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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.193 高齢者人材の需要が高まっているんですが、単純に”安く利用”できるからなんでしょうか?(どろだんご・会社員)

体力が落ちている高齢者が人気ということは、そのコスト面が重宝されているという印象があります。長く生きている分だけスキルの幅が広いのは確かだと思いますが、先があまり長くないのにあえて高給でそのポテンシャルを買うという選択は考えにくいと思ったので、質問させてもらいました。

若年者層がアルバイトや社員として働いていた領域で、高齢者層の働く機会が増える

おっしゃる通り、高齢者人材の需要の高まりは「安くて確保しやすい労働力」という側面が大きいかと思います。

現在、労働市場は空前の人手不足で、若年層を確保することはなかなか困難な状況になっています。例えば、東京都の有効求人倍率(2017年12月の24歳以下)は3.51にまで上昇しています。

他方で55歳以上となると、まだ有効求人倍率は0.76で、2016年1月時点の0.36からは大きく上昇したものの、まだまだ人が余っている状況です。また、健康寿命が延びたことで肉体労働をこなせる高齢者の比率も高まっており、年齢あたりの人口が若年層より多いという特徴もあります。

そのため、従来からある程度、高齢者を戦力として見なしてきた接客サービス業、警備員、建築業など一定の肉体労働を伴う業種では、人材不足への対応策として高齢者の活用をさらに積極化させているという事情があります。

ただ、いかに元気な高齢者といえども、若者同様に働くことは難しいため、これらの業種では高齢者の活用を想定した業務分担の見直しなども進められています。

これは私たちの生活レベルでも実感できることで、私もコンビニやチェーン店、ビルや工事現場で高齢の方を見る機会が増えたように思います。

こうした傾向は長期的に続くとみられ、今後とも従来若年者層がアルバイトや社員として現場で働いていた領域で、高齢者層が働く機会が増えてくることになるでしょう。

無理さえしなければ、働いている方が健康の維持に効果的という実証研究もあるようですから、こうした社会の変化は高齢者にとっても悪いことではなく、雇う側の企業とwin-winの関係が築けていると言えるのではないでしょうか。