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「できればずっとみてあげたい」(後編)

介護当事者の“本当の気持ち”を語らう「みんなの座談会」。第三回の前編では、在宅介護ならではの“トイレ”事情や「免許返納」に関するエピソードなどを伺うことができました。立場は違っても、介護は親子で向き合う“濃密”な時間。後編では、施設入居についてのお話も伺います。

この記事に登場するみなさんのプロフィール(敬称略)
佐藤 (仮名) 佐藤 (仮名) 田中 (仮名) 田中 (仮名) 鈴木 (仮名) 鈴木 (仮名)
60代、介護福祉士として介護施設に勤務。独身。骨折と肺炎をきっかけに要介護状態になった実母(90歳、要介護2)を介護施設から引き取り、二人暮らしを始める。母親は歩行自立、年相応の物忘れがあり、1日型のデイサービスを週に4回利用。
50代、自営業。5年前から認知症状があらわれた母親を、長女として一人で在宅介護を担う。2020年に転倒し脳を損傷した母親は、生活のすべてに介護が必要な寝たきり状態となり、入院。在宅介護を経て入居した施設で、2022年に他界。
70代。妻の実兄の主介護者。兄は京都で独居していたが、介護度が進んだために、2022年に地元でもある神奈川県へ呼び寄せる。その後、兄は施設に入所。現在、施設とのやりとりや、兄の金銭管理を行っている。

母が転倒!救急搬送の事態に

みんなの介護(以下、―――) 前編では、「これからもご自宅でお母さまを介護したい」というお話が佐藤さんからありました。佐藤さんは、施設への入居を検討されたことはなかったのでしょうか。

佐藤
まさにこの座談会の数日前、「もうダメかも……」と思うアクシデントがありました。

佐藤さんは、自立歩行が可能なお母さんと小型犬2匹と暮らしています。

佐藤さんの「足」で徒歩5分ほどの平坦な道のりということもあり、お母さんはお一人で近所のコンビニへ買い物に行くことがあります。“その日”までは、道中で転んだり、商品購入時のトラブルなどはなかったそうです。

アクシデントがあったその日、佐藤さんの勤務形態は夜勤でした。日中、佐藤さんが愛犬2匹を浴室でシャンプーしていたところ、遠くから「がちゃっ」と玄関のドアが開く音。お母さんの外出の気配を感じながらも、佐藤さんは犬のシャンプーを続けていました。しかしながら……。

佐藤
待てど暮らせど母が帰ってきませんでした。

さすがに心配になり、マンションのエントランスまで降りてみると、マンションの管理人さんが青ざめた表情で思いもしないことを言ったんです。

「お母さんが救急車で運ばれたよ!」

自転車用に設置されたために手すりがないマンションのスロープで、佐藤さんのお母さんは転倒してしまったようです。通りがかった親切な方が助けてくださり、管理人さんが佐藤さんへ連絡。

しかし、携帯電話の番号を“最近”変えたばかりだった佐藤さん。マンションの名簿の連絡先が「古い」番号だったために佐藤さんに繋がらず、救急車で緊急搬送されたという顛末。

地元の「大きな病院」へ運ばれ、さいわい精密検査で異常がないことが確認でき、佐藤さんのお母さんはその日のうちに自宅に戻ることができました。佐藤さんが見せてくれたそのときの写真に、田中さんも鈴木さんも絶句。お顔は青あざだらけで痛々しく、特に目元が真っ青。「顔面が『お岩さん』のようだった」と佐藤さん。

田中
言葉もないのですが……。お母さんは大丈夫だったんでしょうか。
佐藤
メガネのレンズが“ゆがんだ”程度だったんです。骨折もしていなくて「ラッキー」だったというほかありません。

問題は病院から帰ってきたその日の晩。

佐藤さんは21時から夜勤です。夕飯を支度しながら葛藤する佐藤さん。「母を置いて、出勤していいのか?」。佐藤さんは葛藤していました。

佐藤
一般の会社員だったら休めるけどね。夜中に母がトイレに起きたらどうしよう、それでもし転んだりしたら……。「これはもう賭けだな」。そんな気持ちで夜勤に向かったことを今でも覚えています。
鈴木
大変な出来事でしたね。佐藤さんは、介護施設への入居を考えていないの?
佐藤
母はもう90歳なので、どこかで何かがあってもおかしくない。一年でも二年でも自宅で暮らせて、言い方はよくありませんが、「自宅で亡くなってくれればいいかな」って思っています。でも、今回のようなアクシデントがまた起きてしまい、もし車いす状態になったらどうかな。

ただ、そうなったときにまた考えればいい。母の介護が大変になったら、自分がもっと近場の職場へ転職して夜勤をせずに働くのも「あり」かな、と考えています。

座談会写真

絶対にした方がいい「施設見学」

――― 鈴木さん、田中さんのご家族は介護施設に入居されていますよね。施設選びで「こだわった」ことがありましたら、教えてください。

鈴木
ずばり「近場」にあることですね。僕たち夫婦は高齢で、妻は週に一度の定期受診がある身。車の免許もないので、歩いて通える施設を探しました。

鈴木さんは、施設紹介会社から提案された施設がどちらも遠かったために、現地に見学に行かずに近所の方の口コミでご自宅付近の施設を選んだそうです。

田中
私は①面会できること ②津波の被害が少ないであろう場所であることの2つです。

――― 入居に至るまでに、田中さんは5つの施設を見学されたと伺っています。

田中
施設検索サイトはよく見ていました。サイトである程度の施設に絞った後、必ず施設を見学しました、自分の目で実際に見た方が絶対にいい!

各サイトに掲載されている金額以外にも費用が必要になる場合もあるので、施設職員の方に「目を見て聞ける場」をもつためにも、見学は必須だと田中さんは話してくれました。

――― 見学後、「敬遠」されたご経験はありますか。

田中
あります。見学時に職員の方があいさつしてくださらないところはNGかな。あとは「におい」のする施設。排泄臭、消毒臭っていうのかな? 仕方ないとは思いつつも、においが漂うのは好ましくないと感じました。

見学後、実際に入居するまでに1か月ほどかかった田中さん。ご家族のスケジュールに手続きなどの進行を合わせてくれたことが、助かったと言います。

――― ご本人が施設入居を拒んでいるケースも多いそうで、入居についてどう伝えればいいか悩まれる方も少なからずいらっしゃいます。みなさんの場合はいかがでしたか。

田中
“だまして”連れて行っちゃうのはよくない。最終的に「施設」という言葉は使わずに、「もっとよくしてくれる場所へ行くよ」って伝えました。

自分たちが「母に嘘をついて連れて行った」と、後で苦しむのも嫌だったので。母へ本当のことを正直に伝えました。その事実が大事。母が果たして理解していたか分からないけど、伝えられてよかったです。
鈴木
私の場合は少し事情が違い、入居が決定した施設のパンフレットや動画などを本人に見せても、まったく分かっていなかった。ただ、京都から神奈川へ移動しているときには入居を自覚せざるをえなかったと思う。入居前に、タクシーを利用して施設の外観だけをぐるっと見せに行きました。

―― ご家族が入居されたその日の夜は、どのような心境でしたか。

田中
寂しかったけど、ほっとした。在宅介護をしていたひと月は、夜も眠れなかったので本当にきつかったから。もちろん心配もありました。夜中、施設でも私たち娘を呼び続けているんじゃないかって。案の定、声を上げていたようですが。
鈴木
入居となったら”ごちそう”も出ないだろうと思い、入居するまでは毎晩、ビールとごちそうで「もてなして」しまいました。……入居後に『ここの食事はまずい』とグチっていたようです。

鈴木さんは入居前に、お兄さんに「こざっぱり」してもらいたくて、皮膚科へ行ったそうです。「伸ばし放題」になっていた手と足の爪を切ってから入居できたことがよかったと、鈴木さんは言います。

座談会写真

施設職員と接する際に気を付けていること

入居までの1か月間、在宅介護をしていた田中さん。

自宅に戻るまで入院していた回復期病院では、どんどん食が細り、退院時はゼリー状態の食を少し食べられる程度でした。しかし、在宅介護の期間、田中さんの「徹底的」なマンツーマン介護の甲斐もあって、食べられる量と質がめきめき上がったそうです。

食形態を工夫し、一口二口とつきっきりで口元へ運びました。食材もお母さんが好きだったものを選んだと言います。

刻んだり、とろみをつけたりと工夫されたお食事が並ぶ食卓には、ご家族も一緒に食事をし、お母さんが慣れ親しんだ環境も、食が進んだ好影響であったかと想像できます。

田中
在宅介護も終わりに近いころ、母はしっかりと米飯を食べられるようになっていました。そのような状態で入居したので、入居先でしっかりと食べられているのか、ちゃんと飲めているのか……とても心配だったんです。

田中さんの心配を“よそ”に、入居当初は食事や水分摂取量についての報告がなかったそうです。

ある日突然「脱水状態なので入院します」という「事後報告」のような形で施設側から連絡がありました。1か月ほど入院した後、施設へ戻りましたが、田中さんのお母さんが“食べられる量”は目に見えて減っていました。

入居先の施設には、家族として一番知らせて欲しいことは何かを明確に入居直後に伝える必要があるのかもしれません。

退院後は、施設側からも一日の詳細な摂取量が伝えられ、田中さんも一日に一回は食事介助のために施設へ赴き、食べた量を施設側へ伝え、「ほうれんそう」がうまくいくようになったと言います。

鈴木
「ほうれんそう」といえば、私は入居先のケアマネさんから細かく電話をもらって安心したことがありました。

鈴木さんのお兄さんが入所する老健からはよく「報告」があるそうです。そのため、施設でのお兄さんの生活が何となく思い浮かべられると言います。

「事故」の詳細についての報告も何度かあるそう。先日にはこんなことも。夜中、ナースコールを押さずに一人で車いすに乗って用を足した後、便座から車いすに乗り損ねてしまい、便座のフタにしりもちをついてしまったことが。

報告は他にも。「施設で使う下剤が嫌で、朝食のスープに捨ててしまった」「(歩けると思っているために)歩行器を使わせてほしいと訴えている」「毎食ごとの歯磨きが嫌だと言った」「週に2回もお風呂に入りたくないと言った」などなど。

鈴木
いずれも兄が言ってそうなことだと思います。ですから、施設からの報告を受けた後は必ず面会の予約を入れます。施設の言い分もよく分かります。見ているのは兄だけではなく、大勢おられる

兄は一人気ままに自分のペースで暮らしてきました。集団生活のルールを守れるわけがないこともとても分かる。本人の言い分も聞いてあげるのが、家族の役目。面会は本人のうさばらし、ガス抜きの場として必要だと思います。

現時点では、鈴木さんは施設への「お願い」はないそう。

鈴木
長い「施設生活」だからこそ、ささいなことでも施設に相談できる信頼関係を築くことが大事だと考えてます。

ただ、兄の施設は未だに対面での面会ができず、オンラインでの30分間の面会。世間的にコロナ禍が“落ち着いていた”ころには、透明なビニール越しでの面会になったこともありました。このまま収束に向かい、「普通に」会えるようになればと願っています。画面越しじゃなくて普通に会いたい。

―― 田中さんのお母さまが入居されてからのお話も伺えますか。

田中
母が入居してからは、ほとんど毎日のように面会に行っていました。ちょっとの時間だとしても。

 私が行けないときは、家族の別の人間が行くようにしていました。

田中さんは、施設の方々に対してご家族が必ず顔を出していることを分かってほしかったそうです。施設側としても「家族に見られている」という緊張感があった方がいいと考えていたそうです。

当初、コロナ禍の面会は対面人数を“絞った”うえで、面会室での30分だけだとされていたそうですが、しばらくしてからは入居者ご本人の居室で、1時間ほど許されるようになりました。

佐藤
僕の勤務先の施設でも、コロナ禍になるまでは毎日来てくれているご家族が何名かいらっしゃいましたよ。入居されている方の生活のお手伝いをすることも大事ですが、個人的には常日頃からご家族のために働いていると感じています。

家の売買が難航!

お兄さんの年金を管理している鈴木さん。入居費用の支払いや、京都からの転居した“後処理”を役所と進めています。

このような報告をお兄さんとの面会時、画面越しに伝えていますが、「理解しているのか分かりかねるし、お金の話は『きちん』と伝えたい」と言います。

お兄さんが住んでいた京都のご自宅は「そのまま」になっています。一度、売買を検討したそうですが、不動産屋さんからは、「所有者本人の意思確認ができないので売買を進められない」として、白紙状態に戻ってしまったそう。

不動産屋さんからは、入居施設あてに電話があり、担当者の方と鈴木さんのお兄さんとで数分話したそうですが……。

鈴木
電話でやりとりするしかなかったんだろうけど、難しい話を電話でしたところで、兄には分からなかったんだろうね。

我々の住所を聞かれた際、兄は正しく答えられなかった。もともと京都の人間だし、答えられないのは当たり前だとも思うけど、こうなるとこちらもお手上げ。専門家に今度相談してみる予定です。

リハビリの効果は?

―― 鈴木さんのお兄さんは、老健に入所されていますよね?リハビリの効果はいかがですか?

鈴木
国家資格を持つリハビリ専門職からのリハビリを定期的に受けられる施設なので、リハビリしてまた昔のように歩けるかと思っていたけどずっと車いす状態のまま変わらないな。

一方、田中さんのお母さんは、転倒して地元の大きな病院で集中的に治療を受けた後、リハビリを毎日受けられる回復期リハビリテーション病院へ転院していました。

田中
当時、私も入院してリハビリすれば元通りになるかと思っていたけど、それは素人考えだった。病院で話を聞くと難しいんだと気付きました。入院先では、ただずっとベッドに横になっているだけでなく、ベッド上で上半身を起こす姿勢を取るだけでも違うと話がありました。

ST(言語聴覚士)の方からも、嚥下の仕組みや母の口の状態を詳しく聞くことができてよかったです。

気になる介護費用

―― 介護費用についてもお聞かせいただけますか。

佐藤
週4回のデイサービス、手すり、突っ張り棒、介護ベッドレンタル代などを合わせて毎月大体4万円くらいですかね。

佐藤さんのお母さんは、要介護2、介護保険負担割合1割、一日型のデイサービス利用をしています。在宅介護だからこそ、費用を抑えられていると佐藤さんは考えています。

佐藤
ただ、もしも施設入居の必要性があっても、母の年金と亡くなった父の遺族年金もあるので、何とかなるなと思っています。

一方、お兄さんが老健に入所している鈴木さん。同じく、要介護2、介護保険負担割合は1割です。

鈴木
入居費、衣類やタオルなどのリース費、歯科治療費などを含めて約15万円ほどです。本人の年金支給額でまかなえています。

老健は、在宅復帰することを目的とした施設のため、長期入所が難しい施設です。今後、状態が悪化したり、施設から退去を“促されて”、民間の有料老人ホームへ入居する場合を考えてもいます。

鈴木
本人の預貯金もそんなに余裕がなく、そういう意味では持ち家を売り、本人の今後の費用に充てたい。

ひょっとしたら、我々よりも施設に入居している兄の方が長生きの可能性もある。今後を考えるとこれまた、頭が痛いし、早めに何かしら手を打ちたい……。

田中さんは、お母さんの余命が長くないことから、自費負担も“覚悟”の上で、介護サービスを多めに入れて対応していたそうです。

座談会写真

最期のとき

田中さんのお母さんが点滴で水分を補わなければならない状態となったとき、施設から今後の方針についての「相談」があった際のお話もしてくださいました。

田中
当時、妹とは「口から食べられなくなったらどうするべきか」とも話し合いました。でも、結論がなかなか出ません。胃ろうなどについても調べましたが、当時は悩みに悩んでいましたね。

田中さんが参考にしていた「嚥下障害のことがよくわかる本」(藤島一郎監修・講談社)には、終末期を迎え、本人の意思が分からないときの延命治療や緩和ケアについても書かれています。

次第に全身の状態が悪化する田中さんのお母さん。点滴の針がもうこれ以上刺せないほどになり、ついには身体が何も「うけつけない」状態に。施設の協力医療機関の医師からは「苦しまない最期を迎えるために、そろそろ舵を切る時期ではないか」と提案されたそうです。田中さんは医師と相談し、点滴の間隔を少しずつあけて、最終的には点滴を中止することを決めました。

毎日面会に通い、居室にはお母さんが大好きだった布施明さんの音楽を流していたそうです。覚悟を決め、その時を静かに待った田中さん。最期も一緒にいることができたそうです。

田中
施設の方には本当によくしてもらいました。感謝しかありません。

座談会写真

田中さんが参考にしていた本(写真提供:座談会参加者)

お母さんが逝去したことに、田中さんの愛犬レオくんが「わかった」ように感じられた出来事があったそうです。

ご自宅の1階に安置した田中さんのお母さんにレオくんを会わせると、お母さんが生前元気だった時に使っていた寝室の前に向かっていき、部屋の前で動かなくなり鳴いたそうです。お母さんも大好きだったレオくんは、田中さんにとっても寝ずの介護の辛さも癒してくれる大事な存在であったそうです。

田中
レオは「何か」を感じたんだと思いました。
佐藤
うちの母は元気だから、田中さんの話の後で言いにくいんですが、やっぱり犬がいてくれることで、本当に僕も母も助けられています。

佐藤さんは小型犬2匹と暮らしています。佐藤さんのお母さんは、犬をなでながら色々な話をしているそうです。

佐藤
日中はまったくの一人で、孤独な母。犬がいることはとても大きいと感じています。だけど、すぐに母の義歯を噛んじゃったり、メガネのツルをかじったりしちゃいます。それはもうそれでよしとしていますが。

歯科やメガネショップにも“しょっちゅう”お世話になっている佐藤さん。嫌な顔をせずに直してくれるので、かなり助かっているそうです。

心が軽くなる!早く相談して

――― 介護をされている方だけでなく、「介護予備軍」の方にもこちらの記事をご覧いただいています。ひとことメッセージをいただけないでしょうか。

田中
もっともっと早くに相談すればよかったと感じています

親の便やおしっこに悩んでいる人は当時周りにはいなかったし、いいにくかった。でも、話してみると、友達自身は介護をしていなくても、その知り合いの方がしていたりと、具体的なアドバイスを色々もらえることがたくさんありました。

話すことで私の心もぐっと軽くなったので、一人で悩んでいないで周囲に相談してほしいですね。
佐藤
同感です。僕も介護の仕事をしていながら、親の介護はまったく手つかずで介護保険の申請さえしていなかった。「引き取る」と決めてから市役所に行き、ケアマネさんが決まり、どんどんどんどん進められた。介護の相談を先延ばしにされている方は多いと思う。色々な方の「声」を聞いて、できることは早くしたほうがいい。

田中さんは「バイブルにしている」という本を教えてくれました。

座談会写真

田中さんが「バイブル」として読み込んだ「ボケ日和」(著・長谷川嘉哉、かんき出版)(写真提供:座談会参加者)

田中
この本には本当に支えられました。長谷川先生に母をみてもらいたいと思ったくらい。

――― 鈴木さんはいかがでしょうか。

鈴木
入居には本人の意思を尊重することが大切です。

一人で暮らせなくなったとき、例えば転倒を繰り返すなどの兆候が目立つようになったら考えどきかと思う。ひょっとしたら自分も介護をしてもらったり、施設にお世話になったりすると思う。

そういったことを考えると、介護業界で働く方々の給与を含めた改善を「国」が主導して図ってほしいと切に思うようになりました。

お母さんを亡くされた悲しみが癒えないなかで胸の内を話してくれた田中さん。仕事でもプライベートでも介護を続ける佐藤さん。遠方から「呼び寄せた」経験を持つ鈴木さん。介護はまさに十人十色と感じた座談会となりました。

――― みなさま、本日は本当にありがとうございました。

取材・文:上垣 七七子

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