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第5問 大まちがいはどこでしょう?「認知症の病名は本人にはっきり告知したほうがいい」

うちのお父さんに認知症だと自覚してもらい、医師や私たち家族の言うことを聞いてもらうためにはっきり告知すべきでは?薬も飲んで欲しいし…。

高齢者に認知症を告知すると、かえって混乱する場合もあるので注意

がんとは異なる告知の必要性

治療可能ながんの場合、手術や、つらい抗がん剤が控えているので、告知して本人に覚悟を持ってもらう必要があります。

40~50代で発症する若年認知症でも、判断力があるうちにやりたいこと・必要なことをするために、告知には意味があるでしょう。

しかし、70代を超えた高齢者に認知症のことを説明しても、あまり意味がありません。かえって、病名を聞くと混乱します。本人には「物忘れがありますね」くらいで十分。告知は、告げるメリットの有無で判断しましょう。

認知症の方と歩むために

話しても忘れる。だから認知症のお年寄りには何を言ってもいいと思ってはいけません。言われたときの、相手の表情や口調は覚えているのです。感情で受け止めているのですから、敬意と笑顔を忘れずに接するよう心がけてください。

本人に告知するメリットはあるか、その有無を考えて判断したほうが良い

告知した場合、しなかった場合で変わること

告知した場合、しなかった場合で変わること

告知すれば本人が抗認知症薬を飲んでくれるかもしれません。しかし、限定的な効果しかない薬を飲むメリットより、ショックを受けるデメリットのほうが大きいのです。

そもそも、「あなたは認知症です」と言われたり、病人扱いされて嬉しく思う人はいないでしょう。高齢者だって同じです。医者や家族の都合だけで安易に告知すると、高齢者は「侮辱された」と感じて怒ったり、逆に「自分はバカになってしまった…」と誤解して、殻に閉じこもったりします。そして周囲の人との関係が悪化し、やがては「問題行動」が起こり始めます。

このようなデメリットがある告知より、まずは本人との関係づくりを優先しましょう。信頼できる人からの手助けは、受け入れてもらえるものです。日々の服薬ケアや身体介助など、認知症介護が上手な人は、だれもがそうした関係の大切さに気づいています。

混乱するので無理に告知しなくても良い
第5問こたえは…

混乱するので無理に告知しなくても良い

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【第6問】大まちがいはどこでしょう?「物忘れがひどくなったら認知症だ」

※この連載は『その認知症ケアは大まちがい!』(講談社/2017年6月13日発行)
より内容を一部抜粋し、加筆修正したものです。

『その認知症ケアは大まちがい!』(講談社/2017年6月13日発行)

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