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デイサービスに行きたがらない理由
デイサービスやショートステイは、日々、在宅介護をしているご家族にとっては、つかの間のレスパイト(息抜き)になります。しかし、高齢者の中には、外出を強く拒否する人も少なくありません。
デイサービスに行きたがらない方の特徴とその対処法をみていきましょう。
外出に不安感がある
デイサービスがご本人に適した場所であっても、認知症の記憶障害や認識力の障害により、上手く伝わらずに誤解を招いたり、行き違いから急に怒ったり、ときには被害妄想を持ち相手を攻撃することはよくあります。
そのようなときは、高齢者の方の記憶に否定的な感情が残りやすいため、慣れ親しみのあるデイサービスやデイケアでも行きたがらなくなることがあります。
そんなときは、高齢者が外出拒否をしていることを、事業所に相談してください。気が引けるかもしれませんが、事業所からみればそれも大切な情報です。
事業所側が日中のご本人のサービスや過ごし方を工夫するかもしれませんし、気になったポイントを家族に伝えてくれるかもしれません。
外出への意欲がわかない
高齢者にとって、行動を起こすことはエネルギーが必要になり、何事もおっくうに感じてしまいがちです。
支度や準備をご家族が行っていたとしても、外に出る、家族以外の誰かに会うこと自体、うまく気持ちの準備ができないのかもしれません。
そのためには、外出が楽しくて意義のあることだと感じてもらうことも大切です。デイサービスのレクリエーションで作ったものを飾るなどして、ご本人のやる気を引き出してみるのも良いでしょう。
周囲の環境に影響を受けやすい
認知症と診断された高齢者の場合、デイサービスに通う日や時間などスケジュールに従って行動するのが苦手です。
また、周囲の環境にとても影響されやすいので、周囲が準備で慌ただしくなると大変なことが起きると不安を感じ、拒否感が強まっていきます。
朝はご家族も忙しい時間帯で、余裕をもった準備は難しいと思われがちですが、完璧な準備は必要ありません。たとえば朝の服薬なら、デイサービスで対応してもらえることもあるので、事業所に相談し、協力してもえないか聞いてみましょう。
デイサービスとの相性が良くない
デイサービスやデイケアがご本人に合わない可能性は大いにあります。ご家族から見て好印象なところでも、ご本人の感じ方は人それぞれです。
ご本人が楽しみに行き始めるまで、気長に待つのもありですが、デイサービスなどでの過ごし方を聞いて、ご本人の拒否が続き、ご家族に大きな負担が出てくるようなら、事業所を変えるという選択も必要です。
ケアマネージャーと、事業所だけでなくサービス面でも再検討も含めて相談してください。
プライドから介護されることに抵抗感がある
「今まで自分のことは自分でやってきたのだから、介護なんて必要ない」という思いがある高齢者の方は介護を拒否する場合があります。
また、「自分のことは自分でできる」という高いプライドをお持ちの高齢者も、介護は必要ないと思い込んでいる場合があります。
なかには認知の衰えから、自身の状況をきちんと把握できていない高齢者もいらっしゃいます。介護をされるうちに徐々に抵抗がなくなり、慣れてくれる可能性もあります。
手強いのが認知症の高齢者の方です。認知症が進むと認知機能が低下して、介護の意味自体が理解できない状態になります。タイミングを替え、介護を受けることで楽になる経験が重なるように徐々に快い体験を積み重ね、デイサービスに良いイメージを持ってもらいましょう。
認知症高齢者の場合は、記憶障害が影響していることも
認知症の高齢者の中には、記憶障害の影響で、デイサービスに行くと促しても、リハビリに行くと言葉をかけても、ご本人がどこで何をしに行くのかの状況が理解できず、拒否をすることがあります。
そのときは、外出先にある特徴的なもの(例えば、桜の大木があるなど)や、楽しかった行事をしたところなど、キーワードから思い出してもらうのもいいかもしれません。
また、人間の記憶に残りやすい仲のいい人の名前や一緒に映っている写真をみせて納得してもらうこともあります。
外出拒否を解決するには本人の気持ちを理解することが必要
健康な方でも、行きたくない場所もありますし、外出に気分が乗らないときもありますよね。高齢者の方が外出を拒む気持ちは、ご家族も共感することはできると思います。
特に、認知症の高齢者の方はいつもと違う環境で不安が大きくなっていきます。嫌な思いが記憶として残り続けてしまい、外出を拒むこともあるのです。
「デイサービスに行きたくない」という高齢者の方には、「どうして行きたくないか」をちゃんと聞いてあげましょう。デイサービス側にその状況を伝えれば、考慮してもらうことも可能です。
ご本人が居心地よく、機嫌よく過ごしてもらうことが大事なので、ケアマネージャーやデイサービス側と相談して、滞在中の過ごし方について見直すことができたら、いい方向に動くかもしれません。
外出拒否の具体的な対処法
高齢者の方に外出を促しても拒否されたとき、どういった対処をすればいいのでしょうか。具体的な方法を見て行きましょう。
時間を置いてから声をかける
高齢者の方が介護に対して抵抗があるときや、拒否を続けて興奮している場合、その気持ちを受け入れて一時的にそっとしてあげましょう。
少し時間が経過してからもう一度声掛けをすると、気持ちが落ち着き、スムーズに受け入れてくれることがあります。ご本人が抵抗する気持ちがなくなったときがチャンスです。
慣れないうちは家族が同行する
高齢者の方が、まだ慣れていないデイサービスで滞在する時間が長いなと感じると、早く帰りたいと思うようになります。
また、慣れてきても日によっては、気分が乗らないこともあるでしょう。最初のうちはデイサービスの時間を短くしてスケジュールを組んでもらったり、家族が同行することで、高齢者の方に安心感を持ってもらいましょう。
本人の意思を尊重することも大切
強制的に高齢者の方を外に出したり、無理矢理デイサービスに行かせることは厳禁です。
どうか「やりたくない」と拒否しているご本人の気持ちに寄り添ってあげてください。最終的にどうするかの決定は、ご本人の意思に委ねると良いです。
ご本人の意思を尊重すると、高齢者の方も「私を大切にしてくれる人が側にいる」と認識して、友好的になり、介護することを受け入れくれるようになります。
ひとりで抱え込まず専門家に相談しましょう
実際に高齢者の方に介護を拒否されてしまうと、ご家族自身が否定されたような辛い気持ちになってしまいます。
しかし、介護を受けている高齢者は、嫌いで拒否しているわけではないことを理解しておきましょう。
そんなときは、遠慮なく専門家を頼ってください。きっと良い解決方法を一緒に探して見つけてくれます。ご家族がストレスを溜めこまず、できる範囲で介護を行いましょう。
- 居宅介護支援事業所
- ケアマネージャーに介護サービスや地域の介護情報などを相談できる。
- 地域包括支援センター
- 在宅生活をサポートするためのさまざまな情報やサービスを紹介してもらえる。
- 福祉事務所
- 自治体の相談窓口のこと。福祉全般に関して相談できます。
- 高齢者総合相談センター
- 専門家による無料相談が電話で受けられる。
- 保健所・保健センター
- 健康に関するあらゆる相談ができます。
- 社会福祉協議会
- 社会福祉活動を推進することを目的とした営利を目的としない民間組織
介護保険サービスのケアプランを作成する際に面識のあるケアマネジャーは比較的相談しやすい相手と言えるでしょう。