Q.134 子ども医療費が実質無料の地域とそうでない地域、そのギャップについて改善策はありますか?(とろろサーモン・会社員)
子ども医療費は実質無料の地域がある一方で、そうではない地域があることもまた事実です。全国的にこのようなギャップは大きいと感じていますが、改善の手立てというものは考えられるのでしょうか?
ありません。政策そのものを考え直す頃合いだと思います
ギャップについての改善策はありません。また、そもそも画一的に子どもの医療費を補助することが本当に良い政策なのかどうか、そろそろ考え直す頃合いだと思います。
子どもの医療費補助は2000年代に入り急速に各自治体で強化されて来た経緯があり、それまでは未就学児中心であった補助が、小学生、中学生と対象範囲を広げる自治体が増えて来ています。
この背景には、我が国が少子高齢化・人口減少時代に入り、自治体間の家族世帯の誘致競争活発化していることが挙げられます。「うちの自治体は子どもの医療費がかかりませんから是非引っ越して来てくださいor住み続けてください」というところでしょうか。これは耳に優しく、一聞すると良い政策に聞こえるのですが、よくよく考えると「必要な人に必要な量と質の支援」という範囲を大いに逸脱した政策になっています。
例えば全ての子どもの医療費を無料にしている自治体では、所得が十分に高く、支援が本来必要のない世帯も恩恵を受けることになってしまいますし、また、医療費が無料になることによって、必要以上に病院に通うことになり医療の過剰消費をもたらしてしまう可能性もあります。
そのため、このような幅広い家庭に対して特定のサービスを無料にする政策よりも、貧困世帯に限定して現金やサービスを給付するような政策の方が「税金の効率的な利用」という意味では好ましい側面もあります。
もちろん各自治体にはそれぞれ考えがあり、子どもの医療費補助を一概に否定するものではありませんが、我が国おいては国に限らず地方自治体の財政も苦しい地域が大半です。本当に有効な税金の使い方はどのようなものなのか、それぞれの地域の実情に応じて改めて考え直す頃合いだと思います。
なお、私は一律的な子どもの医療費無料化が良い政策とは思っていません。