Q.35 「使える」「デキる」公務員というのは、どういう人なのでしょうか?(やまちゃん・地方公務員)
前回のQ&A(ぶっちゃけ、キャリアの国家公務員の方は、地方都市の公務員をバカにしていませんか?で、国家公務員の事務処理能力が高いということはわかりました。では、その中でも「デキる公務員」というのは、一体どんな人のことだと考えますか?
「結果を出す公務員こそがデキる公務員」。これに尽きます
結論から言えば私は「結果を出す公務員がデキる公務員、結果を出さない公務員がデキない公務員」というように考えています…と、こんな元も子もない回答で終えてしまうわけにはいきませんので、その背景をご説明したいと思います。
官庁というのは部署、役所ごとに求められる人材のタイプが大きく異なります。例えば私の古巣の経済産業省ですと、動きの早い民間企業の要望に応えて制度を変革していくことが仕事の中心ですから、どちらかと言えば行動的・積極的な人間が求められます。新たに制度を作る時も多方面に根回しをしつつ、当意即妙な駆け引きをすることが求められますから、どちらかと言えば「頭が切れて、口が上手い」タイプが優秀な人間と考えられがちです。
他方で厚生労働省や文部科学省は「社会保障」「教育」といった広く国民に直接かかわる政策を担当しています。こうした分野では一過言持つ人が数千万人単位で存在するため、官庁が積極的に意見を打ち出すと、国民の反発を招きかねません。そのためじっと我慢して受け身の態度で様々な意見を集めて徐々に集約していくような「縁の下の力持ち」タイプが重宝されます。
このように、一口に公務員と言ってもそれぞれ担当する分野によって仕事の性格が大きく変わり、「デキる公務員」を画一的に議論することは難しいです。なので逆説的に、「結果を出す公務員こそがデキる公務員」というように考えることが適切なように思っています。