Q.136 たばこ税の増税が進んでいますが、これが社会保障など、我々の実生活に与える影響はどれほどのものなのでしょうか?(Menthol・自由業)
たばこ税増税で見込めるメリットが大したことないなら止めてほしいです。たばこが大好きなので…。でも、確かな変革につながる可能性があるなら禁煙しなくては…とも思っています。
たばこ税の増税は税収を増やすというよりむしろ、税収が減らないように行われています
たばこに関しては、一本あたり1万2.244円程度の税がかかってきており、その半分(6,122円)が国税、残り半分が地方税に分配されています。
質問者の方もおそらくご存知の通り、1989年(2,032円→6,252円)と、2010年(8,744円→1万2,244円)に大幅値上げされたことでこの水準に至ったのですが、他方で社会では禁煙が進んでいるため、必ずしもそれに見合って税収が増えているというわけではありません。たばこ税の税収はこの20年、2~2.4兆円の間でずっと安定しています。
なお、たばこ税の使い道はどうなるかというと、2,000億円程度が国債の管理に用いられる他は、国・地方それぞれで自由に使える一般会計に充当されます。なので、たばこ税は一部が財政再建の財源となっている他、直接的には社会保障に関係しているわけではありませんが、結果として間接的に社会保障に関係していると言えるでしょう。
ただ先ほど説明した通り近年は、たばこ税を増税したところで結局喫煙者が減少傾向にあるので、税収総額が増えているというわけではありません。その意味では、たばこ税の増税は税収を増やすためというよりも、建前は喫煙者を減らすため、本音は喫煙者が減る中で税収額を維持するために行われていると言えるでしょう。実際税収が減ってしまうと地方自治体も国も困ってしまいますからね。
そんなわけで、もう答えが出てしまっていますが「たばこ税の増税は、税収を増やして前向きに新しい政策を実行するために行われているわけではなく、むしろ後ろ向きに喫煙者が減る中でも税収が減らないように行われている」ということになります。
今後とも喫煙者が減り続ける限りは、後追いでたばこ税が上がり続けることになりそうです。ご質問者様も諦めて受け入れるか、決意をして禁煙をするか、いずれかの道を選んでください。