Q.40 介護施設でパチンコをレクリエーションとして活用するというアイデアについて、宇佐美さんはどう思いますか?(とくちゃん・介護職員)
デイサービスのレクリエーションとして「パチンコ」を導入する施設があるというニュースがありました(カジノ型介護施設)。このニュースについて、パチンコ業界に突っ込んでいる宇佐美さんは率直にどのように感じましたか?また、これについては兵庫県では独自に規制がかかりましたが、なぜ国として規制をかける動きがないのでしょうか?やはり業界団体的なパワーバランスなのでしょうか…?
通常のデイサービスのプログラムも提供されているのなら、問題ないのではないでしょうか
私としては昨今の「デイサービスにパチンコを導入しよう」という動きに関して特段反対するわけではありませんが、パチンコ業界としての迷走を感じています。
この30年間パチンコ業界は一貫してギャンブル性をあげ続け、ライトユーザーを排除してギャンブル依存症罹患者を含むヘビーユーザーからお金を搾り取る方向に経営努力を重ねてきました。その結果として若年層の新規ユーザーを獲得できず、既存のパチコンファンも業界から離れて、パチンコの遊技人口は減り続けています。
昨今の「デイサービスのレクリエーションとしてパチンコを導入しよう」という動きは、こうした市場の縮小に対して「若者の新規ファンがつかめないのなら、かつてパチンコを嗜んでいた高齢者をもう一度呼び戻そう」という発想で展開されているものです。こうした動き自体否定するものではないと思いますが、「それよりも若年層の新規ファンの獲得のためにすることがあるのではないか…」というのが私の率直な感想です。
私が知る限りは、現状ではこうしたデイサービスにおけるパチンコサービスでは無制限にお金を消費する仕組みとなっておらず、また通常のデイサービスのプログラムも提供されているということですので、積極的に禁止するような必要はないとは思います。ただ今後、ギャンブル性がエスカレートして実質的な賭け金の水準が上がっていくことがないように、行政が主導してガイドラインを作るなどの取り組みは必要だと感じています。