いいね!を押すと最新の介護ニュースを毎日お届け

施設数No.1老人ホーム検索サイト

入居相談センター(無料)9:00〜19:00年中無休
0120-370-915
宇佐美典也の質問箱

質問 Q.145 日本にはいわゆる”小さな政府”を目指す政党は見当たらないように感じます。その方向を目指す政治家がいてもいいのではないでしょうか。(カペリン・会社員)

日本では有権者の多数を占める高齢者をちやほやする政策ばかりが目立っているように思います。今後の日本を考えると、その流れに一石を投じるような政策的動きがあってもいいのではないのかなと。

「小さな政府」を目指すような選択肢を取ることは、もはや政治的に不可能でしょう

まず現状認識からですが、日本は現状においても先進国の中では平均か、相対的に小さな政府規模です。

OECD34ヵ国の中で比較すると、2014年度時点では所得に対する税金・社会保険の割合(国民負担率)は42.2%で28番目であり、これに国債費を加えた潜在的国民負担率でも49.7%と18番目で、中位水準にとどまっています。

他方で比較の対象としてアメリカを見てみると、アメリカの国民負担率は32.7%と「小さな政府」の名に恥じない値になっていますが、代わりにアメリカでは社会保証の規模が小さく格差が激しいことは皆さんご存知の通りです。他方でフランスなどは国民負担率が66.5%まで上昇しており、かなりの重税・高福祉国家となっています。

仮に日本で小さな政府を目指すとなると、おそらくは財政を均衡させて潜在的国民負担率を国民負担率と一致させるような政策をとることになると思われます。その場合、まずは借金頼りの政府運営を改め、プライマリーバランス(新規借金なしの政府運営)の達成を目指すことになります。

具体的には2016、2017年度の基礎的財政収支の赤字は概ね10.8兆円ですから、その分だけ財政を削ることになります。そうなると社会保障費(年金、健康保険、介護保険、生活保護)の予算を大幅に削らざるを得なくなるでしょう。

こうした政策が仮に実現したとしたら、困窮する高齢者世帯が続出することになります。そんな政策が高齢者に対してウケるはずもなく、若者ですら敬遠するでしょう。当然、選挙に勝てるはずもありません。ましてや日本は少子高齢化がこれからますます進展する国です。

そのようなわけで、少子高齢化がこれだけ進んでしまった日本がここから「小さな政府」を目指すような選択肢を取ることはもはや政治的に不可能といっても過言でもありません。せいぜい「これ以上、政府が大きくならないように努力する」といったところが限界でしょう。

【まずはLINE登録】
希望に合った施設をご紹介!