Q.47 官僚の皆さんはもっと現場に足を運んで、介護職員がどれほど過酷な現場で仕事をしているのかを知るべきだとは思いませんか?(ゆきえ・介護職員)
官僚が研修として介護現場で研修的なことをするという話は、以前に「賢人論。」で宇佐美さんが語っているのを見てわかりました。でも、それでは足りないと思います。官僚の皆さんはもっと現場に足を運んで、介護職員がどれほど過酷な現場で仕事をしているのかを知るべきで、その上で政策を考えるべきだと思いますが、その点について宇佐美さんはどう考えますか?
まったくそうは思いませんし、官僚が介護現場を知ったところで介護報酬が増えるわけでもありません
結論から言うと、まったく同意できません。
そもそもなぜ「官僚の皆さんはもっと現場に足を運んで、介護職員がどれほど過酷な現場で仕事をしているのかを知るべき」なのでしょうか?
官僚が現場に足を運ぶ回数を増やしたところで、政府の予算に余裕がないのは変わらないので介護報酬が増えるわけでもありませんし、むしろ本業がおろそかになって、制度が悪化する可能性すらあります。現実を見ましょう。
介護の現場が過酷なのは間違い無いと思いますし、そのような中でも日々汗水垂らして働いている皆様の勤勉さには本当に頭が下がりますが、ただ皆様は好きで介護という職業を選び、そして続けているのですから、その大変さを官僚という他人に強制するような権利はありません。もし介護の仕事が嫌ならば転職すれば良いだけの話です。
それでももし、あなたが過酷な労働環境を改善する政策を政府に実行させたいというのなら、官僚という他人にお任せにせず、自分で具体的な政策を考えてそれを粘り強くブログなどに書きのこして主張して広めていくべきです。意外かもしれませんが、官僚は結構、所管する業界に関係するネット情報を広く眺めて政策形成の参考にしています。
例えば1年間丁寧に介護の現場の問題とその解決策を考え続ける質の高いブログをあなたが書き続けたら、それはいつしか有名メディアに取り上げられるようになり、そのうち官僚の目に届くことになるでしょう。そして知らぬ間に政策に反映されるようなこともあるかもしれません。そんなわけで自分を囲む環境は、人のせい、人の任せにせず、ますは自分のできることからやりましょう。