Q.80 高齢者施設にボランティアに行っていますが、共感してくれる人が少ないのが悩みです。日本人はなぜボランティアへの共感を得られにくいのでしょう??(和美・会社員)
ボランティアなので無償で行っているのですが、なかなか賛同して協力してくれる方が見つからず、最近ではほとんど一人でヴァイオリンを持ってボランティア活動をしています。入居者さんは喜んでくださるので、それだけで報われる思いがあるのですが、一人で行っていることに虚しさを感じることもあります。一人でも多くボランティアの輪が広がれば、もっとたくさんの高齢者を笑顔にできるのに。
「働き方改革」が進めば、ボランティア仲間も増えていくのではないでしょうか
日本人がボランティアに割く時間は1日平均4~5分と、欧米圏に比べて1/2~1/3、アメリカ・カナダに比べて1/4~1/5と、国際的に低い水準にあることは間違いありません。やや古い調査になりますが。この理由について内閣府の前身である経済企画庁が調べたところ、多い順に
「忙しくて時間がないから」→53.2%
「生活にゆとりがないから(生活にゆとりのある人がやればよい)」→20.6%
「活動すべき場所がみつからないから」→12.7%
という結果が出ています。
こうみるとやっぱり「時間がない」というところが圧倒的に重要でして、統計上含まれないサービス残業も含めると先進国で日本人は最も働いている民族で「過労死」が問題になるくらいですから、ボランティアの普及という観点でも今政府が進めている「働き方革命」は重要になると思います。
一方でボランティアへの参加条件を聞くと「わずかな時間(1~2時間程度)を利用して参加(33.4%)」できることを前提に、「誰にでも簡単にできる(31.3%)」か、もしくは「趣味や特技が活かせる(25.2%)」と二極化しています。
質問者様のような趣味を生かしたボランティアの潜在的なニーズは強いことになりますから、日本人がもっと働かなくなったら、きっと質問者様の仲間も増えていくことになると思います。そんなわけで、日本人が特別ボランティアが嫌いというわけではなく、ただ単に働きすぎで心に余裕がない、というのが実情なんだと思います。