Q.169 官僚になると、肩たたき(退職勧奨)は年齢を基準にして始まるのですか?(なむら・会社員)
官僚になるのが遅れると、役所で働ける期間も短くなるのですか?現在の役所は、入省するのが遅れると出世のスピードは新卒組とそんなに変わらないかもしれないですが、肩叩きが始まるのも新卒組と同じ40歳前後なのか、Up or Outの競争は年齢を基準に始まるのか、この辺り、教えていただけますと幸いです。
官僚の肩たたきは年齢を基準にしていないが、「どこまで出世するか」問題はある
この点に関しては確かな統計データを持っているわけではないので、私の経験論から話したいと思います。
私のキャリアの同期入省組には①新卒組、②大学院卒組、③卒業後寄り道組(院卒ではない年上)がいました。このうち、①新卒組と②大学院卒組は入省当時から扱いがある程度違いました。
率直に言うと、院卒組の方が若干ですが初任給から高かったですし、また個人的印象になりますが、昇進ペースも若干ですが院卒組の方が早かったように思えます。
これは大学院での経験がキャリアとして評価、カウントされているということなのかもしれません。他方で、①新卒組と③卒業後寄り道組では扱いに差はありませんでした。初任給も一緒でしたし、当初の出世ペースも同じでした。
このように人事上、年齢のみを基準にして入省から数年の扱いが変わるということはありませんでした。
では勧奨退職、いわゆる肩たたきの方はどうなのかというと、一般にキャリアの肩たたきが始まるのはポスト数が限られてくる課長級以上のことです。年齢で区切られているわけではありません。
その意味では、質問者様のご質問には明確に「NO」と答えられます。他方で、出世ペースに①新卒組と②院卒組の間に違いがある以上、院卒で入省した場合、もしかして平均で1~2年程度省庁への在籍期間が短くなるのかもしれません。
そのあたりは「本人がどこまで出世するか」という問題も関わってきますし、明確な統計データもないので正確な答えはわかりません。
いずれにしろ、多少入省年齢が遅れたところで大きなデメリットはないというのが私の経験論から言えることです。