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「毎日の食事に楽しさを」飲みきりサイズに栄養を凝縮した栄養補助飲料

スイスに本社を構える世界最大の食品飲料会社ネスレ。日本でもっとも飲まれるコーヒーと言われる「ネスカフェ」や、本格コーヒが手軽に楽しめる「ゴールドブレンド バリスタ」など、家庭・オフィスなどのシーンを問わずに同社が手がける製品は日常の隅々に浸透している。しかし、実はネスレは栄養補助食品の開発にも注力しており、その製品は多くの介護・医療現場で採用されている。製品開発の舞台裏や今後の展開について、ネスレ日本の池ヶ谷さんに伺った。池ヶ谷さんは、「アイソカル」ブランドで経口タイプの製品におけるマーケティング責任者を務めている。

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みんなの介護
「ネスレさんと聞くと、ネスカフェやチョコレートのキットカットのイメージがあったのですが、介護・医療現場などでも活躍する栄養補助食品も手がけていらっしゃるのですね」

池ヶ谷
「私たちネスレグループの根幹には『食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高める』という信念があります。単に栄養を補給するだけの食事では味気ないですよね。ですので、赤ちゃんからお年寄りまで、老若男女の区別無く食事の楽しみを提供することを大切にしてきました。ご高齢の方々のための製品開発も古くから力を入れています」

高齢者のQOLに直結する介護飲料。その開発の工夫

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「栄養補助飲料の代表的な製品について教えて頂けますか?」

池ヶ谷
「ネスレの製品の中で介護・医療現場で長く愛飲頂いているものに、アイソカルというブランドの栄養補助飲料があります。 栄養が不足しがちな方にも美味しく栄養補給して頂くためのものです。日本でも30年以上の歴史があるんですよ」

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「まさに、ロングランヒットかと思いますが、そもそもアイソカルシリーズが誕生するまでの経緯から教えて頂けますか?」

池ヶ谷
「ご高齢の方から、 食が細くなった、量が多くて残してしまうといった声をよく頂きます。食事量が少ないと栄養状態はもちろんのこと、食べられなかったということで、ネガティブな気持ちになってしまう。国内外で高齢化が進む中、そういった方々の栄養を補い、かつ「食べきれる、飲みきれる喜び」を通して気持ちの面からもサポートできる栄養補助食品が必要だと考えて開発をスタートさせました」

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「アイソカルを実際に拝見すると、とてもコンパクトですね。飲み切りサイズの量に栄養を凝縮するにあたって、どんな工夫をされているのでしょうか?」

池ヶ谷
「まさに、『凝縮』が一番難しいポイントです。
飲料について一般的に言えることですが、凝縮して濃度が高まった結果、雑味やえぐ味が目立ち、美味しさが損なわれてしまう場合があります。
美味しくなかったら、どれだけ栄養があっても毎日飲むのは辛いですよね。仮に、無理をして飲んで頂いても、生活の質は決して高まりません。
そこで、美味しさという根幹を守るために、「フレーバーリング」と呼ぶ独自の技術を駆使しています。一言でいえば、味・香り・食感などを精密にコントロールすることで、栄養分を凝縮しても美味しく飲んでいただけるような製品に仕上げる技術です。多くの方に美味しさを感じて頂くために、何度も何度も試作を繰り返しながら改良を重ねています」

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「開発にあたって特に工夫された点は何でしょうか?」

池ヶ谷
「味や食感も重要なのですが、ご高齢の方だからこそ気を付けなければならない 配慮ですね。例えば、入れ歯をつけている方の口の中の感覚など、通常の飲料とは異なる様々な特殊要件が発生します。歯の感覚も飲料の味わいには大きく関わってきますので、一般向けの飲料とは違うテクスチャ―を構成する必要があります。他にも、開封後に飲み口から雑菌などが入らないようにするための工夫も重要です。そのため、飲料の味わいだけでなく、パッケージ作りにも最大限の注意を払っています」

現場の声を活かした商品開発

アイソカルシリーズは多岐に渡るが、製品開発は常に現場の声を大切にしてきた。特に象徴的なケースが、わずか100mlという業界最小容量の「アイソカル 100」の開発だという。

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「アイソカル 100の開発にあたっては、現場のどんな声が反映されているのでしょうか?」

池ヶ谷
「実は、125ml程度の従来の製品でも飲み切れないという声が少なからず現場からは上がっていたのです。こうした栄養補助飲料を飲み切れていない方の割合は、4割にも及ぶというデータもあります。しかし、昨今メディアでもよく報じられていますが、ご高齢の方の低栄養が深刻な問題になっています。そこで、特に不足しがちな、たんぱく質を効果的に補給できて、しかも飲みやすく容量も少ない製品の開発が急務でした」

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「実際に、アイソカル100の発売後はどんな反響がありましたか?」

池ヶ谷
「ユーザーアンケートで最も評価されたポイントは100mlあたりのカロリー量であり、次に風味の良さでした。また、「アイソカル 100」を導入することで、『飲み残しの量が減った』・『栄養管理がしやすくなった』等、介護や医療の現場で変化を実感されているというお声も多く寄せられました。(*1)」

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「飲み残してしまって、どうしても必要な栄養摂取が滞ってしまうと、介護事業者の栄養管理にも関わる問題となってしまいますからね」

池ヶ谷
「美味しさを維持しつつも、栄養を凝縮し、負担なく栄養を摂取できるアイソカルのような製品群を通じて、介護現場を支えていければと思います」

*1 ネスレ実施、病院・施設に勤務する医療従事者向けの利用者アンケート(2021年)の結果より集計

「食事に楽しさをもたらす」ことへのこだわり

みんなの介護
「アイソカルシリーズ、改めて拝見すると味のバリエーションが非常に豊富ですよね。これだけの味のラインアップをそろえている理由を教えてください」

池ヶ谷
「そもそもの前提となる話ですが、どうしても人間は『飽きる』ものです。この点は、ご高齢の方も私たちも、全く同じだと思います。毎日同じ味の食べ物・飲み物を摂り続けることは心の負担につながってしまいます。毎日飽きずに、きちんと継続して頂けるように工夫することも、私たちの責任です。そのために、アイソカルでは味のバリエーションを充実させることに力を入れています。「アイソカル 100」では9種類、「アイソカル ゼリー ハイカロリー」では12種類ありますが、これだけの味を用意していれば、1週間以上毎日違う味をお楽しみいただけます」

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「もし、味のバリエーションを設ける上で他にも大切にされていることがあったら、教えて頂けませんか?」

池ヶ谷
「実は、補助食品って甘いものが多いんです。人間は甘いものを本能的に好みますし、昔は豊かさの象徴でもありました。しかし、実際には、甘いものが苦手という方も少なからずいらっしゃいます。ですので、ちょっと甘さを控えたものや、塩味が感じられて、おかず的な位置付けで召し上がれるものも意識的にラインナップに加えています」

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「そうした工夫の積み重ねが、食事の楽しさに繋がっているのでしょうか?」

池ヶ谷
「もちろん、毎日全く同じ味のものを食べる方が安心という方もいらっしゃいますが、日々の食事でも、ちょっとした味わいの変化を感じられると楽しいものですよね。高齢者向けの商品に限った話ではありませんが、『毎回の食事が楽しみになり、食事が一日一日を生きる活力になる』ような製品を作ることが私たちの商品開発のベースにあります」

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「最後に、今後の商品開発の展望をお聞かせ頂けませんか?」

池ヶ谷
「大きく2つの課題があると考えています。1つは、介護施設や病院にはリーチできていても、在宅の方には商品を届けきれていないことです。ご自宅にいらっしゃるご高齢の方々や、介助者の方々にどうすれば製品情報を届けられるのかが課題です」

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「特に、お一人暮らしの方にとっては栄養不足は重要ですよね。もう1つの課題は何でしょうか?」

池ヶ谷
「もう1つの課題は、そもそもの健康リテラシーの問題です。こちらも特に在宅の高齢者の方に顕著なのですが、ご自身の栄養状態が良いか悪いか適切に把握できていない方も多くいらっしゃいます。とりわけ、戦中戦後を生き抜かれた高齢者の方々に多いのですが、『粗食が良い』という考えをお持ちの方は、低栄養に陥るリスクが高い傾向があります。食が細く、栄養が不足しがちな時は、食事や栄養補助食品で補う必要があるのですが、ご本人はむしろ食べ過ぎを心配されている場合もあります。栄養の状態を適切に把握し、必要な栄養を美味しく摂って頂くことは、日々の食事をより楽しく感じて頂くために不可欠です。栄養を適切に摂ることの大切さについて、製品開発だけでなく啓発活動も並行して進めていく考えです。介護事業者の皆さまにも、お力添え頂ければ幸いです」

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