Q.22 官僚を辞めた人たちの“末路”について教えてください(1年生・自営業)
前回の質問で、官僚と天下りの関係性について、よくわかりました。では、天下りを選択せずに辞めた…つまり宇佐美さんのような人の転身先というか、末路はどのようなものなのでしょうか?それでもやっぱり、食い扶持にはまったく困らない、優雅な生活をイメージしてしまいますが。
高齢になって官僚を辞める人は、「官庁ポルノ芸人」になりやすいかもしれません
私を含めて、基本的に中途で役所を止める官僚というのは、その省において出世レースを勝ち抜く見込みが薄い「二流」 の官僚です。本当に将来を嘱望されている職員ならば、省内において非常に重要な仕事を任せられ、そのやり甲斐や周囲の期待から退職することが困難です。仮に本人が辞めようとしても、組織として強く引き止めます。
そのため、多くの元官僚は二流の人材なわけですが、それを自ら認めることが困難で「なぜ俺を評価してくれなかったのか!」と組織に対して未練がましい感情を持つことになります。そしてそんな自分を正当化するために「組織の方がおかしいから、俺が評価されなかったのだ」という論法を作り上げます。
あくまで私の主観ですが、例えば経産省における古賀茂明氏などがそういった類の元官僚でしょうか。彼らは在職中から組織に無茶な要求をし、それが組織に拒否されたことを利用して自らを「正義の元官僚」としてブランディングしてメディアに出演し、ありもしない「政治の裏側」や「政治家の陰謀」をでっち上げてそれにまつわる出版や講演やTV出演を退職後の食い扶持としている人もいます。
得てしてこのようないわゆる「官庁ポルノ芸人」の方々は高齢にして官庁を退職するわけでして、人生のやり直しというのがききません。そのためメディアのニーズに合わせて官庁を批判することを生業とせざるをえない立場に追い込まれることも。
官僚というのは金稼ぎが下手ですからね。私の場合は幸いにして若くして官庁を退職したので、第二の社会人人生を歩むことができました。なので別に無理をして役所の悪口を言わなくても、何とか生きていくことができています。もしかして私もあと5年官庁をやめるのが遅ければ、官庁ポルノ芸人になっていたかもしれません。