みんなの介護アンケート
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終活を始める理由・メリットとは?
終活は、自分の限りある命と向き合い、自分らしい人生を送るための活動です。
終活を始める年齢は人それぞれですが、定年退職後や、働き盛りの中高年、若年層にまで終活は広がりつつあります。
なぜ終活をするのか、その理由のひとつは、死と向き合うことで、自分の立場や状況を客観的に理解しやすくするためです。
人生の終焉を控え、自分自身の人生を振り返りながら残される家族や友人への思いや考えを残しておくことで、終わりへ向けての整理や調整がしやすくなるでしょう。
終活で自分の意思や考えを残しておくと、その内容が家族にも伝えやすくなります。
そして死を見据えることにより、人生におけるゴールをしっかり設定できるようになり、残された日々を有効に使うことができ、充実した最期を迎えられるようになるメリットがあります。
もっと現実的な終活の理由一つとして、最近では相続にかかわる問題があります。
死後、金銭や物品の相続が身内のトラブルになるケースは少なくありません。遺言書を残しておけば、家族間のいざこざを未然に防ぐことも可能です。
このように、自分自身の残された生活はもちろん、周囲の家族や友人の負担やトラブルを回避できることが、終活を行う大きな理由となります。
みんなが取り組んでいる終活トップ5
1位:エンディングノートを書く
終活をするための取り組みの代表的なものが、エンディングノートを書くことです。
エンディングノートは形自分の思いのままに自由に考えを書き残せます。もちろん、項目すべてを埋める必要はありません。
書く目的は死後に備えて意思や希望、情報などをあらかじめ示し、残された家族への負担を軽減するだけではなく、自分自身の家族や大切な人へ自分の気持ちを遺すことです。
葬儀や相続、延命措置の方法など自由に書き残しておけますが、エンディングノートはこのように考えや想い、気持ちを遺すものです。一方、遺言書は法的効力を持たせ財産のことを中心に書くことと役割が違います。
そのため、エンディングノートを書くことで自分お気持ちが整理され財産を誰に引き継ごうかという考えも定まり、遺言書の作成がしやすくなるのです。
そのため、エンディングノートだけを根拠に遺産相続を行うのは不可能です。
エンディングノートに書く内容は自由ですが、現状のこととしてプロフィールや、過去の振り返りとして自分史などから始めて項目を設定すると、具体的に書きやすくなります。
まず、氏名や生年月日、住所などのプロフィールを書き、同時にマイナンバーなどの情報も残しておきましょう。
自分史には、自分が生まれたときから学生時代の思い出、結婚や出産などの人生の節目について書いてみましょう。
介護・医療について
エンディングノートには介護や医療に関する希望を書き残すこともできます。内容としては以下のような例が挙げられます。
- 介護を受けたい場所(施設・自宅)
- 介護をして欲しい人(介護職員・家族)
- 介護費用の負担
- 自身に代わり、医療処置を決めて欲しい人
- 病名や余命の告知をして欲しいか
自分で意思を伝えられなくなった場合に備えて「どのような介護・医療を受けたいか」希望を書き記しておきましょう。
自分のID情報は必須
具体的に死後のことについて触れる内容としては、所有する銀行口座の情報や預貯金、金融資産、クレジットカード情報のほか、基礎年金番号などについての情報を財産の情報も必要となります。
葬儀社「公益社」が行ったアンケート「葬儀・終活に対する意識調査」によれば、葬儀を行った経験がある方が困ったことの項目の多くに、「入っていた保険がわからない」「通帳や印鑑が見つからない」「携帯電話やクレジットカードの処理」「PCやSNS上の写真やデータ」など、故人のパーソナル・データに関することが散見されました。
ご家族が困らないためにも、エンディングノートにまとめておくと良いでしょう。
また、葬儀に備えた葬儀会社の希望や戒名、参列者リストや埋葬方法の希望なども書いておきましょう。
2位:遺産相続の遺言書を書く
遺言書は法的効力がある、遺産相続のために意思表示をするための法的文書です。
財産を相続する人や分配方法を明確にすることにより、自分の死後に起こり得る遺産相続トラブルを防ぐことができます。
法的文書であるため、遺言書は自由に書くことができません。
決められた形式で正しく書かなければ無効となり、規定の内容以外は法的効力がありません。そのため、遺言書は正しい書き方で残しておくことが重要です。
また最も大切なのは相続を円滑にするための道具が遺言書なので、良いものを作成しないと返ってトラブルを引き起こす可能性もあります、内容は専門家に相談することをお勧めします。
遺言書の種類は多々ありますが、大きく分けて2つを覚えましょう。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
以下でそれぞれの概要を見ていきましょう。
1. 自筆証書遺言
自分の手で書く形式のこと。必ず自筆で書く必要があり、パソコンで作成したものは無効となるので注意が必要です。ただし財産目録を添付する場合はパソコン作成は可能です。
最も簡単に書ける形式で、2種類のなかで最も費用を抑えることができます。
作成時は遺言の内容と作成年月日、署名をすべて手書きし、押印します。細かく形式が定められているため、書き間違いがあると無効になる点に注意しましょう。
また内容としては財産の漏れがないように、遺留分に注意を払うなど専門的なことがあります。
2. 公正証書遺言
公証役場において、公証人に作成してもらう遺言書のこと。書くのではなく「話して」作成します。公証人が作成するので内容の不備で無効のリスクは避けられます。
また、作成した遺言書の原本が公証役場に保存されるので、改ざんを防止できます。
ただし、自筆証書遺言よりも公正証書遺言は作成に時間がかかるほか、費用がかさむ傾向にあります。
遺言書をどちらにするのか選ぶ際、費用がかかるかどうかではなく、どちらの遺言書の方が円滑に相続ができるかという観点で選んでください。
3位:家族や友人にあてたメッセージを残す
エンディングノートは、本人の死後に備えて、残された家族への負担を軽減する目的のものです。
それだけでは、今まで生きてきたなかでご本人が伝えたいことすべてでは書ききれないと思います。
別の形でメッセージをご家族やご友人に対して、残すのも大事なことです。
終活は、少し客観的に自分の立場を見つめている状態です。
ご家族に宛てるメッセージも、感謝の想いや謝りたいこともたくさんあると思います。
また、ご友人にも楽しかった思い出や、もしものときに家族にはお願いしにくい希望など、伝えておきたいことを正直な想いで残していきましょう。
どういう形でメッセージを残すかについては、 一般的なのが「手紙に残す」「パソコンで文章を作成しておく」といった方法です。
また今では、動画を使って残すという方法も簡単にできるようになったので、文章を書くのが苦手な方にもおすすめです。
普段だと、面と向かってなかなか言えないこと、伝えたくても言えないこともたくさんありますよね。
この機会にメッセージにまとめてみてはいかがでしょうか。
4位:生前整理をする
亡くなった人の遺品を整理する「遺品整理」に対し、亡くなる前に自分で身のまわりのものを整理することを、「生前整理」といいます。
これも、残された家族が行うであろう遺品整理の負担を軽減できる方法で、前もって自分で持ち物を整理することにより、本当に必要なものを判別できる機会にもなるでしょう。
生前整理は、いわゆる断捨離のようなものです。
普段しまいこんでいる私物を必要なもの、不要なものに分けて整理を行います。
大量の物がある場合は、ゆっくり時間をかけて行ってもいいですが、時間がかかることも多いため、なるべく早いうちに始めるのがおすすめです。
生前整理では、まず残すものと不要なものを分けます。
死後に家族などに持っておいてほしい形見、相続したいものなどは、残すものとしておきます。
そして不要なものは、処分をします。使えるものは譲ったりリサイクルショップに出したりする方法があります。
使わないけれど価値がまだ高いものは、業者に買い取ってもらってもいいでしょう。買い取ってもらえないものや使えないようなものは、ゴミとして出します。
パソコンや携帯電話のデータなど、物以外のものも生前整理をしておきましょう。
不要なデータは削除し、銀行の口座やパスワードなどの重要なデータは、しっかり残すように整理しておくべきです。
5位:葬儀・お墓について考える
葬儀について
自分が亡くなった後にすぐ行われることといえば、葬儀です。
終活を行っていない多くの場合、残された家族が行うものなので、終活であらかじめ葬儀の準備をしておく人は多いものです。
日本消費者協会が行ったアンケート「「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」(2017年)によれば、家族の葬儀を経験して困ったことのなかには、会葬者の数や身内での意見の相違、見積もり以上の請求があったなど、前もって準備しておくことで回避できたであろうことがいくつも見受けられました。
死後に家族へ負担をかけたくないだけではなく、人生の最期を締めくくる葬儀でも自分らしくありたいと考えているなら、終活の一環として葬儀の準備をしておくことをおすすめします。
終活としての葬儀の準備で多いのは、生前予約です。
葬儀会社でも終活として自分の葬儀を準備しておけるよう、対応しているところが増えています。
具体的に、葬儀にかかる費用の見積もりを行うほか、葬儀の内容や規模なども相談が可能です。
エンディングノートに記す人も多いですが、葬儀に関する準備として、参列者のリストアップを行っておく以外に、新聞などのお悔やみ欄への掲載の有無、葬儀会社の互助会に加入している場合は証書の保管場所なども、残しておきましょう。
終活で葬儀を準備する際に気をつけたいのは、葬儀会社選びです。
まず、葬儀会社の経営状態を確認しましょう。せっかく葬儀の準備をしておいたとしても、自分が亡くなった後にその葬儀会社が経営破綻などにより葬儀が行われないとなっては、元も子もありません。
葬儀費用を前払いしてしまっていた場合は、そのお金が返ってこないことも考えられます。
そして、生前予約を行う際は、プラン変更や解約に対応しているかどうかもチェックポイントです。
将来的に考えが変わり、葬儀内容を変更したくなったり、別の葬儀会社で別のプランを立てたくなったりする可能性も考えられるからです。
プラン変更や見直し、解約時に費用がかかるかどうかも、事前に確認しておくべきでしょう。
お墓について
自分が亡くなってからお墓を建てるのではなく、自分でお墓を決める人が増えています。
現在は、実に6割もの人が自分自身のお墓を建てているといわれているほどです。
お墓も葬儀同様、残された家族が選ぶこともあるため、家族への負担をかけずに自分らしいお墓を用意しておくことも、終活の一環となっています。
お墓の種類はいくつかあります。
お骨を埋葬する場所は自治体で運営する「公営墓地」のほか、お寺以外のところにありわりと宗旨宗派を問わないところの多い「民営墓地」、寺院などの檀家が利用する「寺院墓地」などがあります。
これらのなかから、どの墓地を利用するかを決めるところから、お墓の準備が始まります。生前墓を建てられない墓地もあるため、申込資格は事前にしっかり確認が必要です。
お墓にかかる費用は一般的に、契約時に一度だけ支払う「永代使用料」のほか、墓石代や納骨代、また毎年や一括して支払う管理料があります。管理料はあるところとないところもあります。
管理料は、墓石を建てる前でも墓地と契約を結んだ時点で発生します。また、墓石は、石の種類や施工費用によって価格に幅があります。
墓地の場所によっても、かかる費用は変わってきます。
管理料の発生時期、墓石の値段、仕組みは、埋葬する場所によって異なるので選ぶ際はしっかり確認が必要です。
住宅と同様、アクセス至便な場所であれば高くなる傾向があります。そのほかにも、日照時間の長さや地盤などの墓地の環境もチェックし、お墓の場所を決めましょう。
終活はいつから始めるべき?
終活を始めるべき時期は、特に決まっていません。
どのようなタイミングで行ってもいいものですが、以下のようにある程度の人生の区切りを迎えたタイミングが、終活を始めやすい時期といえるでしょう。
定年退職をしたとき
定年退職後の生活は、第2の人生ということもあり、長く仕事をしていた人は、定年退職後に自分の時間が一気に増え、これまでと大きく違う日々がスタートします。
時間に余裕ができたこのタイミングは、終活をスタートするのに適しています。
70歳を迎えたとき
一般的な定年退職は65歳を迎えた時になりますが、70歳という年齢を迎えたときも、区切りが良いこと、そして残りの人生がそう長くはないと実感できる年齢であることから、終活を始めるタイミングになるでしょう。
配偶者が死亡したとき
身近な家族の死は、自分の死を強く意識させるものです。配偶者が終活をしておらず、何も残していなかった場合、遺品整理や相続などで家族への負担が増えることがあります。
自分が死んだ後、周囲の人に同じ思いをさせたくないという考えから、終活を始めるケースもあります。
これらのタイミングに限らず、なんとなく思い立った時に終活を始めても、まったく問題ありません。逆に、思い立った時に始めた方が作業を進めやすいこともあるでしょう。
早いうちに終活をしておくに越したことはないため、なんとなくでも「終活をしてみよう」と思ったなら、すぐに始めてみることをおすすめします。
終活で人生を充実させる
終活は自分らしい人生の終わりを迎え、残される家族の悲しみや負担を軽減する方法です。
人生の最期に備えて考える終活は決して悲観的なものではなく、残された時間で終活を行うことにより、最期まで充実した時間を過ごせるようにもなる方法です。
前向きに自分らしく生きるための方法として、終活を通して人生の最期を改めて見直してみてはいかがでしょうか。