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第159回

デイサービス開業時に最重要視すべき3つのポイント。立ち上げ経験者が公開します

最終更新日時 2020/07/29
皆さんこんにちは。株式会社てづくり介護代表取締役の高木亨です。今回は、私が開業するに当たり、「実際にどういった点にこだわりを持って起業し、取り組んできたのか」についてお話しさせていただきます。

皆さんこんにちは。株式会社てづくり介護代表取締役の高木亨です。

私がデイサービスに従事するようになったのは、2000年のいわゆる介護保険事業が始まった年の暮れでした。比較的大きめ(定員45名)の、今でいうところの通常規模型のデイサービスです。新規の立ち上げを2度経験させていただき、それから約10年。東日本大震災の直後に独立起業させていただき、今は地域密着型の⼩規模型デイサービス(現在の地域密着型デイサービス)を運営しています。

今回は、私が開業するに当たり、「実際にどういった点にこだわりを持って起業し、取り組んできたのか」についてお話しさせていただきます。

私が当時の小規模型デイサービスを立ち上げる際、特にこだわったのは下記の3つです。

  • 職員の働きやすさを追及する
  • デイサービス利用者の砦であること
  • 徹底してデイサービスっぽくないデイサービスである

これらについて、これから詳しく説明していきます。

職員の働きやすさを追求する

デイサービスは介護従事者を育てるという観点では、介護業界でもかなり優れている存在であると考えています。もっともお泊りデイサービスなどを行わず「8時間以内に限定する」など、制限を加えればですが。

介護事業の多くは、勤務時間は24時間365日が基本で、シフト制をとる必要があります。しかし、デイサービスに限ってみれば日中帯だけ(弊社はさらに土日も休み)ですので、職員が意思を疎通して補い合うことが可能です。

給与を潤沢に出すことは適わなくとも、お互いがお互いを支え合ってチームで取り組むことができ、かつそれが「いつものメンバー」であれば、誰がどのような事情・思考・技量であるかを把握し、助け合うことができます。

意思の伝達の齟齬が重なる程、事業全体の呼吸は乱れ、サービスは低下します。かつて、私は職員の扱いも働く時間もバラバラな27名規模の施設の管理者をしていたことがありました。その経験から、私自身のチームを取りまとめる力はそれほど高くないと確信していました。それを踏まえて、目と心が届く範囲でできるだけ小さく事業をしたいと思いました。

就業規則についても、そのときの時事を常に反映させるために1年ごとに更新をかけ、できる限り細かく、事情を考慮できる働き方を意識しました。利用者やその支え手であるご家族と心を通わせる事業である以上、職員同士が心を通わせられる状態を維持するのは必須だと思うのです。

職員同士が心を通わせられる環境を作ること

まだまだ追及すべき点や改善すべき点はいくらでもあります。良きサービスを追求する上で良き関係性と働きやすさの追求はワンセットであると思っています。おかげさまで10年目の事業となりましたが離職者は少なく、初期メンバーを含めて従事者が変わることなくサービスを提供できています。

デイサービス利用者にとって砦であること

デイサービスを利用したい・(被介護者に利用)させたい需要は決して少なくはありません。しかし、2000年以降増え続けたデイサービスの数は今や41,000件以上(『平成29年 介護サービス施設・事業所調査の概況』より)になっています。

競争は熾烈を極め、ノウハウの少ない方が起業しても何とかなるほど甘いものではありません。その一方で、「出来る限り報酬が高く、手間暇がかからない」利用者を確保しようとする経営者側の都合はその色濃さを増してきました。同じ報酬額であれば「問題や課題の少ない方を…」というのは当然の道理です。

しかし、私は「そういった方々」にこそサービスを提供するべきと考える人間でした。目指したのは難しいケースに特化したデイサービスです。詳しくは書けませんが、いわゆる「他デイサービスにはなじまない・手に負えない・問題のある」リスクの大きいケースこそが私たちのメインです。

難しいケースにあえて対応する

一部のケアマネージャーからは「更生デイ」などと揶揄されていますが、私はその呼び名を誇りにさえ思っています。施設入所に至るまでや、精神病床が空くまでの間などにも活用いただいてきています。

それはもちろん簡単ではありませんし、力が至らないときもあります。生傷の絶えない日々、交番や地域包括支援センター、自治体との連携、深夜の呼び出しなど、ひとつ間違えれば殺されかねないことも幾度となく経験してきました。

難ケースの気質や性格、習慣、思考傾向などをつかみ、落ち着くまでの間は独立以前から経験を積んできた私が担当するのが基本ルールです。

また、そうした方々の多くは介護保険制度の範囲内で収まりきらないケースが少なくありません。ときに柔軟な発想と速やかな判断・裁量が求められることになります。その時々の状況や私たちの対応能力、周囲の事情や切迫性などを勘案し、対応方法や想定される条件、いつからどのようにケースを受けるかなどの判断を要する、あらゆる問い合わせについて30分以内に回答することとしています。

そして、私がいなくてもその場の最終決定者が全裁量を持ち、判断根拠があれば前例がなくても新たな枠組みを決めて良いルールにしています。今や、私の技法や対応から学んだベテラン勢が育っていますので、とてもそうした難ケース専門とは思えないほどに概ね穏やかに過ごしています。

徹底してデイサービスっぽくないデイサービスである

今でこそさほど珍しくもありませんが、弊社は古民家改装型です。参考にしたイメージは母方の実家。縁側に日が当たり、そこがデイサービスであるとは決してわからない造りにこだわっています。従事者にもそれっぽい制服などは支給していません。被服手当を支給してデイサービスを感じさせない服装で従事していただいています。

自宅で必要になる「動き」は、そのまま弊所でも再現できるよう段差を残してあるところもあります。あえて少しずつ「不便さ」「危なさ」を残しているわけです。テーブルも座卓を少し高くした程度で、自宅にあるであろう「バリア」はわざと再現しています。

居間

難しいケースにあえて対応する

通っていらっしゃる利用者も、ここが「デイサービスである」認識がある方はほとんどいません。「お茶飲みの集会所」といった認識でいらっしゃいます。私たちは嘘を言っている訳ではありません。呼びかけも「お茶っこに行きましょう」で十分です。私たちの事業所名は「おぢゃっこ倶楽部」なのですから。

居間2

お茶飲みにいらしているお客様ですから、もちろん「禁止用語」はご法度です。「ダメ」「~してはいけません」などは、すべて提案や言い換えを行います。そもそも年上の方々に対して「~しちゃダメ!」などという言葉が軽々に出ているようでは尊重などできていないのです。

もちろん、ここに書ききれない様々な創意工夫やこだわりはあります。それぞれが密接に関係しあっていて、これが何のために作られたルールで、どういう理由で行っているのか、とても一言で言い表すことができません。そのため弊所には思わず「?」とか「(笑)」とかなるような不思議なマニュアルや可笑しな決まりがあります。

「ここにしかない」と思ってもらえる施設を作ろう

今回はあくまでも私の例を書きましたので、別に「真似をせよ」とか「このくらいとんがったことをしなさい」という意味合いではありません。しかし、すでにあるものを同じように創って同じようにやっていける世界ではないのです。

「気に入っていただく…」とか「より良いサービスを…」という「あったら良い」次元のサービスは裏を返せば「なくても良い」になってしまいます。「ここしかない」「ここでなければならない」くらいの特色は出しておくべきと存じます。

事業計画書は念入りに作成すること

さて、介護職でなくともデイサービスで起業したいと思われる方・思ったことのある方は少なくないと思います。私は介護事業以外で起業したことはないので他業種のことまでは詳しく存じません。ですが、それなりの経営知識さえあればハードルは高くないと思います。

しかし、事業計画書を書き上げて、報酬や経理の流れまで細かくシュミレーションなさった方なら、その経営の難しさに愕然となさることでしょう。もしも譲れない己の描く理想の介護があって、デイサービスの運営をしてみたい、開業したいとお考えであるならば、事業計画書は誰に見せても首を縦に振れる程度には書き上げておいた方が良いと思います。

特に、本気で反対してくださる方には納得が得られるレベルにはしておくべきでしょう。人はどうでも良いことに対して激しく反対したりしないものです。心配してくださっているからこそ「こういう時はこうする」「こうなったらこうする」と説明できる計画にしておきましょう。

事業計画書は綿密に作成しよう

その程度ができない方が易々とやっていける現状ではないと思いますし、比べ物にならない困難は開業したのちに少なからず経験なさることでしょう。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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