Q.198 低所得者ほど介護が長時間となる傾向にあるようです。こんな状況を前向きに考える手立てはありますか?(まーぶる・会社員)
お金がないから介護サービスが利用できずに自分主体で長時間介護するしかないのか、長時間介護するからお金がないのかはわかりません。ですが、このままでは「持つ者と持たざる者」のように、格差が拡大するだけです。根拠はありませんが、所得と情報量は関係がありそうな気がずっとしているのですが、せめてもう少し、低所得でも利用できるサービスを周知させるなど、やれることはたくさんあると感じます。考えていると気持ちも重くなってきますが、こんな状況を前向きに考える良い方策のようなものはないものでしょうか。
弱者を束ねて適切な情報を提供する、政治的な互助団体というものが存在します
答えづらい質問ですね。
確かに個人単位でみればおっしゃる通り、所得と情報量は関係があるような気がします。「自分に必要な情報を得る能力があるからこそ所得が高い。逆もまた真なり」というところでしょうか。
こういう現実をそのまま受け入れてしまうと、民主主義社会とて制度を上手く利用できる力を持つ「知的強者」がどんどん強くなっていく、「知による弱肉強食」とでも言うべき世界が生まれてしまうわけで、実際そうした兆しが社会に見えていることもまた事実なのでしょう。
ただ、社会全体が完全に「持つ者、持たざる者」の格差を拡大するような方向に向かっているかというと、必ずしもそうではないと思います。なぜなら、弱者を束ねて適切な情報を提供する政治的な互助団体というものが存在するからです。一部の政党や宗教組織が、この種の互助政治団体としての性質を持っています。
彼らのビジネスモデルは、社会的弱者に寄り添い、社会保障や公的扶助に関する申請などを手伝って彼らの生活を支え、それによって得られる給付のごく一部をなんらかの方法(会費等)で徴収する、という形で成立していることは周知の事実でしょう。
こうした互助団体の幹部の方々は本当に優秀で志の高い方が多いですから、正確な統計はもちろんありませんが、彼らが政治的権力と引き換えに、その能力を弱者のために利用することで救われる人もかなり多いのだと推測します。
介護に関しても、こうした互助政治団体が果たす役割はかなり大きく、またこれから、さらに大きくなっていくのでしょう。こうした互助政治団体の存在を、はたして質問者様が「前向き」に捉えられるかどうかはわかりませんが、情報の提供や申請の手伝いという面で、彼らが社会保障の現場の少なくない一部分を支えていることは間違いないのだと思います。
…やはり答えづらい質問でしたね…