Q.95 父が亡くなり、実家が空き家になってしまいそうです。こうした空き家の有効な活用方法はないものでしょうか?(パプ・会社員)
父が亡くなり、実家が空き家になってしまいそうです。田舎なので簡単に借り手も見つからず、かと言って売却するのも気が引ける…。取り壊すなんて考えられません。そうすると空き家のまま放置しておくしかないのか…ということになってしまうのですが、有効な活用方法はないものでしょうか?また、国としてこうした空き家を有効に活用していこうという策はないのでしょうか?
空き家を放置することにひとつのメリットもありません。安く貸すか、取り壊すことをおすすめします
お気持ちはわかりますが、空き家は地域経済のために安い価格で賃貸に出すか、それが無理なら取り壊すことをおすすめします。
経済的に見たときに、空き家というのは単体でも建物・土地という資産の無駄遣いですし、商店街や住宅地のような集積することによってその価値を高めているコミュニティにとっては周辺の地価をも下げ、なおかつ治安の悪化にもつながる、まったく歓迎できない存在です。今では地方の当たり前の光景となったシャッター商店街も、仮に早い段階で家賃を大幅に下げて、その地域で元気のいい若者にでも貸し出していれば生まれなかった問題です。政府もこうした事情を踏まえて空き家に対する固定資産税を大幅にあげることを可能にする「空き家対策特措法」を制定しました。
こうした事情を考えると、地域経済のためにも、また増税を控えて家計的にも「空き家を放置する」ということは決しておすすめできません。当座は安い賃料でなんとか借主を呼び込む方法を探すことをおすすめします。
もしこのまま借主が見つからなさそうならば、最近では各地で「地域おこし協力隊」などが大家が協力的な空き家を安価でリノベーションして移住を呼び込むような取り組みを進めていますので、こうした人たちに相談してみるのもひとつの解決策になるかもしれません。他にも現在『Airbnb』などを活用して田舎の空き家をホテル化するベンチャーなども誕生しているので、こうした会社に相談してみるのもいいかもしれません。
いずれにしろ、私から言えることは「空き家を放置することは長期的には自分にとっても地域にとっても何もいいことがない」ということです。周りに迷惑をかけて地価を落とすくらいなら建て壊すことを強くおすすめします。