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「良質な介護は、良質な睡眠から」 ふとんの西川 30年のケアノウハウを活かした介護寝具

今、睡眠が心身の健康にもたらすメリットが、世界中の研究者たちによって明らかにされつつある。日本を代表する寝具メーカーである西川は、睡眠を通じて人々の健康をサポートしてきた、いわば睡眠のリーディングカンパニーでもある。実は、この西川は介護市場にも力を注いできた。高齢者の睡眠ニーズを探り、最適な寝具の研究を積み重ねてきた西川が辿り着いた介護寝具のあるべき姿とは何か。介護事業を担当する杉本忠彦さんにお話を伺った。

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起源は室町時代 睡眠のリーディングカンパニー西川のルーツ

みんなの介護
「西川さんの創業は室町時代とお聞きしました。よろしければ、会社のルーツから教えて頂けますでしょうか?」

杉本
「創業は450年以上前、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の三英傑が活躍した戦国時代から安土桃山時代くらいにまで遡ります。琵琶湖の東側、安土城址からほど近い近江八幡市で創業しました」

みんなの介護
「そんなに遡るのですね。当初から寝具を販売されていたのでしょうか?」

杉本
「はい、近江(現在の滋賀県)で特産物の販売などの商売を手広く行っておりましたが、当時から蚊帳(寝具)を取り扱っていました。いわゆる、近江商人の先駆けとしてですね」

みんなの介護
「では、寝具販売が拡大したきっかけは何だったのでしょうか?」

杉本
「江戸時代くらいまでは、一般庶民は藁などをかぶって寝るのが一般的だったのですが、明治になって西洋文化が入って生活様式が変わりました。布団やまくらといった寝具が大衆化していったという歴史があります。その中で、我々も昭和に入ったころから寝具販売が拡大するようになりました。」

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「その後、西川さんは一般家庭向け寝具販売事業を拡大されていきます。介護寝具の販売を始められたのは、どんなきっかけからでしょうか?」

杉本
「ふとんなど寝具販売と同時並行する形で、私たちは睡眠の研究も進めてきました。睡眠は、あらゆる人に必要です。高齢者や障害者の方も等しく睡眠を必要とするわけですが、もしかすると、そういった方たちは一般の方とは眠りに対するニーズが違うかもしれないと考えたのです。そのニーズを探っていく、本格的にいろんな情報を集めるためには事業参入しないと分からないことから、高齢者介護を中心としたヘルスケア事業を1990年にスタートさせました」

みんなの介護
「その当時の介護寝具市場は、どのような状況だったのでしょうか?」

杉本
「当時は、まだ国産の介護用品は少なく、ほとんどが海外製のものだったと思います。まずは、さまざまな商品を利用者が実際に見て、触って選べるというコンセプトのもとに、大阪で介護用品の直営店をスタートさせました。
その直営店を通じて、高齢者をターゲットに寝具を含め様々な用品を販売しながら、ニーズのヒアリングも行ったのです。
また、もし介護用のベッドを購入されたお客様がいらっしゃったら、敢えて我々のスタッフが配達しにいくようにしました。実際に利用される施設の皆様の状況なども確認をしたいと考えたからです。介護当事者の方々の要望や既存製品の課題を細かくお聞きして、自社での商品開発に生かしていきました。」

地道なニーズの調査から辿り着いた安心感というコンセプト

みんなの介護
「実際に現場ニーズなどの情報を集められていく中で、どんなコンセプトで介護寝具の開発に取り組まれたのでしょうか?」

杉本
「私たちが介護寝具の開発で最も大切にしたのは、使い慣れた家庭の寝具同様の安心感をいかに提供できるかです。具体的には、例えば柄のついたデザインを取り入れるなど、見た目の部分に力を入れました。」

みんなの介護
「なぜ、デザインをそれほど大切にされたのでしょうか?」

杉本
「介護業界では、衛生面や耐久性が要求されます。それらを追求すると、必然的に無機質なデザインになります。わかりやすく言えば、病院にあるようなベッドのイメージです。それをいかに家庭的なものにするかということにこだわりました。家では羽毛布団を使っていたり、色鮮やかなデザインのものを使っていたりしていたのが、施設に入って急に無機質になったらどうでしょうか?このギャップが、心地よい睡眠の妨げになるのです。だからこそ、衛生面や耐久性は高い水準を保ちながら、家庭的な雰囲気を感じられる製品開発に取り組みました」

みんなの介護
「機能性については、どんな工夫をされているのでしょうか?」

杉本
「高齢者の方にとっての使いやすさもおろそかにはしていません。例えば、高齢者の方は握力も弱まりますし、手先の細かい作業が難しくなります。ですから、ファスナーにフラップやひもなどをつけて操作性を向上させています。また、電動ベッドは上げ下げをする中で、枕の位置がずれてしまうということがよく起こります。すると、睡眠の質が落ちてしまいます。そこで、ピローケースを固定できるようにするなど、家庭から施設に環境が変わっても睡眠の質が変わらず、ぐっすり眠れるということを意識して、細かな工夫を重ねながら商品開発を続けています」

西川の介護寝具は、関西を中心に介護事業者への導入が進んでいる。では、実際に、導入した介護施設はどのように受け止めているのだろうか。実際に導入した施設からは、利用者の満足度の向上はもちろんだが、施設見学時のセールスポイントになっているという声が寄せられている。デザイン性に優れた家庭的な寝具が部屋に彩りをもたらすことで、一目で「まるで家庭のような環境だ」と驚く家族が多いという。利用者本人だけでなく、家族にも安心感をもたらすのが西川の寝具の特長だ。

寝具を通じた認知症対策にも取り組みたい

みんなの介護
「介護寝具の商品開発については、どんな展望をお持ちでしょうか?」

杉本
「私たちが大きな課題として捉えているのは、認知症対策です。睡眠の内容と認知症の進行の関係性に関する研究も進んできています。まだすべてが解明されたわけではないですが、少しずつ明らかになってきた部分もありますので、これらの動きを注視しながら商品の研究・開発に生かしていく必要があります。もう一点は、睡眠は日々のパフォーマンスを上げるために重要なのですが、睡眠の内容を理解することでセルフチェック機能も果たせるということです。寝具を通じて、より良い健康管理に繋げて頂けるような新時代の機器も開発していきたいですね。ご利用頂くお客様にヘルスケアに繋がるデータなどを還元していくことで付加価値を提供していければ、と考えています」

みんなの介護
「介護施設における展開についてはいかがでしょうか?」

杉本
「実のところ、介護施設で我々の商品を使っていただいているケースはまだまだ少ないと考えています。高齢者の方々に心地良い睡眠をとって頂くためにも、介護施設の方々に関心を持って頂いて、できれば実際に商品に触れて頂きたいと思います。
介護現場においても、睡眠の質が良くなれば、きっと利用者の方の生活の質も向上します。すると、心身ともに健やかに過ごして頂けるようになるはずです。その先には、介護施設の方々だけでなく、ご家族の方も安心して日々過ごせる未来があるはずです。眠りを通じて、社会全体に対して好循環を生み出していけるよう努力を重ねていきます」

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