一目惚れしてしまった
こんなにかっこいい車椅子は初めてだ
今回も前回に引き続き、国際福祉機器展でボクをワクワクさせてくれた機器たちとの出合いを書く。
クモ膜化出血で倒れ、ボクは1年間入院していた。その年は息子が国際福祉機器展に行った。「こんなオムツがあった」とか、「こんな便利なものがあった」と教えてくれた。
すべてが新鮮でワクワクさせられるものばかりだった。
翌年からは、取材を兼ねてボクも連れていってもらっている。もう5年目になる。必ずいろんなブースを見比べるのは「車椅子」だ。
ボクにとっては毎日なくてはならないものだし、しっくりくるものを常に求めている。
ずっと目が離せないでいるのが「WHILL」という車椅子だ。コマーシャルで見たことがある方もいると思う。未来型のかっこいい車椅子だ。

2015年に横浜市の産業共同研究センターの実験棟に取材に行ったときは、見たとたんに惚れた。
まず、とにかくかっこいい。こんなにかっこいい車椅子は見たこともなかった。そのフォルムに一目惚れした。
その前の年に発売された「WHILL Model A」は予約の段階ですべて完売したと聞いた。
価格は100万円ぐらい。重さが110キロあるというその車椅子が飛ぶように売れるなんて、びっくりだ。
もちろんボクだってほしいけれど、これを買える人はお台場の高層マンションにでも住んでいるような人たちなんだろうなあ、ボクが乗るのは不可能だなあ、と諦めていた。
手が届かない、そんな憧れの乗り物だと思っていた。
毎年ブースを見に行っては進化していく「WHILL」を眺めた。
ワクワクが止まらない
よしっ!買ってみようかな…?
そして今年、「WHILLが分解して持ち運べるようになったので車にも積める」と聞いて、それなら我が家のように階段があったり、車での移動が多くても大丈夫かもしれないと会場で「WHILL」を探した。
今回、初めて「WHILL」に乗ってみて確信したことは、もうボクにとってこの車椅子が夢の機種ではなくて自分が実際乗ってみたい機種へと変わっていることだ。2回も分解、組み立てを見せてもらった。

一番重いメインボディー部(後輪)で約20キロ。シート部14.5キロ、ドライブベース(前輪)14.5キロ、バッテリー2.8キロ。4つに分解できる。
ブルートゥースで遠隔操作もできる。「WHILL」の制御や状態の監視を通信で行なえる機能がある。
しかも安価となった。今回のModel C は45万円。以前のタイプ Model Aは99万5,000円。
さらに、Model Aが4WDで重量116キロ、カラーバリエーション2色、パワフル、安定性、フィッティング性能に優れているのに対し、Model Cタイプは2WDで52キロ、カラーバリエーション8色など、ちょっと手を伸ばしてみようかと俄然思うようになった。そしてなんと、広島カープとのコラボの色もある。
フォルムはModel Aの方が好きだけど、軽量化してあるので仕方がないだろう。
あの「WHILL」がわが家にやって来るかもと想像するだけでワクワクする。
乗れるロボット「RODEM」
これまでの車椅子とは違う、新たな可能性を感じる
もうひとつ「ん?」と思う車椅子を見つけた。その名も「RODEM」。“乗れるロボット”というコンセプトの車椅子。
ときにはロボット、ときには乗り物、ときには車椅子。シートの高さを調整して後ろから滑るようにして座席に乗り込む。

ベッドに座っていれば、その高さに合わせて座席がベッドの方へ寄って来る。股の間にすっと座席が寄って来るイメージだ。
そのまま前に体重をかけて肘をつくことができるテーブルと、胴を預けられるようなボードがついている。
背あてはなく、前のめりに重心をとるのだけれど、歩行するときくらいの高さに合わせることもできる。座っていて(車椅子に乗って)自分だけ低いところにいるってことがなくなる。
うまく説明できないが、ロデオに乗っているようである。
丸いフォルムといい、普通の車椅子とはまったく違う。新しい可能性をたくさん感じる。
まあ、自宅の狭いリビングだとどうかな?とは思うが、寝室で自分が生活するのにはかなり快適になるんじゃないだろうか?ぜひ一度、家でも試してみたい。
やっぱり誰だってかっこいいのが良い
毎日使うものだからね!
いつも良い物を見つけても、実際に家ではどうかなあ?と考えることがあるが、2~3年も経つと実際に自宅で使用できるように進化していることが多い。
やっぱり福祉機器もかっこいいのが良い。デザインも素材もかっこいいのが良い。日常で使うのが嬉しくなるようなものを使いたい。
毎日使うんだから、やっぱりかっこよくなくてはいけない。