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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.154 日経平均株価上昇は介護市場にどのような影響を与えると考えられますか?(BBQ奉行・会社員)

アベノミクスの影響なのか、日経平均株価がぐんぐん上がっています。内部ではさまざまな問題を抱えているのは承知の上なのですが、投資という視点で業界を捉えると、これからの介護市場にはどのような動きが予想されるのでしょうか。

事業者の規模によって役割分担がより明確になっていく

介護関連事業者で、東証一部に上場している企業の業績をいくつか見てみると、一つの傾向として「デイサービスの好調とサービス付き高齢者住宅(サ高住)の低調」という流れが見えてきます。

サ高住は人手不足の時代を迎えて人件費および求人広告費が上昇し、一時期の好調から転じて現在は調整局面に入っています。他方のデイサービスは、介護報酬が高い重介護度のサービス利用者を中心としたメニューが拡充される傾向にあります。

重介護度のサービス利用者に対してサービスを提供するには、入浴支援や身体機能維持に向けたそれ相応の設備投資が必要であり、介護報酬の制度上、こうした投資はそれに見合った収入が期待できるために大資本はこの分野へ注力しているのだと思います。

この状況をみると、一部上場企業はマスマーケットで利益を重視した経営を推進していくことになるので、今後、重介護度のサービス利用者に対するサービスメニューの拡充を目指した設備投資が加速化すると予測され、また実際、多くの上場企業がそのような方針を掲げています。

こうした大資本の一部上場企業がとるスタンスは、必然的に中小規模の介護事業者に影響を与えることになり、JASDAQ(ジャスダック)などに上場している中規模の介護事業者は介護周辺事業に力を入れていく傾向にあります。

中低介護度を対象とした介護事業の利益が横ばいになる中、中規模の事業者は、例えば看取り介護や葬式などの利益率の高い周辺事業を強化して利益を確保する取り組みを進めているようです。

このように、どの事業者も介護市場が変化していく中でその規模に応じ、頭を絞って投資する領域を選んで注力しており、今後は事業者の規模によって役割分担がより明確になっていくのではないかと思われます。