永谷園から介護食が出たらしい
食べることが大好きなボクにとってはスクープだ
決して宣伝ではないが、最近のボクのなかでのヒット商品なのでぜひ聞いてほしい。
あの「お茶漬け海苔」の永谷園から介護食が出たというので永谷園本社にお邪魔した。
「お茶漬け海苔」とインスタント味噌汁の「あさげ」。現在はその2種類だという。

優しいとろみをつけられるらしい。
ご飯をよそってお茶漬け海苔をささっとかける。
見た目は普通のそれとまったく変わらない。が、お湯をかけてかき混ぜ、2分ほど待つとゆるめのとろみがつく。
あさげも今までのインスタントと変わらない。袋から出した粉末にお湯をかけて混ぜるだけ。とろみのついた味噌汁ができる。
通常よりも小さくきったわかめが入っている。
お茶漬け海苔も、通常よりも口どけのいいあられになっているなど、小さな配慮がうれしい。
ご飯にお湯をかければ手軽にできる
コータリ流アレンジレシピもどんどん思いつく
ボクがリハビリに通っている施設で出てくる食事はきざみ食かソフト食。家ではかろうじて普通食(ボクがそうしてもらっている)。
だが、やっぱり家族には食材を細かく切ってもらったりと、いろいろ手を加えてもらっている。ギリギリの普通食だ。
嚥下に問題はないと思っているが、やっぱり飲み込みづらいなと思うこともある。
食べているボクも、介護している家族も感じることだと思うが、普通のご飯だとちょっと喉を通りづらいなって思うこともある。
お粥ほどではないが、するすると隣にある汁などをすすって流しこんだり…。
そんな方にはぴったりなものだ。今までなんでこういう介護食があまりなかったか不思議に思うほどだ。
普通のご飯があればいい(柔らかいご飯でも)。手軽にできる。それにお湯をかければいいのだから。
昔なじみのお茶漬けを、高齢者やボクのような人に食べやすくというコンセプトからちょっと離れて考えてみても、これはけっこう使い道がある。
とろみありのあさげだって、ちょっと水を多めに入れて作ってもらって卵を落としておじや風にしてもらったり、自己流でアレンジして楽しんでいる。
ダマにならないようにとろみ剤を混ぜるのは意外に面倒で、むずかしい。
それがこのふたつはダマにもならず簡単にできるのはありがたいことだ。
お茶漬けを鯛茶漬けにしたり、わさびを入れてみたり
介護食だって、彩りよく、ときには豪華にね
永谷園といえば思い出す、お吸い物やかに玉なんかもとろみつきでぜひ出してほしい。
もし本当に出たらかに好きのボクにとってはうれしいかぎりだ。
かに玉ももちろん汁状のもの。あんかけか中華ぞうすいといったところだろうか。
考えているだけでも楽しくなってくる。
あさげやお吸い物も、こうしてご飯にかける裏技の素として使えそうだ。
そうそう、どこかでとろみつきのだし汁っていうのを出していると聞いたことがあるが、それがフリーズドライやこんなふうに粉末だったらものすごく使いやすいと思うのだ。
外出時だってどこだって手軽だ。
ぜひぜひこのお茶漬けシリーズの今後を期待したい。
お茶漬けは取材時、永谷園のみなさんが見ている前で完食。
ちょっと恥ずかしかったが、それぐらい食べやすくて美味しかった。なじみの味だ。
家では鯛茶漬けにして食べた。刺身の鯛も熱いお湯をかけてホロホロっと食べやすくなった。
わさびをプラスして料理店さながらのお茶漬けをいただいた。もちろんとろみつきである。
ぜいたくだなあと感じる食事ができた。
介護食だって、見た目も雰囲気も重要である。
普通の食事と変わりなく見えて食べやすい。気に入ってしまった。
ボクは食べることが大・大・大好きな人間だ
噛み切れないお肉にも闘争心むき出しで食らいつく
食べることしか楽しみがなくなってしまったなあと感じたことも、そもそも食べることがままならなくなってしまう身体に「もうだめかあ」と感じることだって何回もあった。
だけど、食べられなくなったらおしまいだ、と身体のどこかが本能で叫んでいる。
飲み込みもできないのに肉をがっつくことだってある。
ご飯を前に「まだまだボクにはやらねばならないことがあるんだ。こいつを食べてやる」と、まるでそれ自体が戦いみたいだなあと思うこともある。
が、本来は「いつまで食べてるの」と小さい頃からたしなめられていたほど“ながっ尻”で、食べることが大・大・大好きな人間だ。
作るのも食べるのも楽しんでいた。
まさかそんな楽しみが奪われる日が来るとは思っても見なかった。
そうなってしまった身体でも、今回のような食べる小さな幸せを見つけただけでうれしくなる。
追記:この記事を書いたときはかろうじて普通食を食べられていたが、今は入院中なのでボクの食事情はちょっと変わった。また普通食に戻れるよう頑張る!