Q.153 成人式の晴れ着トラブルについて、税金を使った救済は無駄遣いだと思いませんか?(かいじゅう・会社員)
今、業者のトラブルで成人式に晴れ着姿で出席することができなかった騒動について、被害者への救済方法が議論されているようです。こういった場合、税金を使って救済するというのは税金の無駄遣いという気がしないでもないのですが…。
消費者問題的には、それほど目くじらをたてなくても良いのでは
今回の被害者救済策はあくまで情報発信や二次被害防止のために相談窓口を一元化するという程度ものであり、ほとんどは既存リソースを活用した対策なのでご指摘は当たらないと思います。
今回のようなトラブルを含めて、消費者行政においては「消費者の情報不足を補う取り組み」というものが非常に重視されます。 普通の人は法律があーだこーだという難しいことはわかりませんからね。弁護士に相談するのもお金がかかりますし。
それにこうしたトラブルが起きると問題になるのがいわゆる「二重被害」でして、悪徳業者が騙された消費者に対して不十分な知識の穴をついて「私が業者と交渉して問題を解決してあげる」とうそぶき、二重に騙し取るということが起きます。
こうした二次被害が生じるのを防止するために、行政が相談窓口を一元化する程度の対応を取るのはそれほどおかしなことではないですし、むしろ何もしないと「無為無策」と非難されかねません。
また、繰り返しになりますが、基本的に相談業務というのは追加的なコストがかかるものではありませんから、ほとんど追加的な税負担は発生しません。せいぜい研修やコールセンターの手配にかかる人件費といったところです。それで二次被害が防げるのならば、それくらいは目をつぶっても良いでしょう。
消費者問題については、いつ自分や親族や友人などが被害になるかわかりませんし、「自己責任」と割り切って問題を放置すると悪徳業者がはびこることになります。
こうした消費者問題の性質を考えると、今回の事態へ対応するための多少のコストも、ひいては自分の身の回りを守ることになっていると考えることもできますし、それほど目くじらをたてなくても良いのではないでしょうか。