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【アンケート】高齢者の体の震えへの対処方法は?震えの原因と種類・治療方法を解説

【アンケート】高齢者の体の震えへの対処方法は?震えの原因と種類・治療方法を解説

高齢者の震えの多くが「本態性振戦」と呼ばれる症状ですが原因です。しかし、まれにパーキンソン病などの病気が原因で震える場合もあるため、どの震えの症状が見られる高齢者に対してどう接したら良いのか悩みますよね。

そこで、みんなの介護では高齢の親を持つ方を対象に「高齢者の震えへの対処法」についてアンケートを実施。2,218件もの回答が寄せられました。

回答をもとに記事内では「震えの対応・原因」を解説しています。さらに「震えの種類」の紹介もしていますので、本人の症状と照らし合わせて確認してみましょう。

みんなの介護アンケート

高齢者の震えにどう対処していますか?
05001,000
 しばらく様子を見たうえで病院で診てもらう(977件)
 身体を温める(494件)
 早急に病院で診てもらう(392件)
 身体の力を抜いて、大きく深呼吸させる(355件)

高齢者の震えの原因は?

高齢者のなかには、日常的に手足の震えがある方も少なくありません。普段生活するのに問題がなければ特に気にする必要はありませんが、何らかの病気が原因で震えが止まらないのであれば、治療をする必要があります。

きちんと治療をすれば収まる震えもありますので、早めに受診することをおすすめします。 特に身体の震えの原因として多いのが、本態性振戦(ほんたいせいしんせん)とパーキンソン病の症状によるものです。

今回は高齢者の身体の震えについて、その原因や対策をご紹介します。

本態性振戦

高齢者に多くみられるのが、本態性振戦による身体の震え。本態性とは「明らかな原因がない」という意味で、振戦とは「震え」のことです。つまり、本態性振戦とは原因不明の震えのことを言います。

本態性振戦は40歳以上で約4%、65歳以上では約15%以上の方に見られる症状だということです。早ければ10~30代でも見られ、次第に震えが悪化することもあります。

パーキンソン病

脳に異常が生じて、身体の動きに障害が現れるのがパーキンソン病です。高齢者に多くみられる疾患ですが、若くても発症するケースもあります。

現在、日本だけで約15万人の患者がいるとされており、発症すると10年後には高い確率で寝たきりになるといわれています。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

体調が悪そうな高齢女性と、腕を組んで考え事をする若い女性医師

バセドウ病とは、甲状腺から甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が亢進する病気です。甲状腺機能が亢進すると全身の代謝が高まり、症状が進むと手足や全身に震えがみられることがあります。

バセドウ病は男性より女性に多くみられる疾患で、およそ200~500人に1人が罹患しているとされています。

その他の原因(薬やアルコール)

喘息の治療で使う薬(テオフィリン製剤、β刺激剤)を服薬している場合、振戦を誘発することがあります。

精神疾患やうつ病の治療に使う薬の一部は、パーキンソン病に見られるような振戦の原因となりえます。

また、アルコール依存症の方にも振戦が出ることがあります。飲酒を中断した時に振戦が出やすい傾向にあります。

ふるえの種類

振戦による身体の震えには、主に以下の4つがあります。

安静時振戦

「静止時振戦」や「休止時振戦」とも呼ばれてます。名前の通り、静かに休んでいるときに多く見られる身体の震えです。寝ていたり、椅子に座ってくつろいだりしているときに出現することが多いようです。

震えている手足をわざと動かすと一時的に震えが少なくなるのが特徴です。手や足だけでなく、頭や唇、舌、あごなどに症状が現れることがあります。安静時振戦がもっともよくみられる病気は、パーキンソン病です。

姿勢時振戦

姿勢時振戦は重力に逆らうと現れる震えなので、腕をあげたり、足をあげたりすると出現します。たとえば箸やコップを持ち上げるときや、花に水をあげようとして腕を伸ばしたりすると震えだします。

ただし、安静時振戦のように静かに身体を休めているときに震えだすことはありません。姿勢時振戦は、本態性振戦や甲状腺機能亢進症などの症状でみられます。β受容体遮断薬が治療薬として用いられます。

企図振戦

企図振戦はその名の通り、何かをしよう(企図)と思って腕を伸ばしたりすると震えが起こります。目標物に近づくと余計に震えが強くなります。例えば、エレベーターに乗って行先のボタンを人差し指で押すようなときがそれにあたります。

人差し指を伸ばして腕を前に出すと震えだし、ボタンを押したときがもっとも大きく震えて、そのままの姿勢を維持していると震えが継続します、原因疾患には小脳の障害や多発性硬化症などが考えられます。病気が改善すれば震えも治まりますが、治療するのは難しいようです。

動作時振戦

何かの動作をしている時に震えてしまうのが動作時振戦です。手を動かす動作の開始直後から生じ、動作が終わると止まります。コップで水を飲む時の場合、コップをもって動かしているときに震え、口に届くと収まります。

脊髄性小脳変性や多発性硬化症などの症状として出現します。

動作時振戦の種類

安静時振戦
パーキンソン病などに多い。手や足だけでなく、頭や唇、舌、あごなどに症状が現れる。
姿勢時振戦
本態性振戦や甲状腺機能亢進症に見られる。腕をあげたり、足をあげたりすると現れる。
企図振戦
小脳の障害(脊髄小脳変性症・小脳の腫瘍・小脳の血管障害など)や多発性硬化症に見られる。動作をしようとするときに現れる。
動作時振戦
脊髄性小脳変性や本態性振戦、多発性硬化症に見られる。動作をすると震え、動作をやめると収まる。

パーキンソン病とは

パーキンソン病が起こる脳の図解

パーキンソン病は大脳皮質から筋肉に伝わる指令を調節し、身体をスムーズに動かす役割を持つ「ドパミン」の分泌量が減ることで発症する病気です。ドパミンが減ることで手足が震えたり、便秘など自律神経障害などが現れたりします。

パーキンソン病の進行はとても緩やかです。そのため早期に発見・治療をすれば、たとえ発症しても長きにわたって良好な状態を保つことができます。

最近は効果的な治療薬が開発されたため、パーキンソン病になってもそれまでと変わらない暮らしを営んでいる方が少なくありません。

遺伝や加齢が誘引する場合も

パーキンソン病になった人の5~10%ぐらいは、血縁者にも同じようにパーキンソン病を患った人がいると言われています。これを「家族性パーキンソン病」と言います。複数の遺伝子に異常が見つかったり、環境などの要因が複雑に絡み合って発症する場合もあります。

家族性パーキンソン病の場合も、他のパーキンソン病と同じように治療薬の調整が可能です。また大学病院などの研究機関では、研究の一環として原因遺伝子を調べることができる場合もあります。

パーキンソン病の治療方法

パーキンソン病を根治させる治療法は今の段階ではまだ確立されていません。ただし、症状をコントロールして長く良好な状態を保つ治療法はたくさんあります。良い状態を維持する治療法としてまず選択されるのが薬物療法です。なかでもドパミン補充療法が中心となります。

また、ほかにも薬物の持続注入ポンプや脳組織への刺激発生装置などを使用するデバイス補助療法があります。さらにこれらと並行して、本人が意欲的にリハビリテーションに臨むことも大きな効果を生みます。

本態性振戦とは

青ざめた表情で体を震わせている高齢男性と、虫眼鏡を持って高齢男性を発見したスーツ姿の若い女性

手や頭、脚などの身体の一部がリズミカルに震える振戦(しんせん)の種類は20以上あると言われています。そのなかで一番多いのが「本態性振戦」です。 運動障害の一種である本態性振戦は65歳以上のおよそ5人に1人が罹患していると言われています。

一般的にその症状は手に現れることが多いようです。ほかにも足や頭、声帯などに出ることもあります。本態性振戦は脳のなかの神経伝達がうまくなされないことから起こるとされています。

根本的な原因は不明ですが、遺伝によるものだとされるケースもあります。ただ、家族のなかに振戦の経歴がない人でも本態性振戦を発症するので、必ずしも遺伝するものだとは言い切れません。

本態性振戦になっても命を脅かされることはありません。ただ、身体の震えが止まらないわけですから、日常生活に支障が出ることは明らかでしょう。車の運転ができなくなったり、仕事ができなくなったりすることから孤独になり、精神的に追い詰められることも少なくありません。

パーキンソン病との違い

本態性振戦は症状が軽くて普段の生活に問題がなければ治療の必要はありません。しかし、パーキンソン病は10年くらいかけて徐々に進行し、最終的には寝たきりになってしまう病です。そのため、発症すると治療をする必要があります。

症状の違いについてですが、本態性振戦の震えは基本的には左右対称ですが、パーキンソン病は左右の震えに差があります。また、本態性振戦は食事をしようと思って箸を持っても手が震えて食べられませんが、パーキンソン病の場合、箸を持っても震えることがないのでゆっくりですが自分で食事ができます。

また、本態性振戦は何かの動作をしようと思って動き出すと手が震えますが、パーキンソン病には安静時に手が震えるという特徴があります。

本態性振戦にあってパーキンソン病にないのが首の震えです。逆にパーキンソン病には歩行障害や動作緩慢がみられますが、本態性振戦にはみられません。遺伝については、パーキンソン病でも本態性振戦でも遺伝子が関係する場合もあります。

本態性振戦の治療方法

並んでガッツポーズする女性医師と高齢女性

本態性振戦は日常生活に支障がなければ治療をする必要はありませんが、震えがひどくなると何らかの治療をする必要があります。本態性振戦の治療には「薬物療法」「ボツリヌス毒素療法」「手術療法」の大きく3つの治療法があります。

なかでも、中心になるのが薬物療法です。おもに保険適用のアロチノロールというβ遮断薬が用いられます。

ボツリヌス毒素療法は保険適用でなく世界的にも症例が少ないことからあまりおこなわれず、手術療法はどちらの治療でもうまくいかない人や、根治を目指す人などがおこないます。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)とは

バセドウ病になると特殊な抗体が身体のなかで作られ、これが甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンがたくさん分泌されます。この過剰な甲状腺ホルモンによって新陳代謝が活発になり、さまざまな症状が現れます。

その代表的なものが手足の震えですが、ほかにも異常に汗をかくようになったり、食欲が旺盛になったり、脈拍数が多くなったり、イライラするなどの症状がみられるようになります。

遺伝が誘引している可能性があると言われている

バセドウ病の発症はさまざまな要因によって引き起こされます。バセドウ病に罹っている方の約15%は血縁者のなかに同じようにバセドウ病に罹患した経験がある方がおり、遺伝的な要因が少なからず関わっていると考えられています。

ただし、遺伝的な要因ばかりではなく、たとえば出産を終えたばかりの女性が罹患することがあるのは、体内環境が大きく変化したからだと考えられています。

治療方法は主に3つ

バセドウ病の治療方法には大きく3つあります。

ひとつ目は、抗甲状腺剤を使って甲状腺ホルモンの分泌を抑える「薬物療法」です。薬を服用して少しずつ抗体が消えていけば服用をやめます。副作用があったり、治療が長期化する恐れがありますが、薬を飲むだけで良いので取り組みやすい治療法です。

ふたつ目は「放射性ヨウ素内用療法」です。ヨウ素-131という放射性物質(アイソトープ)を飲み、甲状腺の細胞を破壊します。放射性ヨウ素内用療法はカプセルを1回飲むだけですから、薬物療法と比べると短期間で終わるうえ、副作用や合併症がほとんどありません。ただし、甲状腺機能低下症になりやすいというデメリットがあります。

そして、みっつ目は「手術療法」。手術によって甲状腺を切除し、甲状腺ホルモンの分泌量を減らします。手術をすると確実に効果があって、再発の恐れもありません。ただし、手術が受けられる病院が限られており、手術後は跡が残るのがデメリットです。

震えが気になったら脳神経内科を受診しよう

高齢者に多い本態性振戦ですが、本人が日常生活を送るうえで困っていないようなら治療をする必要はありません。ただし、震えることで気持ちが落ち込んだり、仕事ができないようなら、治療を検討するほうが良いかもしれません。

また、震えはパーキンソン病などの疾患や日ごろ飲んでいる薬の影響も考えられます。震えが気になる方は、まずは脳神経内科を受診して詳しい検査を受けましょう。手術が必要なら、震えの手術に長けた脳神経外科医を紹介してもらえます。

よくある質問

高齢者の手が震える原因は?

【回答】
「本態性振戦」または「パーキンソン病」などが原因に挙げれます。

【解説】
本態性振戦は原因不明の震えです。65歳以上では一般的にみられる病気の一つであり、震え以外の症状はほとんどありません。
パーキンソン病は筋肉の動きをコントロールしにくくなる病気で、比較的進行が緩やかな病気です。

手の震えのほかに「筋肉の動きが鈍くなる」「筋肉の動きがこわばる」などの症状もみられる場合は日常生活に支障が出る場合もあります。そういった症状がある場合は一度病院を受診するようにしましょう。

【詳細を知る】
高齢者の震え対応の詳細は、「【アンケート】高齢者の体の震えへの対処方法は?震えの原因と種類・治療方法を解説」のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

手足の震えの対処方法は?

【回答】
行動療法薬物療法が対処方法として挙げられます。

【解説】
行動療法は深呼吸や睡眠時間の確保、リラックスなどが該当します。一方、薬物療法は症状緩和のための薬物治療を病院で受けます。
これらの療法はストレスによる手足の震えを感じたときの対処方法です。行動療法や薬物療法を試しても、手足の震えがある場合はほかの原因が考えられます。

日常生活に支障が出るほど手足の震えが続いている場合は、医療機関を受診して詳しく検査することをおすすめします。

【詳細を知る】
高齢者の震え対応の詳細は、「【アンケート】高齢者の体の震えへの対処方法は?震えの原因と種類・治療方法を解説」のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

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