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【アンケート】高齢者が怒りやすいときの対応は?怒る原因と接し方のポイント

【アンケート】高齢者が怒りやすいときの対応は?怒る原因と接し方のポイント

高齢者が怒りやすいとされる要因の一つに加齢があります。急に怒ったり、些細なことで暴言を吐いたりする高齢者にどう対応したら良いか悩んでいる方も少なくありません。

そこで、みんなの介護では高齢の親を持つ方を対象に「怒りやすい高齢者への対応」についてアンケートを実施。1,069件もの回答が寄せられました。

回答をもとに記事内では「怒りやすい高齢者への対応」や「怒りやすくなる原因」について解説しています。また65歳以上の高齢者による傷害及び暴行の検挙人員も併せて紹介していますので参考にしてください。

みんなの介護アンケート

怒りやすい高齢者にはどう対処していますか?
27.3%21.5%51.2%
 社会のなかで活躍できる場を広げる(292件)
 脳の老化を防ぐ食生活や脳トレを行う(230件)
 その他(547件)

キレる高齢者が増えている

最近、高齢者の方が駅や病院などで暴力を振るう、暴言を吐くなどの犯罪がマスコミに報道されることが増えています。そのため高齢者に対して、若い世代の反感の声も強まりつつありますが、なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。

高齢者の方の「不機嫌」について、さまざまなデータを基に見ていきましょう。

高齢者による暴行の検挙人員が一貫して増加

2018年に高齢者の傷害及び暴行の検挙人員をみてみると、65~69歳と70歳以上の高齢者どちらも増加傾向にあります。傷害により検挙された65~69歳の高齢者は、10年前と比べて約4.7倍も増加しており、同じく70歳以上の高齢者は、10年前と比べて約10.8倍でした。

また、65~69歳の高齢者の再犯者率は5割前後で推移していますが、70歳以上の高齢者では、初犯者の占める割合が高く、同年の再犯者率は34.4%となっています。

このような結果から、トラブルが引き金になって他人に手を出し、事件に発展してしまう高齢者が増えていることが窺えます。

高齢者が怒りやすくなる原因

高齢者のかたが、怒りやすくなっている原因を見てみましょう。

前頭葉の機能低下で感情が抑えられない

怒りの感情を抑える脳の仕組み

人間の「怒り」の感情はどこで生じているのかというと、脳の「大脳辺縁系」です。その「怒り」を抑制する機能は「前頭葉」が担っています。

ところが前頭葉は、加齢とともに機能が低下し、さらに高齢になると脳の前頭葉が収縮してしまい、判断力や感情の抑制力が低下していくのです。

抑制する力が弱まり、怒りを抑えられないことが、外から見るとキレていると捉えられてしまいます。

男性ホルモンの低下

高齢者の男性の場合、テストステロンという男性ホルモンが低下することによってイライラや不安などをもたらし、精神面が不安定な状態に陥る場合があります。

この現象は男性の更年期障害やLOH症候群と呼ばれます。男性は女性に比べ、加齢によるホルモン分泌の減少が起こることはあまり多くありませんが、強いストレスや環境の変化を受けると減少することがあります。

このテストステロンによる影響は、人によって起こるタイミングもさまざまです。「年のせいかも?」と思ってしまい、気づかないで重症化してしまうケースも珍しくありません。

女性ホルモンの低下

寝苦しくなっている高齢女性と、肩を落として落ち込む高齢女性

高齢者の女性の場合も、男性と同様にホルモンの低下が起こります。

女性は年を重ねると卵巣の機能が弱まり、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が次第に減少します。それが原因でホルモンバランスが崩れ、心身に不調が現れる人もいます。

女性の更年期障害は、特に感情のコントロールが難しく、イライラしたり怒りやすくなるのです。

脱抑制によるもの

脱抑制とは、「ある状況に対して、衝動や感情を抑えることができなくなる状態」のことです。

前頭側頭型認知症を発症した高齢者によくみられる傾向で、脱抑制の可能性がある人は、感情のままに行動するので、その時々の反応で感情を抑えきれずに行動してしまいます。

常識的に人前ではマナーを守って、社会的に外れないようにコントロールしようとする抑制ができないのです。具体的には、後先を考えない行動や、突然泣き出して感情を露わにするなどが症状としては現れます。

感情失禁で怒りが表に出やすい

笑顔から怒った顔に変化する高齢男性

感情のコントロールができないと、ちょっとした刺激で喜怒哀楽を急激に変化させて表現する状態になることがあります。これを感情失禁といい、情動失禁とも言われます。

脳卒中や脳梗塞などで脳の神経細胞が破壊され、高次機能障害になってしまった方に多く現れる症状です。

認知症による不安や猜疑心によるもの

認知症の方も、ちょっとしたことで怒り出しやすくなります。認知症の症状のひとつとして、感情をコントロールしにくくなることがあるのです。

また、今までできたことができなくなるときや、物忘れがひどいとき、イライラして家族や周りに当たってしまうことがあります。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、相手を疑う気持ちが強くなり、人を信頼できなくなる傾向も見られます。

社会的な背景も怒りっぽい原因の可能性が

高齢者の方が怒りっぽくなる傾向は、以下のような社会的な背景も関係しています。

家庭の変化で孤立しやすい

一昔前の日本では、家庭では女性の立場が弱く、男性に逆らうことが困難でした。しかし、今では時代が変わり、妻の立場が強いという家庭も増えています。

そのため外にでることが多い男性は、家庭で孤立する傾向にあり、承認欲求が満たされないケースもあるのです。

職場の変化で承認欲求が満たされにくい

明るい表情で話をするスーツ姿の若い男性と、腕を組んで複雑そうな表情のスーツ姿の高齢男性

昔は年功序列が当たり前で、昇進・昇給も在社期間に比例して上昇していました。しかし、今では能力がなければ昇進はできず、自分より若い社員が上司になるということも増えています。

このことが長い間、会社に貢献してきた男性の高齢者にとっては不満となり、居場所をなくしたような孤立感につながるのです。

キレる高齢者への対応

怒りやすくなっている状態の高齢者の方には、次に挙げる3点を意識した対応を行いましょう。

人間関係を広げるきっかけをつくる

現在、ご家族に定年前の50代から60代の方がいるのならば、会社以外で友人をつくる機会を増やすようにしましょう。

定年を迎えると、仕事の人間関係がすっぽりなくなる男性が多いことから、社会的孤立に陥る傾向が強いのです。常に新しい人と出会い、新しい行動を取り入れていくことが、脳を刺激し心を穏やかにするために必要です。

仕事以外でも、趣味や地域の友人を作ることができれば、定年後の日常生活で人とのコミュニケーションをもつことができます。夫婦や家族で地域のボランティアに参加したり、習いごとの教室に通うのも良いでしょう。

家族が主体的に関わりをつくる

会社にお勤めの間に、友人や知人を作らずに仕事に没頭した方は、老後を一人で過ごす可能性が高くなります。このような場合は、家族でコミュニケーションを取れるかどうかが重要です。

近年はスマートフォンで顔を見ながら気軽に連絡を取り合うことが可能ですし、誰かと話をする機会を持つことで気持ちが落ち着くことも多いはずです。

丁寧に傾聴する

コミュニケーションを円滑にするには高齢者の方の「意見を尊重する」「尊厳を守る」といったように、人生の先輩として敬う姿勢を心がけましょう。

高齢者の方は、いままで多種多様な経験をしています。高齢者には、長年生きてきた中で培ってきた人生経験とプライドがあります。同じ話を何度も繰り返す、言葉を間違えることがあっても、否定したり怒ったりしないで、そのままを受容し傾聴することが大切です。

また、目線をあわせて話をしてみたり、身振り手振りを交えたりすることで、話を聞きたいという姿勢を見せましょう。自分が知らない時代のことを質問したり、高齢者の方が頑張ってきた仕事について質問すると、嬉しそうに教えてくれることが多いものです。

まとめ

高齢者の方が怒りやすい背景には、孤独感や不安が存在していることが少なくありません。

そこで周囲が関係を持つことを拒否してしまうと、うつ病や、ときには犯罪などにつながる可能性もあります。まずは高齢者の方に自信を取り戻してもらうことが大切です。少しずつでもコミュニケーションをとることで、気持ちを和らげるように対応しましょう。

よくある質問

高齢者がキレやすくなってしまう病気は?

【回答】
高齢者がキレやすくなる病気のひとつに「認知症の初期症状」が挙げられます。

【解説】
感情のコントロールが難しくなることで、キレやすくなります。さらに周りの状況を理解して把握することが困難となり、イライラしたり怒りっぽくなったりする症状もみられます。

また、認知症の症状が進行すると今までできていたことができなくなります。そのことを周囲から指摘されることでプライドが傷つき、感情が高まってしまうケースも少なくありません。
認知症の方自身ができなくなったことを1番理解しているので、プライドを傷つけないように気を付けましょう。

【詳細を知る】
キレる高齢者への対応に関する詳細は、「【アンケート】高齢者が怒りやすいときの対応は?怒る原因と接し方のポイント」のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

キレやすい高齢者への対象方法は?

【回答】
怒ってしまう原因を特定したり、一時的に距離を取ったりすることが有効です。

【解説】
認知症の方は自分の気持ちをうまく伝えられないため、体調が悪くてイライラする、したいことができずにイライラしている場合があります。そのため、本人がリラックスしてコミュニケーションが取れる環境を整えましょう。

もし、話を聞いても興奮が止まらない場合、怪我や事故につながる可能性もあります。そうした事態を防ぐためにも、冷静になるまでその場を一旦離れることも大切です。

【詳細を知る】
キレる高齢者への対応に関する詳細は、「【アンケート】高齢者が怒りやすいときの対応は?怒る原因と接し方のポイント」のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

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