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第9問 大まちがいはどこでしょう?「田舎の親が認知症気味なら呼び寄せたほうがいい」

田舎にいる親も高齢だし、認知症状も少しある。介護のために呼び寄せようかしら。そのほうが親孝行にもなるのでは…?

環境を変えないのが認知症ケアの大原則。転居で環境変化を起こすのはNG

認知症が深まってしまう場合も

親の認知症が深刻で、もう生活がまったく立ち行かないのであれば、呼び寄せ介護もいいでしょう。しかし、まだ認知症気味という程度なら、転居を伴う大きな環境の変化を起こすのはお勧めできません。

認知症老人ケアの第一原則は「環境を変えない」だからです。

転居は人間関係や家、家財道具などすべてに宿る思い入れを根こそぎ断ってしまいます。その変化に耐えられず、同居を始めてものの1ヵ月で認知症が深まってしまう人が後を絶ちません。

転居は、それほど危険な選択なのです。

転居が持つ意味とは

何十年もの間積み重ねてきた生活をいきなりガラリと変えることは、自分自身の歴史と決別することを意味しています。

それは不安で寂しく、自分を見失いかねない非常事態と言うべきです。

環境や生活習慣の変化は戸惑いの元。人間関係が断たれることも逆効果

自分らしい日常生活が難しくなる

自分らしい日常生活が難しくなる

田舎から親を呼び寄せた場合、転居にともないどのようなことが起こるかシミュレーションしてみましょう。

まず、必ず起こる問題として「環境が変わって戸惑う」「生活習慣が変わって戸惑う」「人間関係が断たれてしまう」という3点があります。転居をするならすべていたしかたないことですが、それが認知症の高齢者の場合、「しかたない」では済まないこともあります。それは認知症状が進行してしまうからに他なりません。

また起こりがちなことに「思い入れのある家と離れ、個性的な空間が作れない」「生活の中で担う“役割”が減り、生きがいがなくなる」「共感できる仲間や頼れる仲間などの多様な関係がなくなる」ということも看過できませんね。

できることなら、一人暮らしでもヘルパーやデイサービスなどの介護サービスを利用し、できる限り住み慣れた地域で暮らしていけるようにするのが良いでしょう。

住み慣れた地域で介護サービスを受けたほうが良い
第9問こたえは…

住み慣れた地域で介護サービスを受けたほうが良い

「認知症ケアのまちがい探し」をすべて見る
【第10問】大まちがいはどこでしょう?「もう隠居なのだから家事の分担から解放しよう」

※この連載は『その認知症ケアは大まちがい!』(講談社/2017年6月13日発行)
より内容を一部抜粋し、加筆修正したものです。

『その認知症ケアは大まちがい!』(講談社/2017年6月13日発行)

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【著者プロフィール】