Q.15 年金は「100年安心プラン」…。すでにもう崩壊気味だとは思いますが、宇佐美さんの実感値としては、どんな感じでしょうか?(yatch・介護職員)
「100年安心プラン」という言葉が踊ったのは、確か2009年のことだったかと。それから10年もたたないうちに、思惑がガラガラと崩れ去っている感は否めないと思っています。私は社会保険に加入していない非正規雇用の介護職員なので国民年金で…将来がとても不安です。
私が受給年齢に達する約30年後、7.5万円もらえればラッキーかな、と思っています
私たちが将来年金がいくらもらえるかどうかというのは、大きく3つの要素が絡んできます。ひとつ目は政府の財政事情、ふたつ目は年金基金の運用状況、みっつ目は賃金上昇率です。
この点で政府は、ひとつ目については経済が毎年1.7%程度成長して税収が増えて財政が改善すること、ふたつ目については名目で毎年4.5%程度の利回りが得られること、みっつ目については毎年2.5%の賃金上昇率が得られることを前提に、「将来も年金はもらえる」という試算を2012年に行っています。
しかしながら、その後の状況を見る限りこれらのうち達成されているのは、ふたつ目の年金基金の利回りのみで、それも足下では悪化しています。
年金財政は税金と保険料で概ね1:3の程度の配分で分担されているのですが、足元の経済状況を想定通りに財政再建が進み消費増税が行われることを期待するのは困難で、現在、税金で負担されている部分についてはどこかのタイミングでカットされると想定しておくべきなのではないのかと考えています。概ね25%程度ですね。
その上で、あとは賃金上昇率と年金基金の利回りの先行き次第なのですが、デフレ回復の兆しが見えない現状では賃金上昇や株価の上昇が継続することは困難なのではないかと考えています。なので正確なことは言えませんが、私は現在34歳ですが、インフレ率を考慮した上で現状の水準(厚生年金で平均15万円/月程度)の半分(7.5万円/月程度)もらえればラッキーだと思っています。それでも見込みは甘いかもしれませんが。