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第3問 大まちがいはどこでしょう?「高齢者の5人に1人は認知症になる」

日本は超高齢社会に向かって突き進んでいる。認知症高齢者の数は30年前に比べて激増しているというし、今後も増えていくと国も推計しているそうだ。どうしよう!

「認知症になる人の数が多くて大変だ」と言うが、この数字は「調査の基準」を緩めたため

数字のまやかしに騙されてはいけない

厚生労働省は2013年に、「現在認知症の人は462万人(高齢者の7人に1人)、2025年になると推計700万人」と発表しました。やがて高齢者の5人に1人が認知症になるというのです。

ところが、この調査発表の1年前にも、厚生労働省から認知症推計値が出ています。そこでは、認知症は305万人とされていたのです。つまり、たったの1年で日本の認知症患者の推計値が約157万人も増えてしまったことになります。いったい何があったのでしょうか。

答えは、「調査の基準」にあります。

大きな話題を呼んだ2013年の調査結果は、これまでの調査よりも認知症にカウントする基準を緩めたのです。そのため日常生活を自立して送れている人でも、少しでも認知症の症状があれば推計値に計算されました。

これでは、ただの加齢による物忘れや、実は別の病気かもしれない人も推計値に入りかねません。

かつては年相応のボケで済まされていた人まで認知症という診断を受け、薬物療法を施されているという現状があります。

加齢で誤診された人もいるので、実際はそんな比率にはならない

90代では半分以上が認知症っていくらなんでも…

ボケるのは高齢者では当たり前のこと

厚生労働省の調査結果によると、認知症の人は高齢者全体の約15%に当たります。この割合は、年齢が上がると確実に上昇するのです。85歳以上では認知症の割合が40%を超え、90歳以上では実に60%を超えています。

つまり、90代では半分以上の人が認知症なのです。

これを「なんと恐ろしい脳の病気だ」と思うか、「ボケるのは高齢者では当たり前のことだ」と思うか。ここまでくると、本人や周りの人の捉え方の問題と言えるのではないでしょうか。

『治さなくてよい認知症』(日本評論社)の著者、上田諭氏(精神科医)はこう言っています。

「認知症をことさら問題視するようなことをせず、長寿になったのだから認知症になっていい、治さなくていい、認知症でも楽しく生きることを考えよう。そういう意識を誰もがもつべきなのである」(同書29ページより引用)

年相応のボケで済む人までカウントされている可能性がある
第3問こたえは…

年相応のボケで済む人までカウントされている可能性がある

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【第4問】大まちがいはどこでしょう?「認知症の人は子どもと同じになる」

※この連載は『その認知症ケアは大まちがい!』(講談社/2017年6月13日発行)
より内容を一部抜粋し、加筆修正したものです。

『その認知症ケアは大まちがい!』(講談社/2017年6月13日発行)

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【著者プロフィール】