Q.194 僕は官僚を目指しているのですが、激務・薄給だけれどやりがいは大きいというイメージは正しいのでしょうか?(フィドル・学生)
官僚を志す一方で、収入の低さや激務であることなどを聞くと迷うことがあります。しかし、国家の政策を左右するという大きなプロジェクトができるキャリア官僚への憧れが捨てられません。
お金は後からでも稼ぐことができますから、今は志を大切に
大前提として、君(と呼ばせていただきます)の人生の進路は君自身が決めることなのだけれど、私自身の意見としては、君は一度官僚になった方が良い、と思います。
私が36年間の乏しい人生経験の中で学んできた教訓を一つだけ挙げると人生で最も忌むべきものは「~をやっておけば良かった」という後悔です。なぜならその種の「後悔」は一生取り返しがつかないからです。
何かにチャレンジした結果、失敗して人に迷惑をかけたり、自身が結果に満足がいかなかったりという類のポジティブな行動の結果としての「後悔」は、後からの人間関係の修復や自らの行動を変えることで埋め合わせができます。一方、過去の自分の行動は変えることができません。
なので、私としては常々生きる上で「そのときにしかできないことをきちんとやっておく」ということを最も重視しているのですが、このような考え方は誰にでもあてはまる普遍性を持っていると感じています。
仮に君が今、損得勘定のみで官僚を目指す道を諦めてしまうと、君はこれからの長い人生でキャリア形成に迷うたびに「あのとき官僚になっておけば良かった」という後悔を抱えることになります。そしてその後悔はおそらく一生埋め合わせることができません。キャリアの途中から官僚になる道は極めて狭いですからね。
だから私は君に「とりあえず2~3年官僚として働いてみる」くらいの気持ちで官僚を目指すことを強くお勧めします。20代のうちであればいつでも転職して高収入を目指す道に転換することができます。つまりお金は後からでも稼ぐことができますから、今は志を大切にしてください。
ちなみに私自身は、経済産業省で官僚として働いた日々を後悔したことは一度もありません。