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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.157 世の中ではデータベース構築など、生産性向上が叫ばれています。この流れは介護についても同様でしょうか?(ぬりたて・介護職員)

生産性向上=データの活用みたいな図式あるようです。医療の分野だとまだ数字的な目標も立てやすいのかなと思うのですが、介護だとそういったやり方との相性が悪いのかなと思います。

介護関係で上場している会社の経営資料には、もれなく「生産性向上」の文字が踊っています

間違いなく来ると思います。というか、もう目前に来ています。

その最大の要因は人手不足です。介護業界には人手不足の結果、現場の労働力不足に加え、賃金上昇という二重の経営への圧力が押し寄せて来ています。

今後、介護報酬が劇的に上がるという見込みはまったくありませんから、短期的にはやりくりや現場の踏ん張りで持ちこたえられたとしても、中長期的には生産性の向上でムダ・ムラ・ムリなく一人当たりが担当できる業務の範囲を増やして問題を解決していくしかありません。実際、介護関係で上場している会社の経営資料には、もれなく「生産性向上」の文字が踊っています。

政府においても「経済財政運営と改革の基本方針2017」の中で「介護人材の確保に向けて、これまでの介護人材の処遇改善等に加え、多様な人材の確保と人材育成、生産性向上を通じた労働負担の軽減、さらには安心・快適に働ける環境の整備を推進するなど総合的に取り組む。」という内容を盛り込み、2018年度の予算では各種の取り組みが予算計上されました。

確かに、人を対象とする介護サービスに対して無理に生産性という概念をそのまま適用すると、サービスの内容がおろそかになって大きな副作用が出てしまう可能性があります。そのため政府においては、そうした観点を加味して介護に関する生産性指標の検討や、生産性向上のベストプラクティスの取りまとめ、介護ロボットの開発などを進めています。今は調査・研究の段階ですが、そのうちこうした活動が予算要求の査定にも反映されていくことになるでしょう。

皆さんご存知の通り、介護業界の手綱を握るのは結局のところ厚生労働省であり、財務省であるので、こうした政府の方針は否が応でも皆さんの日々の仕事に影響を与えていくことになります。

このように、政府も企業も人手不足を背景に「生産性向上」という目標に一丸となっているのが実情です。皆さんとしても、こうした環境を災難と思うのではなく、新しい取り組みを始めていくチャンスと捉えれば、見えてくる世界が変わるのかもしれません。