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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.26 参議院選挙もそう、都知事選もそう、どうして社会保障問題は選挙の争点にならないのでしょう?(イレブンセブン・介護職員)

介護職員です。前回の介護報酬改定で大幅な引き下げにあってヒイヒイ言っているわけですが、次回の改定も厳しくなりそうです。今回の参議院選挙で介護保険の、社会保障の問題に取り組んでくれる人がいれば…と思って期待したんですが、そんな候補もおらず、結局、なんの期待感もないまま終わってしまいました。どうして選挙で社会保障問題を取り上げる人が現れないのでしょうか?残念でなりません。

社会保障問題を選挙で取り上げても票につながらないからです

一言で言えば「与野党共に票にならない」からです。

このコラムでも繰り返し述べていますが、日本の社会保障制度は事実上破綻しており、政府ですら将来的な社会保障財政立て直しの道筋をもはや示せていない状況です。なので抜本的な立て直しが必要な状況なのですが、実際に社会保障制度が破綻するのは早くても5年後、遅ければ15年後くらいです。別の言い方をすれば、政府の信頼が失われて国債の新規発行が困難になる(=財政破綻)タイミングです。

ただ、多くの国民にとってはそんな先のことは実感がないので、たとえ政治家が社会保障予算の縮減の必要性について選挙で訴えたとしてもピンとこず「へ~、そうなんだ。なんかヤバイね。でもそんな先のことより、今の私たちの生活が大変なんだから何とかしてよ」という反応をされて逆ギレされてしまうのがオチです。

また野党も、民主党時代に政権を取ってもほとんど社会保障制度改革が進まず、逆に状況を悪化させたという過去があり、社会保障制度を論点に選挙に戦っても、ブーメランになって逆に与党に攻め込まれてしまうという負い目があります。

そうなると、下手に社会保障問題に触れて「高齢者の票を失う」よりも、「与野党ともに先送りして争点しない」ということが政党として合理的な選択になります。こうして日本の社会保障制度は刻一刻と崩壊に向けて歩んでいます。