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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.3 そもそも役人は介護の現場のことを知ろうとする努力はなさっているのでしょうか?しているのなら、その具体的な努力の内容を、していないのなら、なぜしようとしないのかを教えてください。(ぷぎーら・介護職員)

介護の現場は本当に大変です。食事介助から排泄介助、入浴介助…という実務だけでなく、制度改正のたびに複雑怪奇な制度になって、正直、頭が混乱してしまいます。そんな混乱している状況を、厚生労働省の役人の方はわかっているのでしょうか?わかっていて、それでも今のような状況を生み出してしまったのでしょうか?

厚生労働省の役人が現場に介入すると、介護産業に関わる多くの人が不幸になってしまいます

実は、厚生労働省に就職した人は必ず、介護施設での研修を受けているんですよ。

厚生労働省の役人にとって本業は介護保険を運営するための予算を確保すること、法令を改正することで、介護そのものが本業ではありません。これはどの省庁も同じで、得てして霞ヶ関の役人というのは自分たちが所管する業界の個別の現場の詳細を知らないものです。「知ろう」という意欲も高いのですが、現実には忙しすぎて、月に1、2回程度現場訪問するのが精一杯です。

これを「現場も知らないくせに役人は偉そうな顔をするな」と罵るのは簡単なことですが、それでは役人が介護の現場を知るために本格的な努力を始めたらどのようなことが起きるか想像してみてください。介護の現場を知るために厚生労働省の役人が皆さんの職場に連日訪問することになります。仕事もしない役人が来たら、みなさん邪魔ですよね?

さらにその間、役人の本業である予算確保や制度改正のための政治的な働きかけはおろそかになります。するとその間を縫って他省庁は厚生労働省のところにまわっていた予算や国会での法案審議時間を自分のところに回してもらおうと政治的な根回しを始めます。その結果、財務省や政治家も「最近厚生労働省の役人から介護についての説明や問題提起はないから、予算や国会での法案審議時間を減らして他の省庁に回そう」というように考えることになります。結果として、介護保険に関する予算は減り、制度改正も滞ることになります。

つまり「厚生労働省の役人が自分から現場を知るように努力する」と役人の本業がおろそかになって、介護産業に関わる皆が不幸になってしまうわけです。「ではどうすれば良いのか?」という話ですが、もしあなたが「もっと厚生労働省の役人に介護の現場のことを知ってほしい!」と思ったら、現場をよく知っているあなたが厚生労働省の役人にわかりやすく教えてあげればいいのです。

例えば自分の日々の仕事や経済状況をブログにまとめてアップしていれば、そのうちアクセスが集まって厚生労働省の役人の目に止まることになります。またきちんとメールで手順を踏んで丁寧に問い合わせれば、厚生労働省の役人が時間を割いて直接あってくれることもあります。政治を変えたいなら、自ら動き出すことが必要です。