Q.12 官僚(国家公務員)の給与は能力に見合っていると思いますか?(はるかぜ・介護職員)
前回のQ&Aで、地方公務員の給料についてはよくわかりました。では国家公務員…なかでも官僚の給料は?「こんな仕事をしているから○○万円で見合っている」「国家財政がこれだけ危機に瀕している今、実情にはまったく見合っていない」など、具体的なアンサーをいただきたいです。
適正かどうかはわかりませんが、官僚本人たちは「低い」と感じていると思います
官僚の給与について適切な水準を論じるのは難しいことです。
ただ官僚自身は、官僚の給与について「低い」と感じているのではないか、と思っています。実際私も官僚時代は周りの目を気にして、口では「必要十分には給料をもらっている」と言いながら、「給料低いな~」と感じていました。なぜかというと、端的に大学の同級生が自分たち以上に稼いでいるからです。言うまでもなく主要官庁の官僚の過半は東大卒、京大卒で占められます。
では、彼らの大学時代の同級生がどういうところに就職するかというと、銀行や保険会社、商社や戦略コンサルティング、大手メーカーなどです。これらの会社の給与は、多かれ少なかれ官僚よりも給与水準が高いため、官僚たちの目線はこうした同級生の給与水準をベースに作られることになります。例えば30歳の時の私の年収は550万円弱でしたが、同級生は1000万円弱でした。必然的に官僚は「自分たちの給与は低い」と感じやすくなります。
こうした意識を「それとこれとは別。国が膨大な借金を抱えているのだから贅沢を言うな」と批判することは簡単ですが、官僚たちもその気になれば転職できるわけですから、こうした批判はあまり意味があることのようには思えません。実際私も、年収500万くらいのときに倍以上の年収でヘッドハンティングを受けて、大きく心が揺らぎました。
かつては官僚はある程度国民から尊敬の念を持ってみられる職業で、その名誉が官僚のモチベーションを支えていましたが、近年ではむしろ国民から嫌われる対象となりつつあります。それもあってか近年30代以下の国家公務員の離職率は上昇傾向にあります。ここら辺でどのように官僚として優秀な人材を確保するのか、人事・給与制度も含めて見直すべき時が来ているように思えます。