Q.112 彼氏が某省庁の職員でキャリアなのですが、ほぼ毎日、午前様です。省庁では毎日午前様の働き方が当たり前なのでしょうか?こういう体質は変わらないのでしょうか?(モトコ・会社員)
毎日午前様…どころか、終電が終わってからタクシーで帰宅して、2~3時間仮眠してまた出勤…という生活を送っています。彼氏の体のことが心配で…という一方で、「お前らがそんな働き方を強いてるのに、働き方改革とかプレミアムフライデーとか言ってんじゃねーよ!」とも思ってしまいます。キャリアの人の働き方というのは、毎日午前様が当たり前なのでしょうか?こういう体質は変わらないのでしょうか?
「国家公務員が国民のために徹夜するのは当たり前だ」なんて言う国会議員もいるくらいですから…(汗)
懐かしい話ですね。私もそういう時期がありました。結論から言えばキャリア官僚のそういう働き方は根本的には変わらないと思います。理由に関しては一つに絞るのはなかなか難しいですが、一言で言えば「長時間労働が文化として定着しているから」といったところでしょうか。
例えば、国会対応業務などについてはそもそも政治家が早めに国会質問を提出してくれないと答弁を書く立場である官僚は当然早く帰れないのですが、野党議員にそのつもりが全くありません。これは半ば野党議員の意識の問題で、官庁側にはどうしようもできないわけですが、高齢の野党議員なんかは「国家公務員が国民のために徹夜するのは当たり前だ」などということを平気で言う人も結構います。
他方で組織内部の都合を言うと、日本では政治における行政官僚の役割というのが他の国に比して大きく、法案作成にあたって条文作成、違憲性確認、政界工作など業務が多岐にわたるので、そもそも業務が過大になっているように感じます。
私自身の意見としては、このような行政官僚に権限が集中している状況はガバナンスの観点から好ましくないと感じており、憲法改正も含め、行政、国会、司法の役割分担を見直していく必要があると思っていますが、同じような意見を持っている人は少ないと思います。政治家や裁判官はある種官僚に仕事を押し付けて楽をしている、という見方もできますからね。
そんなわけで全体として官僚の過剰労働体質は変わらないとは思いますが、質問者さまへの救いとしては、官庁の側も職員の健康のことを多少は考えていて、数年に一度暇な部署に配属されることもあるので「官僚もいつもいつも忙しいというわけではない」ということは覚えておいてくだい。