Q.79 ケアマネジャーが立てるケアプランをAIが提案するシステムが開発されたというニュースがありましたが、本当にAIが考えたケアプランで満足な介護につながるのでしょうか?(かしわ・介護職員)
以前、ロボットが介護をすることについての質問がありましたが、私はAI、人工知能について聞きたいです。今日、本来ならケアマネジャーが立てるケアプランをAIが提案するシステムが開発されたというニュースがありましたが、本当にAIが考えたケアプランで満足な介護につながるのでしょうか?
AIをうまく活用して「満足な介護」にできるかどうかは、皆さん次第だと思います
まず大前提として、私はAIを「所詮心のないコンピューターに過ぎない」なり「人間の仕事を奪う技術で職場に入れるべきではない」といった冷えた存在や脅威としてとらえるのではなく「人間をサポートする優秀な助手」のように捉えることが重要だと思います。
ケアプランに関してもAIは「プランの形を作る」ことはできても、そのケアプランに実効性を持たせるよう「気持ちをこめる」ことはできません。ケアプラン作成にAIを利用することになっても、実際にそのプランを監修して実効的なものに修正して最終的な決断をし、利用者の方々とプランを実行していくのはケアマネジャーの役割であることには変わりません。
むしろケアマネジャーとしては、ケアプランの作成に必要な事務作業がAIによって軽減したり、思わぬ観点での提案をAIからされたりすることで、様々な利点を享受できることになると思います。AIは想像以上に優秀で、今後も伸びゆく技術ですから。
また俯瞰的に見ると、介護業界は人材不足が叫ばれていますから、今後こうしたAI技術やロボットをどんどん活用して時間を有効に使い、生産性を上げていくことが求められていきます。これは職員にとっても「人間にしかできない仕事」に専念でき、また生産性が向上した結果として「給料が上がる」という意味で、一挙両得です。
結局のところAIをうまく活用して「満足な介護」にできるかどうかは、皆さん次第なのです。