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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.59 高齢ドライバーによる事故が多発しています。高齢者は免許返納すべきか否か?宇佐美さんはどう思いますか?(はくべぇ・会社員)

年末年始にかけて、やはり…というか、高齢ドライバーによる事故が多発しました。高齢者に対して免許返納を促す自治体も増えてきていますが、やはりこの流れは仕方ないですかね…。高齢者は免許返納すべきか否か?いずれの答えにせよ、その具体的な理由も聞きたいです。

高齢者の免許返納問題は「イノベーション・エコシステム」に則って考えるべき問題

端的に答えますと、完全な高齢者の免許返納は不可能、と考えています。

なぜなら、仮に高齢者の免許返納を義務付けたとしても、特に地方の単身高齢者は車なしでは暮らせない人がほとんどなので、自ら応じようとする人は限定的でしょうし、それを強制的にとりあげても無免許運転が増えるだけです。

そのためこの問題は「イチかゼロか」の二択で解決する問題ではなく、自動運転などのイノベーションと並行して制度を創設し、解決していく問題だと思います。例えば携帯電話に「らくらくスマホ」といった高齢者向けの携帯があるように、自動車業界でも最近では運転アシスト機能が豊富についた高齢者向け自動車が開発されています。

このような民間における開発動向を政府が規制緩和や行政指導や補助金などで後押しして、ある程度技術水準が確立されてきた段階で、運転できる自動車を限定した「高齢者向け運転免許証」という新規の分類を作って、通常の運転免許証からの移行を促すなどの方策が考えられます。

このように、政策に民間におけるイノベーションを織り込んで総合的に考えるアプローチを「イノベーション・エコシステム」などと呼びますが、これにより問題解決のみならず新技術の導入が促され、新市場の開拓もできると一挙両得です。

ただ政府と民間の協働が必要となるので大変難しいのですが…というわけで結論を申しますと、高齢者の免許返納問題は「イチかゼロか」ではなく、まさにこの「イノベーション・エコシステム」に則って考えるべき問題だと思います。