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宇佐美典也の質問箱

質問 Q.120 介護職をしていると、サービス残業はつきものなのでしょうか?こういう状況を作り出しているのは、やはり「介護報酬引き下げ」の影響もあると思いますか?(モラン・介護職)

介護職をしていると、サービス残業はつきもの…と考えるべきなのでしょうか。会社では、サービス残業をして当たり前という空気で、定時で帰ることが悪いことかのような雰囲気です。もう、嫌なら転職するしかないのでしょうか?こういう状況を作り出しているのは、会社だけの問題ではなく、やはり「介護報酬引き下げ」の影響もあると思いますか?

あなたの会社が労働基準法を守らないのは単純にあなたの会社の問題、もっと言えばあなたの責任

なんでも介護報酬引き下げのせいにするのはよくありません。あなたの会社が労働基準法を守らないのは単純にあなたの会社の問題ですし、もっと言えばあなたの責任です。

前にも申しましたが、介護業界は極端に労働組合の加入率が低く、200万人以上の介護職従事者がいるにもかかわらず、業界最大手の組合、日本介護クラフトユニオンに加入しているのは6.5万人程度です。厚生労働省の発表によれば医療・福祉業界全体として労働組合の組織率は6.2%とされていますが、おそらく介護業界は5%に満たないのではないかと思います。

さてでは他の業種はということでいくつか例をあげますと、

  • 建設業:20.3%
  • 製造業:26.7%
  • 情報通信業:19.2%
  • 運輸・郵便業:26.7%
  • 卸売・小売業:14.2%
  • 金融・保険業:44.3%
  • 宿泊・飲食サービス業:7.4%

という具合です。

このように介護業界は全業種の中で有数に労働組合の組織率が低い業界です。こういう状態では経営者・管理職はストライキを恐れる必要がないので何をしても怖いものはなく、サービス残業など労働強化したい放題でしょう。

質問者様にとっては転職を検討することも一つの選択肢だとは思いますが、まずは周りからたとえ白く見られようが労働組合に入って「自らの権利を自ら勝ち取る」という姿勢を見せることがやるべきことかと思います。

そして、サービス残業などを度々強いられようならば、労働組合と相談してその存在・力を管理職にちらつかせる、そういう日々の戦いが重要になるのだと思います。そうした活動が周りに少しずつでも広がれば、職場、ひいては業界全体の労働環境が向上していくのではないでしょうか。

法律はあなたの味方なのですから、自分の権利は自分で守る努力をしましょう。