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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.118 社会保障を国で賄えなくなった場合、国としてはどのような手段を解決策に選ぶと思いますか?(のぶ・会社員)

年金が危ない、医療費の増大が最もヤバイ…と、社会保障費関連でよくない話をよく目にします。そうして社会保障を国で賄えなくなった場合(もしくは賄えなくなりそうと判断した場合)、国としてはどのような手段を解決策に選ぶと思いますか?

強制的に緊縮財政が敷かれ、年金を中心とする社会保障費が真っ先に削られるでしょう

単純に社会保障を切り捨てていくことになります。

政府が財政危機に陥ると、金融市場及び国際社会から強い歳出削減圧力を受けることになります。そのため強制的に緊縮財政が敷かれます。日本の2017年度予算の国債費は23.5兆円で一般会計97.4兆円の24.1%ですが、これがまるまる削られると考えるべきでしょう。その時、真っ先に削られるのは年金を中心とする社会保障費になります。

ギリシャの例を見てみますと、

  • 年金の給付水準が引き下げられる
  • 年金に対する課税の強化が段階的に行われる
  • 退職年齢が段階的に引き上げられる

といった社会保障の切り捨て改革が進みました。

なお多くの人が勘違いしていますが、ギリシャの年金支出の対GDP比はEUの中では低いほうで、決して高齢者はスポイルされていたわけではなく、むしろEU危機以前から高齢者の貧困率は高止まりしていました。

また医療支出もGDPの6%にキャップがはめられ、結果として40%ほど公共医療支出が削減されることになり、13の公共病院、330の公共クリニックが閉鎖に追い込まれました。

こう聞くと凄まじいわけですが、では実のところギリシャ人の生活は崩壊したのかと言うと、EU危機に関係なくギリシャの平均寿命は伸び続けており、生活の利便性はさがったもののなんとかギリシャ人は生き延びています。ただ国に悲観した若者や富裕層の国外流出が相次ぎ、2010年の1,112万人から2015年には1,074万人まで人口が減少しています。

日本政府の借金は内国債が中心のため、ギリシャほど過激な社会保障切り捨てが行われるかはわかりませんが、程度が違えど同じような改革が進められることになるのではないかと思います。みなさん、ギリシャ人を見習って、それでもなんとか生き抜いていきましょう。