「デイサービス ラスベガス」にお邪魔します。
駐車場には「黒塗り」のワンボックスが並んでいますが、こちらのデイサービスと関係あるのでしょうか……。
エントランスも高揚感がありますね。
施設内で繰り広げられるのは、麻雀やカードゲームによる真剣勝負……ここは「デイサービス ラスベガス」。ご利用者が楽しく、ときに“熱く”リハビリに取り組むことができるデイサービスです。 「これまでになかった」スタイルで業界内外から注目を集め、「ゲーム感覚で機能訓練できるのはすごい」という称賛の声もあれば、「高齢者が“税金”で遊んでいるのでは?」という批判もあるそう。 “雀荘”でのアルバイト経験を持つ漫画家くらたまが「デイサービス ラスベガス」を体験!「デイサービス ラスベガス」の運営会社の森代表取締役社長にお話を伺いました。
「通いたくない原因」をなくすことで生まれたデイサービス。2013年に1号店がOPENし、現在は全国に22店舗を運営。「デイサービスに行くのなら楽しく通いたい」と願うご利用者から熱い支持を得るとともに、介護業界に一石を投じた存在として注目を集めています。
「デイサービス ラスベガス」にお邪魔します。
駐車場には「黒塗り」のワンボックスが並んでいますが、こちらのデイサービスと関係あるのでしょうか……。
エントランスも高揚感がありますね。
おはようございます! 本日は、よろしくお願いいたします。
倉田さん、おはようございます。
日本シニアライフ株式会社代表取締役の森です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
雀卓にパチンコ台!一見したらデイサービスだとは思えないですね。
麻雀やパチンコ、カードゲームやカラオケのほか、リクライニングチェアで映画やテレビを楽しんでいただくこともできます。
どのゲームに参加するかは、どのように決めているんですか?
ご利用者のご希望をそれぞれ伺っています。倉田さんは何がお好きですか?
実は雀荘でのアルバイト経験がありますので、麻雀を!
かしこまりました。ご利用者との麻雀を体験してください。“強者”もいらっしゃいますので。
ゲームを始める前に、まずは朝の体操「ベガストレッチ」から1日が始まります。
この「ベガストレッチ」を行っていただいた方に「10000ベガス」をお渡ししています。「ベガス」は「デイサービス ラスベガス」専用の通貨であり、楽しんでいただくための仕組みのひとつでもあります。例えば、麻雀に参加するためには「3000ベガスを支払う」といったような形です。
それでは、当施設の機能訓練「ベガストレッチ」を行ってください。
……ちょっときつかったんですが、リズムに乗って身体を動かすのって気持ちがいい!
おつかれさまでした。「10000ベガス」をお渡しします。こちらで麻雀にご参加ください。
ありがとうございます。麻雀で勝つためのいい準備運動になりました(笑)。「密度の高い」運動でしたが、オープン当時から体操には力を入れていたのですか?
いえ、最初は1分半くらいのものでした。
短いですね。
名古屋市でオープンした際、市役所の方から「機能訓練の時間を増やせないですか?」というお声をいただいたんです。家から出なかった要介護者の方が出歩くようになっただけでも私たちは「すごい」ことだと感じていましたが(笑)
「要介護者が家から出たなら機能訓練をしましょう」と。いきなりハードルが高いですよね。体操をしたくない方だっていますから。
たしかに。それこそ「テキトウ」にやるようだったら意味がないですし。
試行錯誤の結果、1回1分半の体操をなんとか10分間にしました。アスレチックトレーナーの谷口先生にも監修して頂き、様々なご利用者の方にとって最適な負荷がかかるような体操を考案しました。
この体操の他に、1時間に1回のペースで5分ほどの部分体操を入れています。1時間ゲームをしたら、ご利用者も背筋ぐらい伸ばしたくなると思いますので。
ずっと同じ姿勢ですから。
体操をしているこの時間を総計すると35分~40分ぐらいの時間になります。これは全国のデイサービスの平均時間である「約33.9分」よりも長いです。「女性に大人気の某フィットネスクラブは30分のメニューです。それよりも長く身体を動かしていますよ(笑)」なんて言っています。
説得力がある(笑)。
体操が終われば、みなさん、参加されるゲームの場所にスタンバイされます。それでは、倉田さんもどうぞ。
ちょっと緊張しますが……わくわくしてきました!
みなさん、よろしくお願いいたします。
私も本日は人数の都合上、麻雀をしてまいります。
みなさんお強いですね!
私も負けられません!
倉田さん、そろそろ一時間たちますので、体操をしましょう。
え! 勝負に夢中でした。たしかにこうして区切ってもらえるといいかも。
そうですね。1時間もなにかに集中したら伸びをしたり、身体を動かしたくなりますよね。
たしかに!頭も体もいい運動になりました!
森さん、「デイサービス ラスベガス」についてもっとお話を伺えますか。
麻雀ができる方がこれだけ集まるのも珍しいのではないでしょうか。ぱっと見渡しても男性のご利用者が多いですよね。
全店舗の平均男女比は、男性が73%です。以前は「今日は100%男性だね」という日もありました。
へえ。「デイサービス」としては珍しい割合ですよね。
そうですね。「ラスベガス」を立ち上げるまでは、私は別のデイサービスで働いていましたが、8~9割は女性のご利用者でした。
男性が少ないのはなぜだと思いますか。
「行きたくない」と感じる要素がいくつもあるからだと思います。例えば、レクリエーションの内容もそうです。機能訓練のために「やりたくないこと」を仕方なくやっている感覚の方が多いと思うんです。
“従来型”のデイサービスで、ご利用者の男性と目が合ったら「何を見ているんだ!」と怒られたので、すぐ謝りに行ったところ「行きたくないところに来ているのに、オレを晒し物にするな」と言われてしまいました。
デイサービスの内装も病院を思わせる雰囲気だったので、「病人と一緒の扱いをするんじゃない!」と怒られたこともありました。
ご本人にしか分からないお悩みもありますから。
ご家族に迷惑をかけたくないと思いつつも、他人の手を借りざるを得ないことに葛藤されている方も多いはずです。
風船バレーや折り紙、従来のレクリエーションに“馴染めない”方ってたくさんいらっしゃるのかも。「受け皿」としても、ラスベガスのようなデイサービスは必要だと感じました。
実際、6カ所のデイサービスに行ったけど合わなかった方が通われていますよ。
それはすごい!パチンコホールを運営するマルハンさんと組まれたことも、ニュースになっていましたよね。
マルハンさんは、加盟店さんなんです。
加盟店ということは、運営方針はここと同じにしてらっしゃる?
ええ。すべての加盟店さんに、うちのやり方で運営してもらっています。なぜなら、それぞれの加盟店さんが独自の方法を取り入れると、どんどん「ラスベガス」とは“似て非なるもの”になる可能性がありますから。
なるほど。加盟店さんとしては、独自の色を入れたくなるような気がしますが。
「ラスベガスらしさ」は遵守していただいています。
ラスベガスに希望と期待を持って来られるご利用者の思いをくじいちゃいけないと思っています。「あそこだったら何とかなるんじゃないか?」と思って来てくださっている方がたくさんいらっしゃるので。
そもそもどうしてこのような形のデイサービスをつくろうと思ったんですか?
先ほども申しましたが、以前は別のデイサービスで働いていました。そこで受けたいろいろな「クレーム」をもとに、「通いたくない原因」をあげていったんです。それらを全部なくしていったところ、このような形に。
通いたくない原因?
例えば、送迎。デイサービスというと、“いかにも”な白い送迎車両でお迎えにいきますよね。一度、ご利用者から激怒されたことがあって。「オレがデイサービスに通ってるのが周囲にバレるだろう」と。「いや、そんな大きい声出したほうがバレますから」って心で思いながらも謝って、どうにか乗ってもらったことも。
それで、次の週からは、少し離れたところにバンを止めて、お迎えに行ったんです。すると、車に乗っていただくまで7分くらいかかる。今度は、助手席で待っていたご利用者に怒鳴られました。「『何時間』待たせるんだ!」って。
あちらをたてればこちらが……。
そうなんです。だから、当時の上司に相談したんですが「介護の常識だから仕方ないよ」と言われてしまいました。「ほんとうに仕方がないのか」と自問しつつ、ヒントを求めてアメリカを視察しました。
アメリカ?
はい。「介護のモデルは北欧」と言われていますが、北欧は税金がすごく高い。当時、日本は消費税5%でしたが、スウェーデンやデンマークは25%だったんです。
消費税が上がるたびに総理大臣が変わる日本としては、仮に消費税を25%まで持っていくとしたら、「総理大臣があと5、6人いるのか」なんて冗談交じりに考えていました。
(笑)。
「逆に介護保険という制度がないアメリカはどうしてるのかな」と気になったんです。 ちょうど、当時のオバマ大統領が『オバマケア』を提唱していた時期に視察と称して平日の昼間にカジノにも行ったんです。
……ひとしきり負けて、がっくりしてフロアを見渡すと、周りは高齢者ばっかり! 杖をついている方や車いすの方もいらっしゃいましたが、「イエース!」「オーケー!」なんて言いながら皆さんが思い思いに盛り上がってらっしゃったんです。しかも、それが“嗜み”のような感じでまたオシャレで。
日本でギャンブルができる場所って、積極的に表に出しちゃいけない雰囲気がありますよね。独特な“匂い”がするし、女性も少ない。
でも、私が見た光景は全然そんな感じじゃなかった。それで「これだ!」と思ったんです。
カジノで負けた甲斐があった(笑)。
ええ(笑)。それに、アメリカの高齢者は、どう生きるかを自分で決めていらっしゃる方が多いと感じました。一方、日本の高齢者は、受ける介護の内容を自分では選べない。デイサービスは4万事業所ほどあるのに、レクリエーションの内容は、ほぼ同じですよね。
このときの体験をもとに「高齢者が楽しく通えて、『自分で選ぶ』デイサービスをつくろう」と。そうして、2013年に1号店をOPENしたんです。
1号店ができたときの周囲の反応はどうでした?
同業者の方からは思いのほか好評でしたよ。社内から反対も受けたので、正直、怒られるかなと思っていたんですが……。先日の千葉での内覧会にも、ケアマネジャーさんが100人ぐらい来てくださって、ありがたかったです。それに麻雀を打てるデイサービスって少ないし、あったとしても打てるメンツが揃ってない。だから珍しがられますね。
たしかに! 麻雀卓があるのと、「打てる」とでは全く違いますよね。ちなみに……雀荘でのアルバイト経験からも分かるのですが、麻雀はメンツが大事ですよね。どうやってメンツを組むんですか?
ご利用者の性格や麻雀の実力等を考えながら組んでいきます。
怒りっぽい方もいらっしゃいますからね。
そうですね、ただ、悪いことばかりでないと思います。熱くなって感情を出されることは、いいことだと思うんです。それだけ夢中になっていらっしゃるということですから。
うん。年齢に関係がないことですよね。
はい。ただ、そうは言っても「あいつがいるから行かない」となってしまうと本末転倒です。だから、メンツの組み方やスタッフの配置は、よく考えています。
“メンツ”は大事。
そうですね。また「新しい方と打ちたい」というご希望もあるので、そのあたりはよく考えています。それから、うちに来て麻雀を覚えられた方も多いんですよ。83歳で「麻雀をやってみたい」という方も。
すごいなあ。デイサービスで新しい趣味が見つかるっていいですね。
そういえば、ゲームに必要になる“ベガス”って、換金性があるわけじゃないですよね。
絶対ないです。それだけでなく、お食事やお飲み物、サービスにも代えられないようにしています。でも、たまにご利用者から小声で聞かれるんです。「円がダメなら、ドルでもユーロでも」って。「いやいや、換金できませんから」って言っています。
(笑)。たくさん貯まると、そう言いたくなる気持ちは分かります。でも、換金できなくても「ベガスを集める楽しさ」みたいなのがあるんじゃないですか?
そうですね。毎日、1番多くベガスを獲得した人を部門ごとに表彰しているんです。お写真を撮って賞状も渡します。それから、年間通しての上位表彰者も。そのお写真はすべての拠点に張っていますよ。
通って楽しめるそんな仕組みが。
フォーブスみたいに「VegasRich10(ベガスリッチ10)」にして、やってみたんです。すると、意外とみなさんの動機付けになったようで……。
燃えそう!麻雀ができるだけでも楽しいけど、工夫次第でさらに盛り上がるものですね。
「どう盛り上げるか」は大きいですね。風船バレーやペットボトルボーリングでも、スタッフが上手に盛り上げると、すごく面白くなった経験があります。ラスベガスではやっていませんが(笑)
他にはどんな企画をやってらっしゃるんですか?
ミッションをクリアするごとに各都道府県の記念紙幣がもらえる仕組みをつくっています。もちろん、換金はできないですが……。
ちなみに、企画も森さんが?
そうです。スタッフさんだと企画を考える時間が送迎後の時間外労働になったり、サービス時間中に考えるとご利用者と向き合う時間がなくなったりしますので、スタッフさんからは企画のアイデアやヒントをもらって、それを基に私が考えています。
なるほど。
私が幼い頃、祖父が記念コインを集めていて、手に入れたものを誇らしげにみせてくれました。「記念紙幣集め」は、そこからヒントを得ました。
記念紙幣を集めるとベガスリッチ10にも入賞しやすくなります。麻雀だけだと何千万ももらえないですが、記念紙幣を全部集めると3000万ベガスくらいになる。
うまく連携させていらっしゃるんですね。
それから、真夏と真冬に麻雀の全国大会をしています。高齢になると暑さや寒さで気力がなくなり、体調がわるくなるケースが結構あります。だから「全国大会」という目標を持つことで、夏や冬に“勝っていただきたい”なと思っています。
気力は大事ですから。
気力は心身の状態と大きな関係があると思っています。うちは通っているうちに介護度が下がる方もいらっしゃる。それは気持ちが変わるからだと思っています。行くところがなくて塞ぎこんでいるうちに要介護度が5になってしまう方とかもいらっしゃいますからね。そういう方は、楽しみができると変わります。また、ゲームの楽しさから、要介護度1から自立してボランティアで来られている方もいらっしゃいます。
よっぽどラスベガスさんを気に入られたんですね。ちなみに、認知症の方も通われているんですか?
いらっしゃいますよ。一見分からないですけど。ご家族は「うちのおばあちゃん、『認知症』なのに麻雀できるの?」って、驚かれることがあります。
悲観的になっていらっしゃるご家族にとって、「麻雀を打てる」という事実は希望ですね。
ほかにも運営で工夫されていることを教えてください。
スタッフがご利用者と対面で向き合える時間をつくるようにしています。ご利用者はスタッフとのコミュニケーションを求められていると思うんです。でも、従来型のデイサービスだと、バタバタしてコミュニケーションが十分にとれなかった。
ですから、スタッフの作業をぐっと減らしたんです。一人当たり1日3時間ぐらいはご利用者と対面でコミュニケーションを取れるぐらい作業を効率化させています。
作業の効率化ってどんな風にされてるんですか?
まずはデジタル化です。例えば、介護の事務作業は、同じ個人情報を何度も書かなきゃいけない場面があったり、「連絡ノート」の手書きの作業にかかりっきりになったりして、ご利用者の変化に寄り添えませんでした。なので、連絡ノートに記入する作業をバーコードにして、さらに「連絡ノート」に入力した情報が請求ソフトにも反映するようにしたので作業が思い切り削減できました。
うんうん。デジタル化によって人間にしかできない仕事ができている。
入浴も変えました。デイサービスの定員は30人ですが、1日10人程度にしました。入浴介助のあり方は、ご利用者の“尊厳”と深く関係しています。私が研修に行ったデイサービスでは、「裸で並んで待たされた挙句、浴槽をまたいで終わり」のような状態でした。尊厳が蔑ろにされているように感じました。
そのような状態にはしたくなかったので、誘導から入浴介助までマンツーマンで介助して、おひとりの所要時間を30分にしました。そうしたら、事故が減って、満足度が上がりました。
「今までの常識」を疑って、やり方を見直すことがカギだったんですね。
そうですね。それに、作業を軽減することはスタッフのためでもあるんです。デイサービスで働くスタッフはご利用者と向き合いたいと思っている人が多いです。でも、作業が多すぎて向き合える環境じゃないから辞めちゃう人が多かった。
スタッフの方もイキイキされている理由がわかりました。ゲームの力だけではなかったんだ。
スタッフの働く環境は、そのままご利用者の過ごしやすさにも影響すると思っています。
なるほど。みなさん、お昼ご飯も各自で食べ始められていて。
皆さんには12時近くになれば昼食を促しますが「無理矢理止めて一斉に」みたいなことはしません。
「ご飯を食べるより打ちたい」って思う方もいますよね。
麻雀が好きな人はずっと打っていたいのですが(笑)区切りの良いところで昼食を勧めます。それから、食事はレンジでできる冷凍食品にしています。もちろんご利用者とご家族にはあらかじめ伝えています。
以前、私が働いていたデイサービスでは凍っている素材を湯煎して提供していましたが、メニューが選べないのでなかなか食が進まなかった。それに、盛り付けに時間もかかります。今は雀荘にもありそうなメニューも含めて10種類ほどご用意しました。お好きなものをお選び頂けるように。
小さなことだけど重要。食べるものは、自分で選びたい。
お話を伺っていて、素晴らしい取り組みだと感じながらも、批判を受けやすいサービスだとも感じます。
ありましたよ。テレビで私どものサービスをご覧になった方から「元気な高齢者を税金で遊ばせて」みたいなことを言われることが多々ありました。わかっていただくことが難しいのですが、うちにいらっしゃってくださっているから「元気」なんです。
実際にお伺いしてよく分かりました。しっかりとした運動を皆さんが真剣にされている。そもそもデイサービスって歌を歌ったりして遊ぶことも多いのに。批判が的外れですよね。
そうですね…。批判はそれだけではありません。 施設内通貨『ベガス』を用いて「勝者は6000ベガス。トップ賞20000ベガス」といった形で、収支を計算しています。それが「射幸心をあおる」という批判を受けたこともあります。「ギャンブル依存症になるんじゃないか」と。
でも、ギャンブル依存症になったご利用者の事例は一件もありません。ご利用者はケアマネジャーさんのケアプランに基づいて通っていただいています。衝動的にご来店することはなく、どこよりも「ご利用は計画的」ですし(笑)。そもそもお金を使っていません。
批判するならまずは現場をみていただきたい。
ええ。でも、批判を受けながらも、スタッフとともに「税金を使っているからこそ」結果を出すことを意識しました。例えば、介護度が改善したり、ご家族の負担が軽くなったり、少しでも皆さんの笑顔が増えたりとか、そうやって批判されたことを真摯に受け止めてサービスの向上に取り組んできたら、最近は何も言われなくなったので「ちょっとつまんねぇな」と思っています(笑)。
(笑)。頼もしい。
市民権を得られたからこそ、このサービスの盛況ですよね。風当たりも強かったでしょうに。
強かったですね。特にパチンコはとても批判を受けました。それでもずっと置いているのは、コミュニケーションが苦手な方のためです。麻雀を希望して来られたとしても、スッと卓に入れない方もいらっしゃるので。
知らないメンバー同士ですから。
そんなときにパチンコがあると、ご利用者は気がラクです。しばらくしてから「メンツが足りなくて困ってるんですよ」って声を掛けると「しょうがねえな」ってなることもあります。
たしかにパチンコには気楽さを感じるかも。「じゃあ行くか」みたいな形で参加できますものね。一人ひとりと向き合っていらっしゃる。
ご利用者への接し方は、スタッフみんなで気を付けています。7割が男性のご利用者ですし、女性でもコミュニケーションが苦手な方もいらっしゃいます。
どうしたら楽しく過ごしてもらえるか「傾向と対策」を考えています。
「楽しく遊べるデイサービス」というイメージがあるラスベガスさんですが、一つひとつに理由があるんですね。
「ただ遊ぶだけ」に見えるほうがご利用していただきやすいんです。楽しいから続くんです。だから、批判はありましたが、今のスタイルで続けてきて良かったと思っています。
ご利用者からしたらそうですね。今日は、楽しく通えるラスベガスさんを支える「細やかな工夫」に驚きました。
倉田さん、最後にプレゼントがあります。毎日、最も「ベガス」を獲得した方を表彰しています。
今回は特別に倉田さんに。
嬉しい! これは通いたくなるわあ。
そう言っていただけて何よりです。また来てくださいね。
日本シニアライフ株式会社 代表取締役社長
国士舘大学卒業、宝飾品販売、食肉卸売業を経て2002年に日本シニアライフの前身となる会社(社員6000人、全国400事業所の会社)に入社。
訪問介護事業所、通所介護事業所の管理者、マネージャーを経て28歳で代表取締役に就任。
30歳でMBO(マネージメントバイアウト)を実行し独立する。
2011年の東日本大震災を機に、アメリカの高齢者の暮らしを学び、2013年12月にデイサービスラスベガス1号店をOPEN。 現在22拠点営業中の他、介護施設の運営も手掛ける。
国内各メディアだけでなく、世界各国(イギリス・アメリカ・ドイツ・セルビア・イスラエル・シンガポール・マレーシア・オーストラリア・台湾・香港・中国)からも注目されている。