ボクのためにこんな大勢の方が…
たった1週間に25~30人も!
ボクの家にかかわってくれている方は、いったい何人ぐらいいらっしゃっるのだろう。
大学病院の担当医、訪問のお医者さん、訪問の看護師さん、ヘルパーさん、ケアマネさん、福祉用具の方、区役所の障害担当の方、福祉関連の方、マッサージ師に理学療法士、言語聴覚士、デイサービスのスタッフ、さまざまな方にお世話してもらっている。その他にだって、ちょっと取材に…なんていうときは誰かについてきてもらったりする。
普段だけでも、ざっと計算すれば1週間過ごすのに25人?いや、30人ぐらいの方がなんらかのことでボクに携わってくれている。
とあるボクの1週間
家にいたらひっきりなしに誰かがやって来る
ざっとある1週間の予定を書き出してみると…
月曜日、プールへリハビリに出かける。階段の上げ下ろしや、もちろんプールでのエクササイズ、午後のヘルパーさん、夕方の医療マッサージなどなど。火曜日、朝はヘルパーさんが身支度をしてくれる。そして訪問医師の診察、薬の処方、それからかかりつけ薬局へ。午後にはまたヘルパーさんが来る。水曜日、朝に訪問ヘルパーさん、午後は言語聴覚士、麻痺側の足のリハビリをしてくれる方、そしてヘルパーさん。木曜日、通所リハビリにお風呂と大掛かりなリハビリをしに行く。自宅での迎えはヘルパーさん。金曜日、朝の訪問ヘルパーさん、夕方の足のリハビリと夕方担当のヘルパーさん。土曜も朝の訪問ヘルパーさんに、足のリハビリ、訪問歯科、夕方担当のヘルパーさん。日曜日、夕方までサービスは基本お休みの日。妻も仕事は休みなのでゆっくりする。といった感じだ。
福祉用具についてはベッドや階段昇降機、お風呂のリフトや、車椅子などを借りていて、そのメンテナンスに担当者がよくやって来るし、ケアマネさんだって計画表を月に1回持ってきてくださる他に、なんだかんだ顔を出してくれる。これらをすべて束ねて計画してくれているのがケアマネさんなのだから、手腕が問われる。我が家のケアマネさんは優秀なのだろう。
その他、区役所からのオムツの配達や生協の配達や、宅急便。家にいたらひっきりなしに誰かがやって来る。2時間か、長くても3時間に一度は人が訪れる。
我が家の在宅介護はモデルケースらしい
感動する…みんなありがとう
妻だって仕事をしながら昼ごはんを食べさせに帰ってきたり、打ち合わせに出たり入ったり、1日に何回出入りするんだろうか。取材に来た雑誌社の方が驚いていたぐらいだ。「次から次へ本当にお忙しい。というか、よくできていますねえ…このシステム」。そう言って感心していた。
ある厚生労働省の勉強会に出てみて「ボクん家の在宅介護っていうのはまるでモデルケースのようによくできているんだなあ」と感心したことがあった。それは、もちろん上手くいっていない部分もあるし、我が家で介護してくれている方々にだってお互い不満もあるだろう。けれど、国の目指すところの在宅介護の模範のようだった。「そうなんだなあ」と痛く感動した。
その勉強会には医師代表、看護師代表の方のディスカッションが中心ではあったが、上手くいかないケースとして、介護と医療の連携が上手くいかないことを課題に挙げていた。
本当によく機能している
ただ、こんなケースは全国で20%もないんだって
我が家の場合、サービス担当者会議ではかなり熱い義論がなされている。デイサービスの器具を使ったリハビリと自宅でのリハビリについてだったり、全員が同じ方向を向けているか議論していたり、福祉用具もそれによって見直される。新しい生活改善のメニューなんかも提案されたりもする。普段まったく会わない面々が、喧々諤々とボクのために話し合ってくれているのだ。
入院して退院してくれば看護サマリーを基にまた見直される。本当によく機能していると感心する。ありがたいことだ。
こんなにたくさんの人に囲まれてボクの在宅介護は成り立っている。働く妻も安心して出て行ける。しかし、全国ではまだまだ20%もその仕組みに乗れていないという。