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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.106 「役人の定期部署異動」は是正されないのでしょうか?(ハフロフ・会社員)

役人には、数年に一度、部署異動があると聞きます。これって、専門性のない人が担当につくということで、まったく合理的じゃない気がします。関係各所との癒着を防ぐためとか言われますが、そんなものはきちんと自浄作用が機能していないからであって、それとこれとは別問題な気がします。

是正の見込みはありません。“働き方改革”は中央官庁にこそ進めて欲しいものですね

おっしゃる通りですが、残念ながら是正される見込みはありません。

ただ、いわゆる「ところてん人事」と揶揄される役所の定期異動も全く理屈がないわけではありません。ご指摘の通り一つの部署に同じ人物がずっといると、特定の業者との癒着が生まれやすくなる他、一つの分野しか見なくなり視野が狭くなる、一人の人物に情報が集中してガバナンスが機能しなくなる、などといった問題も生まれます。

なので中央官庁においては、いわゆるノンキャリアや技官をひとつの部署に比較的長くおいて専門職(スタッフ)として育て上げ、管理職(ライン)であるキャリアを短期間で動かすことで専門性とガバナンスのバランスを取ろうとしています。こうした仕組みは「ライン&スタッフ」と呼ばれ、これ自体は機能すれば真っ当な仕組みであると思います。私自身も一度、門外漢の半導体の技術開発の現場のマネジメントをラインとして担当し、タコツボ化して目的が不明確になっていたプロジェクトの体制を大きく立て直した自負があります。

ただ問題は、こうした仕組みを取っているにしても、あまりにも事務職のラインとしての就任期間が短すぎる点です。私が思うにどのような部署を担当するにしても、一つのプロジェクトを始めて完結するまでに最低でも5年程度は必要な気がしますが、現状では2~3年のスパンで人事異動が行われてしまいます。これでは制度の趣旨に合致しておらず無責任というものでしょう。

こうした官庁の無責任な人事は一刻も早く正すべきだとは思うのですが、年功序列の順送り人事の都合で移動は2~3年が定期と相場が決まっています。完全に目的と制約の主従があべこべになっていておかしいとは思うのですが、こうした問題が解消されるには官庁の雇用制度全体が見直される必要があります。その意味では安倍首相にまずはお膝元である中央官庁から「働き方革命」を進めてほしいところです。