくてはならないことは非常に多いです。

そのときには、調査結果を待つより先に介護保険サービスを利用しないといけません。

このような状態のときには要介護度や要支援度の認定結果が読めないことが多く、要支援1など程度の軽い認定がされると見積ることができません。

また、介護保険新規利用時に利用することが多い、住宅改修や福祉用具購入などの環境整備系のサービスにも気をつけましょう。

介護保険新規利用時の暫定ケアプランは、要介護度や要支援度がどの程度になるかわからないので、環境整備費用を一旦全額支払った後、要介護認定調査の結果が出てから介護保険相当分が返ってくる仕組みです。

退院後の介護費用を心配する高齢男性

適切な認定を得るために、要介護認定調査の内容を確認しましょう

介護保険サービスは、利用したいときにすぐ使えるサービスではありません。

役所に申請し、自宅に調査員が来て、主治医意見書を取り寄せて審査会を開き、結果が郵送されてくるまでには、少なくとも1ヵ月程度かかります。

最近は、介護保険サービスの利用者が増加し、要介護認定調査をするまでに時間がかかることも増えています。

区分変更申請にしろ介護保険新規申請にしろ、暫定ケアプランを立てることは非常に不安だと思います。

「いくらでもお金を出します」という方にとっては、要介護認定調査の結果がどう出てもいいのですが、そうではない方がほとんどだと思います。

なので大切なのは、上手に要介護認定調査を受けることだと思います。

私はケアマネージャー兼要介護認定調査員としての経験を通じて、要介護認定調査を受ける際に調査内容をまったく把握していない方が非常に多い印象を受けています。

何を聞かれ、その質問の意図は何なのかということをわかっていない状態で調査を受けるのは危険なことだと思います。

インターネットでも要介護認定調査の内容は調べられますし、役所に聞けば必ず調査内容を教えてもらえます。

きちんと自分にあった要介護度や要支援度を認定してもらえるように、要介護認定調査を受ける側も努力が必要です。

暫定ケアプランという制度はメリットも多いですが、ある意味ばくち的なところもありますので、思わぬ調査結果が出たときのこともしっかりと話し合うことが重要だと思います。

要介護認定調査の内容を把握した高齢女性

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奥村 シンゴ
よしてよせての会 代表
2020/06/22

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