Q.97 役所が公表しているインターネット上のデータは、どうしてあんなに見づらく、また探しづらい場所にあるんですか?(やすひろ・介護職員)
職務上、よく役所がまとめたデータを閲覧することが多いのですが、まーどの省庁が公表しているデータの見づらいこと!そのデータにたどり着くまでにホームページの中のどこにあるのかもわかりづらいし、非常に不親切なことに腹が立ちます。意図的にたどり着きにくくしているとか、意図的にわかりづらくしているのか?と勘ぐってしまうのですが、そういう意図はないのでしょうか?もっとわかりやすくする方法はないのでしょうか?
データの見せ方について国に期待はできません。検索技術の発達に期待してください(汗)
え~私が経済産業省に入省して、一番初めに配属された部局は「調査統計部」でして、まずもって、政府統計の現状に関しては「使いづらくて申し訳ありません」と頭を下げさせていただきます。でもってここから言い訳を始めますと、政府の統計関連ホームページの使い勝手が悪い理由として挙げられるのは、主に以下の3つです。
- 政府の役割としては「統計を取ってデータを集計すること」が最優先で、データの提供はそれほど重視されていないこと
- 統計を取る部局が政府の中でバラバラで一元化していないこと
- 今の分かりにくい形式のままでも、結局、利活用されていること
私も他の統計部局の職員も「もっと利活用しやすいUX(ユーザーエクスペリエンス)に変えるべき」という問題意識は常々持っていたのですが、どうしても「どのデータを、どのように集めて、どのように集計するか」という作業が政策的に常に優先され、結局UXは私の在任中はほとんど改善されませんでした。すみません…でも、統計データを全国から集めてくるって、名簿作成や調査員や予算の確保も含めて結構大変な作業なんですよ…。
こうした経験を踏まえて私が感じることは、今後とも政府のデータ提供のあり方は政策優先度が低くほとんど改善されることはないであろう、ということです。なので質問者様は、政府側の取り組みの改善よりも、むしろ検索技術や人工知能の発達により、データを探すための人間のめんどくさい作業をコンピューターが代行してくれるようになる未来に期待した方が良いと思います。現在でもgoogle public dataなどはかなり優れた機能を有していますしね。
そんなわけで大変申し訳ないのですが、今後は政府に期待せず、検索技術の発達でデータ収集が楽になる未来に期待してください。