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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.81 高齢者からも現役世代からも多くのお金を吸い上げないといけない今の介護保険制度は、近い将来、崩壊するのでは?とさえ思ってしまいます。宇佐美さんの実感はどうですか?(カカオン・会社員)

高齢者の、介護保険自己負担を3割にする…という自己負担引き上げが審議に入りました。一方で、介護保険料も過去最高を記録していて、これからもどんどん上がるものと思います。高齢者からも現役世代からも多くのお金を吸い上げないといけない今の介護保険制度は、近い将来、崩壊するのでは?とさえ思ってしまいます。宇佐美さんの実感はどうですか?

日本の社会保障制度は中長期的には破綻を迎えるでしょう。そのときのために備えておきたいですね

日本の社会保障財政が赤字国債頼りで不健全な状態にあるのはみなさんご存知の通りです。介護保険に関しても、必要な費用のうち50%は保険料から、残りの50%は国と地方自治体が半分ずつ分担する構造になっています。地方自治体にしても国からの地方交付税交付金で財政が補填されている状況ですから、基本的には日本の社会保障財政が破綻するタイミングは、日本政府の財政が行き詰まり、新規赤字国債が消化されなくなるタイミング、ということになります。

簡単に計算してみましょう。まず基本的な数値を整理すると、日本人の金融資産(A)は若干の将来的な伸び代を含めても概ね1,400兆円~1,500兆円で、現在の国及び地方自治体の債務は1,093兆円(B)で、日本政府のプライマリーバランスの赤字は10~20兆円(C)の赤字と近年は悪い意味で安定しています。

このAからBを引いた値をCで割ると((A-B)÷C)「政府が国民からお金を貸りて、財政を賄う」という日本の財政構造が息詰まる時期がでますが、だいたい15年後から30年後という計算になります。いずれにしろ少子高齢化、人口減少という巨大な波の中で日本の政府財政や経済には明るい兆候は乏しいですから、日本の社会保障制度が中長期的に破綻するのはほぼ確実なことです。

そんなわけで介護保険に関しても、将来的には今の構造を維持できなくなることはほぼ確実です。ただ、だからといってすぐに全てがゼロになるわけではなく、財政事情にあわせて規模が縮小していくということになります。いずれにしろ日本の介護制度が危機を迎えるのはすぐというわけではありませんから、ある程度覚悟を持って備えていただければと思います。