いいね!を押すと最新の介護ニュースを毎日お届け

施設数No.1老人ホーム検索サイト

入居相談センター(無料)9:00〜19:00年中無休
0120-370-915
宇佐美典也の質問箱

質問 Q.64 「特区」の定義を、わかりやすく教えてください。「特区で解禁」といった言葉を耳にしますが、それ以外の地域はどうなるんですか?(おはぎ・主婦)

「特区」の定義を詳しく、わかりやすく教えてください。最近、介護サービスについても「特区で解禁」といった言葉をよく耳にしますが、じゃあそれ以外の地域はどうなるの?

特区は「実証的に他の地域に先行して規制緩和措置を施し、メリット・デメリットを整理する」という位置付けで、実証がうまくいけば、全国的に規制が見直されます

一言に「特区」と言っても、日本には主として三つの特区制度があります。それぞれについて簡単に紹介すると以下の通りです。

① 構造改革特別区域:元祖「特区」。地方自治体が計画を策定する一部の地域において、規制の特例措置が適用される(ただし多くは単独の規制の特例措置で、税制などは対象外)

② 総合特別区域:国と地方自治体が共同して計画を策定する一部の地域において、複数の規制の特例措置に加え、税制・財政・金融上の支援措置等を総合的に実施

③ 国家戦略特別区域:国が主導して一部の地域を対象に計画を策定する特区制度で、これまで規制緩和が難しかったいわゆる“岩盤規制”全般の緩和に突破口を開いていこうとするもの

成立過程が、並べた通り①→②→③の順番だったので、徐々に国の関与が強まって特区としての認定要件が厳しくなり、他方で支援措置が充実してきたようなイメージです。

最近、小池東京都知事が政府に要望している「混合介護の特区」は、このうちの「国家戦略特区」であり、現在内閣府と東京都が共同して検討を進めている模様です。

ただ、いずれにしろ「特区」の意味は「他の地域には適用されない規制の特例措置が施される特別な区域」ということには変わりありません。

特区には「規制の特例措置」が施されるのですから、当然他の地域と比べて特別扱いされることになります。ただ理由なく特定の地域を優遇するのでは「法の下の平等に反する」ということになってしまいますから、特区はあくまで「実証的に他の地域に先行して規制緩和措置を施しメリット・デメリットを整理する」という位置付けになっており、仮に実証がうまくいったら全国的に規制を見直すことが前提となっています。

「規制緩和の実験だから一部の地域だけ特別扱いしてもよい」ということですね。

仮に、東京で混合介護の特区が始まり規制の緩和措置に大きな問題がないことが確認された場合、全国的に制度が変更することになります。そんなわけで東京の特区は皆さんにも無関係というわけではないので、今後注目してニュースを追っても損はないと思います。