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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.58 社会福祉法人について質問です。もし必要なのだとしたら、どのような役割をちゃんと担っている法人が残るべきだと、宇佐美さんは考えますか?(キリンさん・会社員)

「社会福祉法人」って要りますか?「理事長が家族経営で私腹を肥やしている」とか「内部留保たんまりで、カネが回らない」とか、良い話を聞きません。そもそも、社会においてどのような役割を担っているのか、具体的にわからないのですが…。

中長期的に考えれば、廃止の方向で進めるのが適切だと考えています

おそらくご質問の趣旨は、「社会福祉のために特別に法人を用意する意味は乏しいのではないか」ということなのだと思います。この点、一般的には社会福祉法人は「憲法89条との関係で“行政上”必要」ということにされています。そこで憲法89条の条文を見ると

「第八十九条

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」

という内容になっています。厚生労働省の言い分としては、

・特別養護老人ホームや児童養護や知的障害者支援といった事業は「公の支配に属しない慈善、教育もしくは博愛の事業」に属するため、税金を使って支援することは憲法違反になってしまう

・なので「公の支配」にあるけれど、「強い独立性を持つ」法人類型として「社会福祉法人」が必要となった

と説明しています。なんだかよくわからない理屈ですよね。

とはいえ、この言い分は言い分で一理あるのですが、ちょっと飛躍している気がします。というのも、例えば一般社団法人や会社でも個別に事業を許認可する仕組みを作れば代用できる気がしますし、そちらの方が投資が活性化するようにも思えます。それに、現実として株式会社が指定管理者制度を通じて老人ホームの運営管理している例も多数あり、こうした規制も徐々に骨抜きになってきています。

社会福祉法人に対しては様々な税制上の優遇措置(法人税や固定資産税の非課税)が設けられているのですが、これに対しても「不公正な競争が行われている」という批判もあり、私としては憲法解釈の変更や憲法改正を進めて、社会福祉法人は中長期的に廃止して行くことが適切だと思っています。